8/16
はい、マイマスター《試02》
突然抱き竦められ彼女の耳が真っ赤に染まる。覚悟はして来たとはいえ実際そうなるとやはり違う。恥ずかしくて目を開けていられず力一杯目を瞑ってしまっていた。そして――
バシバシと乱暴に背中を打たれる音が部屋に響く。
何が起こっているのか分からず目を白黒させていると再び乱暴に引き剥がされる。肩を掴んでいる彼の手が少し食い込み気味に力が込められてい困惑していると自分を見詰める瞳が半ば潤んでいることに気付いた。
「よくぞ、よくぞ生きていてくれた! どれだけ心配したことか。あんまり心配をかけさせないでくれ」
それだけ言うと再び乱暴な抱擁をされた。心ならずも心配をさせたことを悔いもしたが邪険に追い返されることも覚悟していたためとても嬉しく二人だけの室内でお互い暫くメソメソとしてしまった。
2015年11月18日 pixiv投稿