はい、マイマスター《試01》
『防衛戦開始!』
タン……タン……タン……
屋敷前庭ににカイルの膝を打つ音が響いている。玄関先の数段の階段に胡座をかくように座って左肘を腿についた姿勢で、右の膝を拳でゆっくりと一定のテンポで叩いている。
タン……タン……タン……
カイルの右手には(メ)、マリィ、(戦)が、左手にはエミリア、エイダ、(魔)、エミルが並んで立っている。
カイルがエミリアに視線を送るとエミリアから「あと3分ほどです」と返答がある。それを受けてカイルは勢いをつけて立ち上がり、数歩前に進み皆に背を向けたまま話し出す。
「敵は数百。盾の壁も分厚く長い。だが、あれは全部土人形だ。本当の敵はその後ろ、あれらを指揮する○○将軍とあれらを生み出す□□の唯二人。臆するに足らず」
大仰に、半ば芝居がかったように肩を竦めて見せる。
「開戦の予鈴がなり次第私とマリィと(戦)の3人が駆け出す。開戦同時に初交戦可能領域に突入するように。(魔)は直ぐに魔術の発動準備を。(メ)は魔導器により私たちをここから援護。無理はするな。エミリアは直ぐ様2階の戦域を見渡せる位置へ行き逐次異変あれば報告を。エミルはエミリアと共に。エイダは開戦と同時に結界を発動。屋敷全体と交戦領域との境界の2ヵ所」
指示を出し終えた頃に間の抜けたような音が響く。ギルドの上げた開戦の予鈴である狼煙だ。
「よしっ!全員行動開始っ!」
その掛け声とともに皆がカイルの指示した行動を慌ただしく始める。カイルの視線の先、敵も「全軍、前へぇっ!」の○○の合図で盾の壁が進みだした。
そして開戦の狼煙が上げられ双方が初交戦可能領域に踏み込む。
ここに第X次防衛戦の幕開けである。
備考:この話に関するTwitterでのつぶやき
・ちなみに先の話の「(メ)」や「(戦)」や「(魔)」は名前やある程度の設定も決まってたり。ただ(戦)は男にするか女にするかで迷ってたりはするのね。(2015/08/03/20:59)
・流れ的に全員女で揃えるのもいいかとも思うけど、某シリーズのアーサーとダーヴェルみたいな関係もいいかな、と。憧れの対象であり親友でもあるとかね。(2015/08/03/21:02)
2015年08月03日 pixiv投稿