表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラブルメイカー -To Love Maker-  作者: TAMA-RUN
97/167

#97 特別篇 クリスマスラブソング 1

空を見上げる

空は、分厚い雲に覆われていた


チラチラと、雪が降り注ぐ


『諦めるなよ』


あの日に交わした約束


あの雪の日に手にした、小さなキラメキ

それは、大きなキラメキとなって世界を覆う


再び、空へと視線を移す


そこには、遥か天に聳え立つ一本の槍

その槍は大地と天を穿ち、繋ぎ止めている


「待ってろよ・・・」

意を決して一歩を踏み出す


その眼前に広がるは、かつて共に過ごした者達


「ここより先、一歩足りとも行かせません」

鋭い眼光で俺を見据える


「大和武、押し通る!」


それは、起こるべくして起こった『もう一つの結末』

あの雪の日に、始まった物語の結末


これから語るは


全てを投げ捨て、想いを遂げる者

己を捨てて、誓いを守る者


そんな二人の

『もう一つの結末』への物語


黄昏の果てへの序曲プロローグ



-ある冬の日に-


「はい、そこまでよ!」

パンと、手を叩きながら告げる


「今の振り付け、どうだった?」

新曲の為に創られた、振り付けのキメを確認する


「まぁまぁ、かな?」

心地よい汗をぬぐいながら、真夏が応えた


「あと二週間、か・・・」

その場に座り込んでつぶやいた


「ん?なに?」

今更ながらに、秋乘が訊いてきた


「クリスマスよ、ク・リ・ス・マ・ス!」

少しふてくされたように応える


「今年は、どうなの?」

美冬が何やら含み有り気に尋ねる


「どうって、なにが?」

特に予定はないはずだ

もっとも毎年恒例の『クリスマスライブ』は、やるんだろうけど


「いやぁねぇ?春香ちゃん、とぼけちゃって」

クスクスと笑う


「あいつと過ごすんだろ?」

にやけながら、真夏がツッコんだ


「あぁタケルさん、ですね?」

目を輝かせて、秋乘がうなづく


「ちょ、なんで彼がここで出てくるのよ!?」

確かに今、脳裏に彼の顔が浮かんだけど


「したんでしょ?」

美冬が、顔を寄せる


「コ・ク・ハ・ク・♡」

ほっぺを、つついてきた


「な、な、な、なんで・・・!?」

『何で知ってるの!?』思わず、そう答えそうになる


そう、あの日

短い旅行から帰った私達


私は、自分の気持ちに気付いた

『私は、彼が好き』


そう思ったらもう、止まらなかった


みんなと別れた後、偶然にも二人だけがそこに残された

私を見つめる彼は、あの日と同じ優しい瞳だった


そして、あふれ出た思いのまま私は彼に告げたのだ


『私は、貴方の傍に居たい』


でも、彼は応えてくれなかった


それから私たちは顔を合わせていない

それは、偶然なのか

それとも、避けられているのか・・・


そんな思いの中、今回の『クリスマスライブ』の開催日が決められた


私は、わからなかった

自分にとって、何が望むべきことなのか

自分にとって、何を求めるべきなのか


そして、その機会を失おうとしていることが・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ