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トラブルメイカー -To Love Maker-  作者: TAMA-RUN
89/167

#89 番外編 SKY-そらへ- ②

「だい嫌いっ!」

これが最後に交わした言葉


他愛のない姉妹喧嘩だった


その日は、家族みんなでお出かけ

楽しいはずの時間は悲劇によって引き裂かれた


車の座席でお互いに、黙って会話も交わさない二人


本当は、謝りたいのに・・・

お互いにそれっきり口もきいていない


お父さんとお母さんが仲直りのために

一緒にご飯を食べに行こうと、お出かけしたのに


車内に沈黙が続く

その沈黙を引き裂いたのは、衝撃そして轟音


そして、めまぐるしく視界が回る中

そのまま気を失っていた


目覚めたのは、病院のベットの上

ぼんやりと天井を眺める


『ばいばい』


そんな姉の声が聞こえた気がした


目を覚ませば暗い部屋

隣には、主の居ないベッドがそのまま残されている


それを眺めるたびに思い知る

お姉ちゃんはもういないんだと・・・


そして独り

膝を抱えて泣いている


そんな夜を

何度も何度も過ごしている


わたしは夜が嫌いだ

早く夜が終わればいいのに



どこまでも続く空の下

今日も大事な人達が笑う

わたしにとって、この場所だけが

自分でいられる場所


「優気さん発見!」

彼の後ろ姿に駆け寄る


「えいっ!!」

嬉しさのあまり飛び付く


どん!

軽い衝撃と

乾いた金属音が響く


「はわ!はわ!」

パタパタと手を振り走り回る

予想外の展開だ


「だ、大丈夫ですか!?」

痛そうだけど、聞いてみる


「おまえ『えい』とか、言わなかったか・・・?」

涙声で訴えてくる


「蘭、グッジョブ!」

月乃ちゃんが親指を立ててつぶやいた


「どうせなら、そこから突き落としちゃえばよかったのに・・・」

いつから居たのか、真由美ちゃんが言う


彼女達とも知り合って数日

毎日のように集まって、いろんな話をする


「オマエ、なんでそんなに殺意満々なの・・・?」

いつものように、冗談とも本気とも言える会話の中

ゆっくりと時間が流れていく


そこはわたしの居場所

そこに居れば、笑っていられる

そこに居れば、夜に泣き出すこともない


「皆で、お祭りに行こう!」


真由美ちゃんの一声で

みんなして、お祭りに行くことになった


それぞれが浴衣に着替え着飾っていく


わたしは・・・

浴衣なんて持っていない


「蘭ちゃんには、私のを貸してあげるね」

真由美ちゃんが楽しそうに言う


「蘭・・・」

「んにゃ?」

月乃ちゃんがじっと見つめる


「今夜が勝負時だよ・・・!」

「はわわわわ」

優気さんを指差して言う


「・・・?」

それぞれの思惑を乗せて一同は神社へと向かう

(どんな思惑かはよく知らないけれど)


賑わう神社は人で溢れ返り

その熱気は心地よく来客を迎える


みんなで騒ぎながら

いろんな出店を回り楽しむ


ふと気付けば

隣には優気さんだけが立っていた


「・・・まずい」

「そうですか?」

不意に彼がつぶやいた


「ああ」

「美味しいですけど?」

手にしたたこ焼きを、ほおばる


「たこ焼きのことじゃない」

彼の言葉に、ふと周りを見てみる


「えっと」

誰も居なかった


「はぐれたみたいだな・・・」



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