#84 北へ・・・! その8
『この想いが届くことがなくても、絶対に後悔はしない』
この日、改めて誓い合った私達の想い
私達が好きになったのは、同じ人
私達は、それぞれ彼に心を救われた
『ずっと、そばにいると言ってくれた』
『前に進む勇気を、教えてくれた』
『本当の笑顔を、思い出させてくれた』
『自分を、受け入れる強さをくれた』
それは、彼にとってなんでもないこと
だって彼は、その全てを見つけていたのだから
そんな彼は、きっと気づいていない
自分のそんな優しさが
誰にでも、優しいその強さが
好きになる幸せと
叶わぬ想いに傷付く悲しみに
だけど、このままでいることはできはしない
いつかはきっと伝えることで
未来に進まなければいけないから
だから、私達は決めたんだ
『自分の言葉で、想いを伝える事』を・・・
「だから!わかったって言ってんだろ!?」
誰かが叫んでいる
「ホントだな!?」
「ホントだって!」
何か言い合っている
「何してんの?あなた達」
春香が二人に問いかける
「げ・・・!?」
露骨なまでに、嫌そうに言う
「べ、別に、一緒に風呂に入ってたわけじゃないぞ」
自ら墓穴を掘る
「はぁ?何言ってんの?」
呆れる春香
「別にそれくらい、いいんじゃないの?」
気にも止めない真由美
「それくらいって、オマエ・・・」
「さすがに、なぁ・・・?」
二人は、お互い抱き合うように固まっている
「何?二人ともそんな関係?」
なにやら怪しい顔で、笑っている真夏
「薄い本が売れそう・・・」
怪しい顔で、つぶやく月乃
「熱すぎる友情・・・?」
なぜか頬を赤らめる美冬
「オマエら・・・」
根本的に何かが、食い違っている
「で、男二人で何時まで抱き合ってるの?」
呆れた春香が、問いかける
「・・・・・・」
「・・・・・・」
いつの間にか、男に戻っている優気
それを、庇うように抱きかかえるタケル
傍から見るとそれは、勘違いされて当然の構図である
「おわぁぁぁ!?」
「うげっ!?」
思わず、お互いを突き飛ばす
「そんなことより、行くわよ?」
『そんなこと』で、片付けられた
「行くって、どこに・・?」
良く理解できない
「宴の時間だ」
いつの間にそこにいたのか、真理センセイが怪しく笑う
「ささ、こちらへどうぞ」
にこやかに手招きする十六夜
用意された部屋に入るとそこには、豪華な食事が用意されていた
「おお~っ」
一同、瞳を輝かせる
「さぁ、本日のクライマックスと行こうか!」
当然のように、上座に腰を下ろす真理センセイ
「はぁ~い!!」
そして異国の夜は、真の始まりを迎えるのであった




