#68 Summre Song Story エピローグ
光あふれる星のキラメキ
空を暖かく包んだ光は暗雲を祓い
再び大地を照らし出す
『バベル』消失から数日が過ぎた
大地に刻まれた傷は少しづつ癒されていった
世界中の人々の心に刻まれた歌
人々の希望を受けて届けられたその歌は
新たなる未来を記していく
「今日から、新しいマネージャーがアナタたちをプロデュースするわ」
あいも変わらずアフロを揺らしおネェ言葉で彼は告げた
ドアの前に居たのは伝説の歌姫
-数日前-
「ここは・・・・」
目に飛び込んできたのは見知らぬ天井
「私は、生きているの・・・?」
自分の両手を握りしめ、その命の脈動を感じ取る
「どうして、私はココに居るの?」
自分のしたことの重さに、悲しみがこみ上げてくる
「目覚めたか」
いつの間にかそばにいた
「なぜ、死なせてくれなかったの?」
後悔の感情で押しつぶされそうだ
「簡単に逃げられると思うな」
彼女の襟元を掴んで言う
「君は、責任を取るべきだろう?」
感情は押し殺されているものの、その言葉は重い
「結構、苦労したんだぞ」
言葉と共に現れたのは、巨大なダンボール人形
「カンシャ、シヤガリマセ」
ロボらしくカタカナでしゃべる
『バベル』から転落した際に彼女を救出したのは
ダンボール人形こと『ろぼにー』だった
「どう責任を取れというの?」
力無くつぶやく
「君は託したのだろう?」
含みのある言葉
「ならば、ちゃんと全うせねばなるまいよ」
まるで、子供のように何かを企んでいる笑顔
それは『生きる』という償いなのだろう
確かに、自分のやっていたことは許せはしない事
命を弄び、道具として扱っていた
自分の命でさえも
「よろしくお願いします!」
その言葉で現実に引き戻された
目の前には握手を求める『彼女』の笑顔
その後ろには彼女と共に歩んでいる仲間達が居る
「全てを『託す』か・・・」
その言葉は、かくも重いものか
ゆっくりと彼女の手を握る
「思い出は、これからいくらでも創れる」
誰かが言った言葉と同じ言葉
「たくさん創っていきましょう!」
その笑顔に曇りは無い
私たちはアイドル!
今日もたくさんのファンの為に
『キラメキ』を、いっぱい届けます!!
「ひとまずは、幕引きということで良しとしましょう・・・」
『バベル』の残骸の中で一人佇む
「次に彼女が目覚める時に、世界が失望に包まれていない事を祈っていますよ・・・」
言いながら、その影は何処かへと消えていった




