#64 Summre Song Story その21
「避難状況は!?」
「エリア1から7は避難終了しました!」
「エリア8は、後3分ほどで完了します」
「1分で済ませろ」
管制室には、めまぐるしく変化していく状況を映し出す無数のモニターあるが、その殆どはノイズによって状況は判っていない
しかしながら、音声は辛うじて通じているという事態である
「全てのエリアの退避完了しました!」
オペレーターが司令塔である『大和撫子』へと通達する
「教諭・・・!」
【ようやく】というように【作戦参謀】とも言える
『先勝真理』へ支持を仰ぐ
「カウント・ゼロと同時に破棄を決行する!」
「カウントダウン、開始!」
モニターが一斉にカウントを刻み始める
「5、4、3、2・・・」
固唾を飲んでモニターを見守る
「1」
「破棄!!」
カウントが『ゼロ』を表示したと同時に
激しい振動と閃光が空を覆い尽くす
『バベル』を取り巻く『エンゲージ・リング』を同時に切り離し
それらを大気圏外へと弾き出すために同時に爆破する
『シャイニング・スター・ステージ決勝』を開催する舞台『バベル』
しかし、その実態は『全人類を一つの至高のもとに洗脳する』
『増幅装置』である
『世界統一思考』と名付けられた
この裏の計画を阻止するために開催社である『大和重工』の
副代表取締『大和撫子』率いる『大和特務隊』
その実弟である『大和武』に仕える
『十六夜』率いる『大和奉仕隊』
それらの人員による決行作戦によって【ようやく】全ては結末へと向かう
はずだった
「モニター、間もなくクリアーになります」
瞬間、けたたましく警告音が響きモニターが紅く染まっていく
「何事ですの!?」
「パージは成功したのではないのか!?」
思わず叫ぶ真理
「くくく・・・」
スピーカーから笑い声が漏れる
「君たちの頑張りすぎだ」
声の主は、拘束されているはずの『主任』であった
「君たちの決行した『エンゲージ・リング』の破棄は成功した」
「しかし、『バベル』本体にまでそのダメージを与えてしまったのだよ」
勝ち誇るヤツ(主任)の顔が脳裏に浮かぶ
「どんなに頑張っても、この結果では【無意味】だということだ」
「結局、犠牲無くして偉業は成し得ないのだ!」
「だからといって、無関係な者を巻き込んで良いという道理など!」
撫子の激情が辺りを震わせる
「奇跡でも起こせない限り、人類に未来など歩めないのだ!」
激しい振動を受けて傾き始める『バベル』がモニターに映る中
『主任』の言葉が絶望を加速させていく




