#61 Summer Song Story その18
轟音に揺れる『エンゲージ・リング』
『統一思考世界』
全世界規模に張り巡らされた『洗脳計画』
『主任』と呼ばれる人物により画策されたこの計画は暴走を始めていた
『守護者』と呼ばれる『高性能AI』は
この計画を実行すべく、起動された
『守護者』たる為に、計画の妨げになるものは排除する
自らの防衛を兼ねて『エンゲージ・リング』内の侵入者を駆逐せんとし
『洗脳計画』を阻止するべく、『エンゲージ・リング』を破棄する為
侵攻した『大和重工特務隊』との攻防が繰り広げられているのだ。
「こちらαチーム、Aブロックを確保した」
「βチーム、ただ今交戦中!」
「γチーム、間もなく確保完了」
大和重工の誇る特務隊による作戦は順調と言えた
「全ては、タイミングが重要ですわよ!」
撫子の指示がレシーバーに響く
「教諭?」
眼で、合図を送る
「ふむ・・・大和武、聴こえているかね?」
ノイズだけのモニターに問い掛ける
「・・・聴いてるよ」
ぶっきらぼうな返事が返ってくる
「て、いうか無茶苦茶だっての!!!」
「いくらオレでも、キツいっての!」
「もう少しで、宇宙のお星様になっちまうとこだったんですよ!?」
息を付かせず、まくし立ててくる
「しかし、無事だったんだ」
楽観的に応える真理
「あのダンボール、何なんだよ!?」
タケルを【無理やり】運んできた、あの異様な存在である
「可愛かろう?名を『ろぼにー』と言うんだ」
あの特異な姿は彼女の好みだった
「名前なんかどうでもいいですよ!」
「で、その『彼』はどうした?」
あくまで『ろぼにー』が大事らしい
「知りませんよ」
「オレを、ココにブン投げて何処かに飛んでいっちまいましたから」
おかげで、しばらく気絶していたわけだが・・・
「なら、概ね任務は成功したんだな」
ふむ、と頷きながらほくそ笑む真理
「どこが成功なんですか・・・」
呆れながらツッコんでいた
「タケル」
撫子が会話に入ってくる
「彼女は今、貴方を必要としているはずです」
『彼女』とはもちろん『ハルカ』のことだろう
「大和重工の跡取りを名乗るなら、やってみせなさい!」
厳しくも暖かい激が飛ぶ
「絶対に、諦めねぇ!」
そう言いながら、立ち上がり走り出す
「貴方にしか、彼女は救えないのですよ」
ゆっくりと空を見上げながら撫子は祈るように言った




