#54 Summer Song Story その11
♪眠りの裏側に おきざりの記憶
胸を刺す痛み とおい鋼の残像
果てしない欲望 その先を求めつづける
猛る想い 失ったもの 取り戻すために
握り締めた手と手 繋がれる未来
ぬくもりの彼方に 揺れる瞬間のキラメキ
あの日生まれた 希望のカケラたち
魂に刻んで 戦い続けよう
ココからはじまる あたらしい神話
Dive into the chronicle Of
NEW GENERATION♪
*『Chronicle』 word by HARUKA*
たくさんの声援に包まれて、一曲を歌い終える
『SSS』決勝戦
とはいえ、対戦相手の筈の『花房組』の姿は現れず
私たちはそのまま、歌い始める事になった
地上より遥か天高く、星の海に包まれて
全世界に私たち『フォーシーズン』の歌が響き渡る
地上から見上げるその光景は
天然のプロジェクターとして彼女たちを映し出している
「システム正常に機能しています」
地球を、ぐるりと取り囲む『エンゲージ・リング』の起動を確認した
オペレーターが様子を機械的に伝えてきた
「続けて、音波起動します」
人々に、ひとつの意識のみを植え付ける計画
『統一思考世界』
遂に計画が行使されようとしていた
「永きに渡って、行われてきた実験が実を結ぶ時が来たようだ」
感慨深そうに頷きながらつぶやく『主任』
「そして私は、全てを手に入れる!」
口元が醜く歪む
「そう、この『私』がな!!」
その本性は『欲望』
大いなる力を手にした者が取る行動はひとつ
『全ての支配』
「残念ながら、そうはさせませんわ」
凛とした声が『主任』に突き刺さる
『大和撫子』
大和重工の社長である『大和建造』の
一人娘であり、タケルの姉
そして『ヤマト重工』の、総管理を一手に担う重役の一人である
「あなた様のやろうとしている事は、認めるわけにはいきません!」
背後に控えていたスーツ姿の男たちが、制御室を包囲していた
「なら、どうしようというのですかな?」
尚も不敵に構える『主任』
「決まっていますわ!」
相手を指差し、さっそうと指令を下す
「あなたの任を解き、拘束します!」
鋭い眼光で、威圧する
「いいのですかな?」
モニターが『エンゲージ・リング』に切り替わる
「人質達が、どうなっても?」
手にしたスイッチを、チラつかせてほくそ笑む
スイッチを入れた途端『エンゲージ・リング』に
何らかの異変が起こる仕組みのようだ
ステージのボルテージが最高潮に盛り上がるのとは裏腹に
『制御室』は凍りついたような緊張に張り詰めていた。




