#53 Summer Song Story その10
「だから、だから絶対に忘れないで・・・!」
お互いに伸ばした手が、空を切る
「!!?」
自分の視界は漆黒の闇
どのくらいの間、眠っていたのだろう?
どうやらオレは何処かへ閉じ込められたらしい
「・・・・・」
地面に耳を当て、情報を探る
低い機械音が、冷たい地面を通して聴こえてくる
一定の距離から、断続的に響いているところを見るとまだ『地上』に居る様だ。
「こりゃ、また遅刻だな・・・」
その場で座り込んでぼやく
大きく息を吸い込んで、真っ直ぐに前を見据える
眼前に広がるのは広大な星の海
「ついに此処まで来れたよ・・・」
『地球』を見下ろしながら感慨にふける
3年前、あの『白い空間』で目覚めた時に残されていた言葉
『諦めるなよ』
誰が残したのかも解らない
だけど、ずっと知っていた気がする
『歌いたい』
その想いだけは忘れていない
それを糧にして、みんなと一緒にやってきた
そんな中、私の前に現れた『もう一人の私』
『自分の居る証が欲しい』
私と同じ想いを持っていた
私は歌うことで、その証を残してきた
あの子にもその証を残して欲しい
「こんなところで、投げ出すつもりなの!?」
彼女の肩を掴んで、言葉を投げつけた
しかし彼女は、目を覚ますことはなかった
突然意識を失って倒れた彼女
原因は不明
その結果『トラブルメイカー』は『リタイア』という結果に終わった
だけど、私は待っている
この空で、あの子が再び笑顔で話し掛けてくる時まで
「ハルカ、準備は良い?」
秋乘の言葉が、私を現実に引き戻す
「ついに、ココまで来たね」
満面の笑みでみんなを見渡す
「でも、ココで終わりじゃないんだろ?」
真夏が不敵に笑う
「ココからが、『スタート』でしょ?」
美冬の言葉で、一気に空気が引き締まっていく
「最高のキラメキ」
言葉と共に、四人の手が重なる
「みんなに、届けよう!!」
四人の言葉と心が一つになっていく
私達は、精一杯歌うだけ
それが私たちの決意
それが私たちの約束
蒼く輝く『地球』に、キラメキの『華』を咲かせよう




