#46 Summre Song Story その3
「いらっしゃいませ、『まつかぜ』大和店へようこそ!」
店内に響くインターホンの音とともに、元気いっぱいの声が出迎えた。
「やっほーっ♡」
そんな声の主に、軽く手を振りながら美冬は店内を見渡す
この時間帯14時も過ぎれば、昼食のために溢れかえった客は
もうまばらでしかない。
「こんにちは、今日も良いかしら?」
そのあとを追うように春香が続く
「あ、みんな!もちろんだよぉ~」
いつでも明るく元気いっぱいな『桐原菜々香』(きりはらななか)
彼女もまた『フォーシーズン』の一ファンであり、彼女たちの良き理解者の一人。
「お?毎度~っ」
この店特有の可愛らしいチャイナ服を着こなし、
店内を小走りに往来しながら軽い挨拶を交わす
どこか少年のような中性的な彼女『市川裕美』(いちかわゆみ)
「早速『いつもの』たのむな~」
ちゃっかり、定位置である店内の一角に陣取って注文する真夏
「もちろん、マネージャーに『ツケ』ておいてくださいね♡」
見た目のホンワカさとは裏腹に腹黒なことをサラリと言う秋乘
「いやぁ、相変わらず華やかでいいねぇ~♡」
厨房の方から顔を覗かせながらニヤけるチャラ男(失礼)
『寺山正樹』(てらやままさき)
もともと彼らは、この人工島の住人ではなく
この『まつかぜ大和店』のオープンに伴い『研修』という名目の為
本店から召喚されたのだ。
「さて、みんなも知っての通り私たち『フォーシ-ズン』は見事予選を通過したわ!」
身を乗り出して、高らかに意気込む春香。
いや、この場合の春香は『フォーシーズン』のリーダーである『ハルカ』というべきか。
「ここからが、本番よ!」
メンバーに激を飛ばす
「きっと、『あの子達』だって当然のように勝ち上がってくるず・・・!」
脳裏に浮かぶのは、同じ学校に通うクラスメイトたちで結成されたライバル
『トラブルメイカー』
-自分の居る証を確かめたい-
彼女『ゆうき』が切実に望んだ願い
その真意は判りはしない
でも、私たちと同じ舞台に立つのなら全力で迎え撃つ
思わず拳を握り締め、ふと思う。
「私の望みは・・・」
ふと、誰かの面影が思い浮かぶ
「おい、ハルカ!」
真夏に呼ばれて、現実に引き戻される
「な、なに!?」
慌てて、返事すると目の前には一冊の新聞
「・・・・・ウソ!?」
新聞の記事に踊るのは『復活のレジェンド-platina-参戦!!』の見出し。
私が、アイドルを目指すきっかけになった一つが彼女達『platina』の存在。
『彼女たちのようにキラメキたい!』
それが全ての始まり
その、想いをぶつけるには絶好のチャンスだ。
「絶対に、負けられない・・・!」
料理の熱気よりも熱い思いをたぎらせながら、つぶやくハルカであった。




