#44 Summre Song Story その1
空には大きな満月が輝いている
それを突き抜けるように飛ぶ旅客機
♪眠れない夜に 見上げる空 キラメク星達が
その輝きで 世界を照らす♪
機内に、歌声が心地よく響く
飛行機雲が矢のように満月の前を通過する
ちょうど月の正面で大きな光が広がっていった
それは、あまりにも唐突だった
光が消え去る頃
そこにはただ、満月だけが輝いていた
「みんな!」
私の声で気持ちを切り替える
「最高のキラメキ・・・!」
みんなで肩を組んで、円陣を作る
「たくさん届けよう!!」
「届けよう!!!」
気合を入れてお互いに叱咤する。
『SSS』
数年に一度、行われるアイドルたちの祭典。
今年は、例年にない盛り上がりを見せていた
世界有数の大企業『大和重工』がスポンサーとして名乗りを上げてから
その『大和重工』の有する巨大人工島が
そのメイン会場として提供された
数々のアイドル・シンガー達が、競い合い高め合う中
そのボルテージは最高潮になっていく
10日間で繰り広げられるその『祭り』
そこには様々な思惑が交差していた
「今回は、いいデータが取れそうだ」
多数のモニターに映し出されているのはきらびやかに映し出される
『美しき歌姫達』の姿。
「これだけ高純度なエネルギーを生み出すのだからな」
手元の端末で何かを打ち込んでいく
「被検体の監視を怠るなよ?」
モニターに映し出されたのは、アイドルユニット『フォーシーズン』
「君を抱きしめたい!」
突然後ろから抱きつかれる
「なにしやがる!」
何度も殴ってやった
殴り飛ばされた人物の胸ぐらを掴む
「や、やるじゃない・・・」
ぶっ飛ばされて尚、軽口を叩く
「優ちゃん!行くよ~!!」
真由美が手招きする
いつの間にやら、アイドルユニットとして
『SSS』に参加することになった彼女達
ゆうき・真由美・蘭・月乃
そして、急遽5人目として選ばれた『優』
『誰でも参加自由』な、今祭典ならではのエピソードだろう
「無茶すんじゃねえぞ・・・」
そんな彼女たちを見送りながらつぶやいた
「若様」
気配を感じさせずに彼の背後に現れた一人のメイド
「心配すんなって」
「やることやって、SSS楽しまないとな」
音もなく闇に消えていった。




