#04 これは、そう幻なんだ!
「昨日は良く眠れましたか?」
おもむろにマイクを向けられる
「・・・あんまり眠れませんでした」
緊張しながら答えたのは『優気』
「私はぐっすり眠れたよ」
特に考えるでもなく答える『ゆうき』
「あくまで対照的な二人です・・・」
暑い日差しの下、ここまで勝ちあがってきた二人・・・
果たして、勝利を手にするのは誰なのか?
「では、問題です!!」
緊張で空気が張り詰める・・・!
「この物語はフィクションである?」
「○か・・・×か?」
ピンポーン!
僅差で、優気に回答権が与えられる。
「・・・ゴクリ・・・」
息を呑んで見守る
「・・・ま、まる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・正・解!!」
じっくりと溜めを作って言うさまは「み○さん」のようだ。
わぁぁぁぁーーーーー!!
そして、この瞬間歓声が辺りを包む!
「優勝、おめでとう!!」
・・・・って、前フリ長いですね、すんません
硬直する中で優気の思考が暴走したようだ。
そして今の現状はというと
(ほぼ)裸でお互い抱き合うさまは、やはり只の関係には見えない
「・・・・・・」
「・・・・・・」
優気と真由美、二人の間の時間が止まる
それを動かしたのは優気であった
「やぁ、おはよう!今日もさわやかな朝だね」
きらりと光る微笑を作りながら右手を上げて挨拶する。
「・・・・・」
「まぁなんだ、ドアを壊したことは、大目に見てやろう」
「その代わり・・・だ!」
息をつかせずしゃべりだす
「今ここで見ているものはすべて幻なんだよ!フィクションだ!」
「だから、そのまま後ろを向いて、玄関で待ってろ!」
どうやら、幻として、ごまかしたいらしい
「・・・・・」
フルフルと肩を震わせている真由美
「おっはよぉー!うふっ」
まったく空気を読まないゆうき(もちろんワザとだろうが)
つかつかと、優気の前に歩み寄る真由美
「・・・この・・・」
その顔は、怒りと驚きと悲しみに彩られた複雑なものだった
「不埒ものがぁぁぁぁーーーーー!!」
叫び声と共に、優気が窓から吹き飛ばされていく
視線の先には真由美が泣きながら部屋を出て行くのが見えた・・・
「優ちゃんの、うんこたれーーーー!!!」
「あららぁ〜っ」
あくまでも空気を読まない『ゆうき』であった。