#31 閑話休題
それは、あるまどろみの中
響くはチャペルの鐘の音
華やかに祝いの言葉を受けて二人は新たな未来を歩いていく・・・
「待て・・・」
すごく、デジャヴーな感覚に陥る
「君を抱きしめたい!」
いきなり抱きつかれる
「何しやがる!」
何度も殴ってやった
「全力で未完成~っ!」
なにか叫びながら吹っ飛んでいった
自分の体の違和感に不安がよぎる
「なんじゃぁ!こりゃぁぁぁぁ!!?」
不安は的中した。
「起きたか?」
雄叫びの中目覚めた
そこは自分の部屋ではなかった
「おはよ♡」
「今度は何を企んでいる?」
笑顔のゆうきに問い掛ける。
「一緒にアイドルやろう!」
親指を立てて言う
「断る」
即決してやった
「良いのか?」
傍らにいたのは真理センセイ
「まぁ、そのままで居たいならそれも良いだろう」
意味深なことを言う
その微笑みは悪魔の微笑み
ふと、正面の違和感を感じる
目の前にあるのは、自分の姿を映している鏡
「・・・・?」
何かが違う
「おい・・・」
わざとらしく口笛を吹いているゆうきを観る
鏡に映し出されているのは
自分の知っている自分ではなかった。
「なんじゃぁ!こりゃぁぁぁぁ!!?」
さっきと同じ言葉が響き渡る
鏡に映っていた自分は、いつもの自分ではなく
ひとりの少女だった
思わず鏡に張り付く
「・・・・・・・・・」
ゆっくりと二人に振り返る
「自体は把握できたかね?」
まるで悪の首領のように尋ねる真理センセイ
「元に戻してください」
真剣な顔で言う(当然)
「アイドル、しよ!」
ゆうきが肩を叩く
そういうことか・・・
「みんな、お待たせ!」
ゆうきの声が響く
何やら話していた後に、呼び込まれる
「ささ!こっちに来て!!」
「・・・・・」
顔を上げられない
「結構可愛いでしょ?」
このまま駆け出して行きたくなる
「この子が5人目なの?」
「初めまして、です!」
「新キャラさんだね」
一斉に注がれる視線
コイツら(真由美、月乃、蘭)もまた
ゆうきに巻き込まれているのか?
ぎこちない挨拶の中、考える
今度は一体、何をしようってんだ?
「お名前は?」
突然、蘭が覗き込んでくるように訪ねてきた
「えっと・・・」
急に言われて焦る
「ゆ、優・・・」
危うく、自分の本名を言いそうになる
そんなやり取りの中、解ったのは
『アイドルユニットとして、イベントに参加する』
ということ。
最も、その理由は解らないままだが・・・
『トラブルメイカー』
思わず呟いたその名前が、ユニット名に決定し
にわかに活気づく面々を後に表に出る
「君を、何度も抱きしめたい!」
いきなり抱きつかれる
「何しやがる!」
何度も殴ってやった
ぶっ飛ばされて、転がっているのは
やっぱり『タケル』だった。
様々な不安を抱えて
俺は『トラブルメイカー』のメンバーとして
(強制的に)参加したのだが
『別に、女性限定では無い』という事実を知ったのは
開催前日のことであった・・・
俺って、不幸・・・?




