#27 ハルカなる高みを目指して! その1
『アイドル』
それは、人に『キラメキ』を分け与えることができる
能力の持ち主。
『アイドル』
それは、人に愛されて人を愛することで
『キラメキ』を手に入れることのできる者。
そして、今年もまた
幾多ものアイドル達が、頂点を目指して競い合う。
お互いに負けられない、自分達の存在を
自分達を、愛してくれるファン達のために・・・!
『シャイニング・スター・ステージ』
輝く星の舞台が幕を開ける。
きやびらかな音楽とともに
実況がいっそう舞台を盛り上げる。
私達は遂に、此処までやってきた
いろんなライバル達と競い合い
自分達を信じて
揺るぎない自信と、実力を出し切って
この舞台で
たくさんのファン達と、ひとつになって
『キラメキ』を分かち合う為に
「みんな!」
私の声で気持ちを切り替える
「最高のキラメキ・・・!」
みんなで肩を組んで、円陣を作る
「たくさん届けよう!!」
「届けよう!!!」
気合を入れてお互いに叱咤する。
泣いても笑っても今日が、最後の日。
今まで手に入れてきた
たくさんの想いを、私達のこの『唄』で
みんなに届ける!
この光の向こうに
最高の舞台で『キラメキ』を今、届けよう!!
三ヶ月前・・・
「私も、教えて欲しいの」
さっきまでの笑顔が、真剣な表情に変わる。
「自分を、輝かせる方法を・・・!」
それは何かにすがる様な、思いつめた口ぶりだった
いつも明るくて
悩み事なんて全部、吹き飛ばしていそうな彼女
そんな彼女が、いきなりやってきて言った言葉。
「つまり、『アイドル』になりたいって事・・・?」
改めて訊き返す。
「ハルカちゃん達みたいに、キラめいてみたいの!」
どうやら本気のようだ
「でも、なんでまた突然?」
「わたしね・・・」
「自分のことがわからない・・・」
悲しそうに言葉を紡ぐ
「だから、せめてみんなにわかってほしい」
「私が、確かに『ココ』に居るってことを・・・」
まっすぐに見つめてくる
「あなたの本気、受け止めたわ!!」
突然、言葉が割り込んできた
そこには、涙を流しながら感動にむせぶ
巨大なマリモが立っていた。
「マ、マネージャー!?」
その存在感が、全て頭部のアフロヘアに集約された人物
その名も『Mr.T』
彼女達、『フォーシーズン』の面倒を一手に受ける
敏腕マネージャーである。
もっとも、その言動は突拍子もなく
あらゆる意味で異彩を放っているのだが・・・
「ただし、条件があるわよ!」
彼女を見据えて言う
「あと、四人!」
サングラスに彼女が映り込む
「あと四人、信じ合うメンバーを連れてきなさい!」
「全ては、それからよ!」
こうして、彼女達と私達
なぜか、競い合うことになるのだった・・・




