#26 ハルカゼ(春風)吹く・・・!
「あぁぁ~っ!!」
頭を抱えて叫ぶ。
「しくじったぁぁ~っ!!」
思えば思うほど、迂闊だった・・・
「どしたん?春香っちは??」
出来たてのチャーハンをテーブルに置きながら尋ねる。
「あぁ、なんでもね・・・」
「正体がバレたんですぅ~」
真夏と秋乘が同時に応える。
「正体?」
イマイチ言ってる意味が解らない
「彼女、学校ではアイドルやってること隠してるの」
美冬がフォローする
ここは、彼女たち四人の溜まり場・・・
もとい、行き付けの店である
【まつかぜ-大和支店-】
彼女たちがデビューする前からの馴染みの中華料理店だ
そして唯一、自分達が素のままで騒げる場所でもある。
「そんなに大変な事なん?」
「いっちゃん、わかってないわねぇ・・・」
呆れたように声が割り込んできた。
「アイドルってのは【高嶺の華】なのよ」
ちっちっちっ
おタマを振りながら言う
「菜々っち?」
厨房に居るはずの彼女が何故?
一瞬、そんな考えが浮かぶがすぐにかき消された
「おい!菜々花!ナベ!ナベ!ナベ!!」
遠くで叫ぶ声が聴こえる。
「いっけなぁ~ぁい!!?」
慌てて厨房に駆け出す
「一体、何しに来たんだ・・・・?」
いつも慌ただしい、この店の日常であった
「で?」
再び春香に尋ねる
「正体がバレたってことは・・・」
首の前で手を横に切る仕草を取る
「・・・クビ?」
「あうぅ~っ・・・」
さらに頭を抱える春香
「どうだかねぇ?」
真夏が、からかうように笑う
「でも、あれから3日経つけど特に何も変わってないじゃない?」
確かに、屋上での一件から何一つ変わったことはない
いつもと同じように
【クラス委員長】
【フォーシ-ズンのハルカ】
この日常は、変わってはいない
「かえってそれが不気味だわ・・・」
「春香っち、お客さんだよ~」
いっちゃんが誰か連れてきた。
「やっほー♡」
そこには、一番恐れていた事態を予感させる人物が
手を振って微笑んでいた。




