#25 ハルカに想定外!
独り、暗がりの中
思い返すのは、これまでのこと。
目覚めた時
目の前に居たのは【彼】
なぜだか解らない
【愛おしい】
そんな感情が私を包む。
私は名乗った
【ゆうき】
それは偽りの名
でも、たった一筋の光
きっと自分を助けてくれる
何もかも、忘れてしまった私を
暗がりに映るテレビの映像が、一際輝いた。
『みんなぁ~っ!』
画面には、自分と同じ年頃の女の子
『今日もキラメキ、受け取って~っ!!』
その言葉に、会場のボルテージは最高潮になる
「キラメキ・・・」
思わずつぶやいていた。
空を見上げながら
昨日観た、ライブ放送の彼女達を思い浮かべる
彼女たちの唄っていた唄
明るく、前向きに、真っ直ぐな
そんな素敵な唄。
そんな時、目の前に現れた
【キラメキ】
お互いに、見つめあったまま固まる。
「・・・・・・・・・・」
沈黙を、かき消したのは予鈴を告げる校内のチャイムだった。
「いっけない!」
先に口を開いたのは春香
「急がないと遅刻になっちゃう!!」
一気に下へ飛び降りる。
「・・・っと!」
立ち止まって向き直る
「あなたもさっさとしなさい!
遅刻は絶対ダメよ!!」
「クラス委員として、許さないからね!」
あくまで優等生
あくまで学生
それが学校での私。
「もしかして・・・?」
ゆうきが考え込む
「はるかちゃん・・・?」
「わ、私は、ハルカじゃないわよ!?」
貯水タンクに写る自分の姿を見て、気づく
『し、しまったぁ~~~っ!!』
その場で膝をついて、心で叫んだ。
「はるかちゃんが、ハルカちゃん・・・?」
繰り返すようにつぶやく
想定外の出来事に
既に、時刻は9時30分を過ぎていることに
気づく由もない二人だった。




