#19 迎え
観覧車の窓から、辺り一帯を見渡す。
「どうだ?」
「すごいねー」
「・・・わぁ」
そこから見える景色はまさに絶景
まるで、雲の上にいるようだ。
「ぜんぶみえる」
「ほんとだねー」
すっかり意気投合した真由美と女の子
「何か手がかりでもわかればな・・・」
一人これからのことを考える。
簡単に済ますなら、迷子預かり所へ預ければいい
だが、それだけはしたくはなかった。
待っている間とはいえ
たった独りでいるのは辛い
まして、小さな女の子だ
その不安は計り知れない
俺たちがしてやれること
本当の親元へ無事に逢わせること
独りの辛さはよく判るつもりだ
俺だってガキの頃は
いつ帰るかわかりもしない両親を
一人で待ち続けていた
俺の親はふたり揃って世界中をまたにかける
かたや考古学者
かたや世界的デザイナー
どっちも忙しくて、ほとんど家には帰ってこない
気が付けば
隣に住んでいる真由美の家族に世話になっていた
それに反発して
無茶なことをやっていた頃もある
まぁ結局は、それより楽しいことを見つけ
今に至るのだが・・・
いつの間にか、昔のことまで思い返していた
「優ちゃん、優ちゃん」
真由美に呼ばれて現実に帰る
「なんだ?」
見ると人差し指を立てて微笑んでいる
「・・・・」
「眠っちまったのか?」
女の子を背負って観覧車を降りる
「ハイ、ごくろーさん」
降りた矢先声を掛けられる
「誰だアンタ?」
その姿は『漆黒』
妙に威圧感がある
「ウチは、その子を迎えに来たんや」
事務的に答える
「この子の知り合いなの?」
外観は小学生くらいの女の子
が、その姿に似合わないほどの威圧感
「せや、あとはウチに任せてんか?」
表情はあくまで変わらない
「どうするつもりだ?」
真由美との間に入って距離を取る
「言うたやろ?」
「迎えに来たんやって」
その言葉に違和感を覚える。
「お前、何者だ・・・?」
改めて尋ねる
「ウチか?」
鋭い視線を突き立ててくる
「死神や」




