#14 ふたりの今日
永い、永い夜が明けた
嬉しさと緊張と不安
それと、ちょっとの期待
彼と一緒にいた時間は、永い。
でも、こうして二人で出掛けるということは
初めての事かもしれない
楽しい一日に、なりますように
「・・・・・・眠い。」
思わず、口に出てしまう。
結局、ほとんど眠れなかった
誰かと遊びに行くことは、初めてじゃない
ただ、こうやって改まって
【デート】
という形で、待ち合わせるという行為は
さすがに、緊張してしまう。相手は、いつも一緒にいる
『真由美』の、はずなのに・・・
手持ちぶたさで、空を見上げる
今日も、いい天気だ
「お~い」
「・・・」
太陽が眩しいなぁ・・・
「お~いってば?」
「・・・・・・・」
しばらくの沈黙
「こら!」
ボンヤリしている彼のほっぺを、左右に引っ張ってやる。
「にゃにふぉひゅる・・・?」
(何をする・・・?)
いつのまにやら、真由美が目の前にいた。
「どしたの?」
もしかしたら、嫌だったのかな?
「・・・・・・」
なぜか、いつもより照れてしまう
「おひゃひょう」
(おはよう)
間抜けな言葉
「ってか、いつまで掴んでんだっ!?」
首を振って、手を振りほどく
暖かい温もりが、ほんのりと痺れるように
頬に残っている。
「おはよ」
ちょっと不安で、目が合わせられない
「こら!」
言いながら、ほっぺたをつまんでやる。
「ふにゃ!?」
変な声が出た
「仕返しだ」
さらに引っ張ってやる
「ひゃ・・・ひゃめてぇぇ」
(や、やめてぇぇ)
「・・・・・ごめんなさいは?」
意地悪なことを言ってみる
「にょ・・・にょめん・・・」
(ご、ごめん)
「ん?」
思わず口元が緩む。
「にょめんにゃしゃい・・・」
(ごめんなさい)
「・・・よし!」
離してやった
「って、なんで私が謝るのさぁ!?」
思いっきり、拳を叩き込んでいた。
「ぶはぁ!!?」
思わぬ返り討ちに、面食らう
「・・・あ」
「ナイスパンチだ・・・」
なんだかんだで結局は、
いつものやりとりと変わらない二人であった
「何やってんだ?あいつは・・・?」
「・・・・・・仲良しさん?」
「いつもの痴話喧嘩だね」
少し離れた、植え込みの影で
怪しい扮装の三人組
こっそりと、そしてさりげなく
二人の様子を見守ろうとする
タケル、蘭、月乃の面々であった
いうなれば、ただの野次馬でしかないのだが・・・




