#114 特別篇 クリスマスラブソング 18
「君は今、永遠の命を手にすることになる」
振り向きもせずに彼は言葉を続ける
「今ならまだ、引き返せる・・・」
その言葉を遮るように首を横に振る
「私は決めたんです」
決意、それが私を支える今の原動力
私は未来を知らされた
そこに待つのは『黄昏』
そこに、みんなの『笑顔』は無い
私の望みは『みんなにキラメキを届けること』
だからこそ、だからこそ
私がやらなくてはいけないんだ
私の友達、お世話になった人達
そして、私が好きになった人・・・
そんなみんなの『キラメキ』を失くさない為に
私にしか未来を護れないから・・・!
「みんなに、伝えてください」
その人もまた、全てを『罪』として背負う覚悟をした
「ありがとうって・・・」
自らの遺志で、その中へと乗り込む
「・・・・・・了解した」
私もまた、全てを受け入れよう
全てを『罰』として背負うことを
これで『未来』が覆せるのなら・・・
スイッチに手を伸ばす
彼女に孤独の哀れみと、未来への希望を託して
「いくなぁぁぁぁあっっ!!!」
引き裂くように言葉が響く
「・・・・・・!」
そこには、一番逢いたかった彼が
だけども、一番見られたくなかった彼が
『大和武』が、そこに居た
「いくなよ・・・」
息を整えながら、言葉を絞り出す
「お前ひとりで、勝手に背負い込むなよ!!」
涙が、涙が勝手に溢れ出てくる
「なぜ・・・なぜ来たのよ・・・」
決意が揺らぐ
「決まってんだろ!」
俺だって決めたんだ
「一緒に帰るんだよ!!」
真っ直ぐに、突き進むって
大事なものを離さないって
「決めたんだよ・・・!」
だが、俺たちの間に割って入る者が居る
「これ以上、邪魔をすることは許さん」
私にも、譲れない決意がある
全てを護る為にも
「俺だって許さねぇからな・・・!」
目の前に立ち塞がる大きな壁を乗り越える為
「俺のオンナに手を出すんじゃねぇよ!!」
もう止まらねぇ!
俺が、守らなきゃならないんだ!
このまま居なくなるなんて認めない
「俺は、お前の居ない未来なんかより
お前だけが居る現在が、いいんだよ!!」
その言葉は何よりも眩しく
その言葉は何よりも強くて
その言葉は何よりも愛しい
私は想う
『この人を好きになって良かった―』
だからこそ
現在よりも未来を過ごして欲しい
私の大事な人たちと共に
その意図を感じてか
彼もまた決意を固めたようだ
父親として、漢として
想いを無駄にはしない
ゆっくりとうなずく彼女を笑顔で見つめ
私はスイッチを押した
未来を、頼む・・・




