#110 特別篇 クリスマスラブソング 14
全てを覆すために
与えられた命を成す為に
己の信念を駆けて、二人が対峙する
「これ以上の手出しは、させません」
取り出した小銃で、真理を標準に捉える
「君達は、あの未来を知らない・・・」
あれは『絶望』という『虚無』
人類を管理し、その存在を存続させる為のプログラム
『ガーディアン』
しかし、その歯車は突然狂いだした
人類を護る筈の『彼女』―
彼女は、その役割を放棄した
そして、あろうことか彼女は我等に牙を向けた
それから先は、思い出したくもない
壮絶な消耗戦が、何年にも渡り続いた
やがて、天より雷の刃が降り注いだ時
全ては消えた
次に、目が覚めた時
私は『この世界』に居た
この世界もまた『あの世界』と同じように
間違いを犯そうとしている
私は、それを認めはしない
認めてしまえば、全てが終わる
そう、私が此処にいる意味さえも・・・
だから私は、全力でそれを覆す
その為に私は、探し求て来たのだ
『世界を覆すカギとなる存在達』を
「私を撃つことは許さん・・・!」
突きつけられた銃口に、怯むことなく言い放つ
「それは、わたくしも同じこと」
鋭い視線のまま、睨み合う二人
「もう、いいだろう?」
そんな二人の間に、割り込まれる声
「誰だ!?」
思わず叫ぶタケル
彼らの視線を受けて
飄々とした笑みを浮かべる一人の青年
「お前は・・・」
「貴方は・・・」
二人の声が同時に漏れる
どうやら知り合いらしい
「って、俺は置いてけぼりなのかよ!?」
先ほどまでの、重苦しい空気が一変する
「素直になれよ」
なだめる様に、真理に言う
「力を貸してくれってよ」
人差し指を、突きつけてキザったらしいことを言う
「アナタに、何が分かるというのだ!?」
それでも食い下がる真理
「分かるさ」
十六夜と真理との間に割って入った人物
はたから見ても、軽薄でどちらかというと『胡散臭い』
「貴方はまだ『この世界』に居たんですか?」
半分あきれた様子で呟く
『蒼樹大地』
二人がまた同時に、その名を呼ぶ
「だから、誰なんだよアンタ・・・」
完全に蚊帳の外のタケル
「今のオレは、そんな名じゃない」
ゆっくりと指を振る
「オレの名は『ブルー』だ!」
これでもかと、言わんばかりの満面の笑み
一方、その頃―
「よく来たね・・・」
彼女の前に、立ちふさがった影
「貴方は!?」
意外な人物の姿が、そこにあった
「未来を、絶望を、覆す時が来た」
「・・・なに・・・意識が・・・」
彼の言葉を、子守唄のように聴きながら
ハルカの意識は、深淵へと堕ちていった




