#100 特別篇 クリスマスラブソング 4
♪遠い鈴の音 聴こえた放課後
クリスマスには ちょっと早い
待ち合わせてた キミに手を引かれて
駆け込む 噂のドーナツ・ショップ♪
※WARD BY HARUKA・T※
「一休みしましょうか?」
そう言って、タオルを差し出す
「あ、ありがとうございます!トリニティーさん」
ハルカの微笑みが、疲れをさわやかに吹き飛ばす
「ゴキゲンだな、ハルカ?」
真夏も腰を下ろしながら、汗をぬぐう
「当然よねぇ?」
意味有り気に言う美冬
「な、なによ・・・?」
思わずたじろぐ
「来てくれるんですよね?」
秋乘も乗ってくる
「だ、誰がそんな事・・・」
うろたえ始めるハルカ
「またまた~」
みんなが、一斉におどけて見せる
そんな様子を見守るトリニティーだったが
その表情は重かった
「どういうことだオヤジ?」
怒気を込めた声が響く
広い部屋の中央に、ポツンと置かれた机を挟み
二人の男が対峙していた
「PUROJECT MOONは凍結するんじゃなかったのか!?」
その人物―父親である『大和建造』に向け身を乗り出す
「その通りだ」
あくまでもその表情は変わらない
「じゃあなぜ、アイツを監視する!?」
更に詰め寄る
「現在、進行中なのは別件のプロジェクトだ」
睨むようにタケルを見る
「お前のその腕、何の為にあると思う?」
突然の問い掛け
「なんのって・・・」
かつての混乱の時、俺は右手を失った
だが、そのことを後悔してはいない
むしろ、それで彼女を守れたのは誇りでもある
「大事なものを守るためだ・・・!」
その右腕は鋼
鋼の意思を持って、大事なものを守り抜く
その誓いの証だ
「守れるのか、お前に・・・?」
その眼が鋭く光る
「守って見せるさ、絶対に!」
それが俺の決意だ
「それが、報われぬものでも・・・か?」
「それでも、だ!」
お互い、その意志は固い
「ならば、好きにすればいい」
口元が緩む
「だが、忘れるな」
背を向けたタケルへ告げる
「お前が成すのは、世界を変える事」
「それが悪となるものでも、な」
その言葉は重い
「それを決めるのは、アンタじゃない」
言いながら、親指を地面へ突き付ける仕草を取る
「俺が決めることだ」
そのまま振り返る事も無く
その場を後にするタケル
それを表情一つ変えずに見送る、父
二人の間に、深く刻まれていく確執
世界は秘かに、変わろうとしていた




