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神様がいなくても世界は廻る  作者: おさとう
1.全反射の空模様
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story.5

お姫さまはいつだって勝者だと思わせましょう


 story.5



「えぇっと・・・最初に職員室に・・・」

 うーくんと車に乗って、ご飯食べて。まぁうーくんは食べ続けてるけど。持ってきたメモ帳と学校のパンフレットを交互に睨む。改めて確認すると、ややこしい学校だ。うーくんがげんなりするのも分かる気がする。

 「りんごちゃん、何してんの?」

 「うーくんは手続きって言うか、挨拶しなきゃでしょ?っていうかいつまで食べるつもり!?」

 「え?うーん?まだ。」

 うーくんは何が可笑しいのか、という顔で首をかしげた。身長の割りに、華奢な体格。食べ物は一体、どこに消えていくんだろう。

 「てゆーか、学校、おっきいねぇ。」

 間延びした、うーくんの声。感心しているのか、あきれているのか。

 「うん。幼等部からあるし。ホラ、今は白い壁でしょ?」

 「うん。」

 「そこは中等部なの。青い壁になったら、私達が通う高等部。」

 「お。青になった。・・・・入学式とかしないんだねー。パンフに載ってなかったし。そっちのほうが楽でいいや。」

 真っ白だった壁が真っ青にかわった。・・・そういえば、入学式なんてのは中等部の時もなかった気がする。エスカレーター式だし、そんなモンかもしれない。

 いや、0組だから・・・

 「それとも、0組はかんけーナイってことかもね?」

 心を、うーくんに読まれた気がした。不意打ちすぎて、えぁ、うん、なんて言葉にもなっていない言葉しか出ない。

 「?どうしたの?」

 「・・・なんでわかったの?」

 「うん?何が?」

 「わかってないならイイケド・・・。」

 心臓がびくびくしてるのがよくわかる。心臓に悪い。まったく!

 「とりあえず、東校舎からが一番職員室に近いのかな?」

 なんでそんなことまで、と思い隣を見ると、あたしが持ってきたメモ帳を眺めていた。

 「そっそう!」

 「わかった。わざわざ調べてくれたんだ?ありがとう。」

 あぁ、しあわせ。そうやって昔からどんなことでも気付いてくれる。そんなうーくんとこれから毎日一緒だ!親友としてとても嬉しい!それをこなえだ榊に言ってみたら、「宴君の気持ちは無視か」と、冷めた目で見られた。言わなきゃ良かった(しかもうーくんを名前で呼ぶとか!)。

 うーくんが迷惑であたしなんていらない、って思っていたら間違いなくあたしは死を選ぶ。断言できる。榊め、恐ろしいコトを。気持ちを無視してるとかじゃない。あたしが嬉しいの、わかってくれるよね。うーくん。

 「・・・え。まさかの無視?りんごちゃん。」

 「!えぇ!?何!?無視じゃない!!!」

 自分の世界に浸っていたら、うーくんが怪訝な目でこっちを見ていた。そんな目も好きだけど。

 「・・・うーくん、」

 「何?」

 「正直に言ってね?」

 「え?うん。」

 「もしかして、迷惑?」

 うーくんは目を少し見開いた。

 「いや?りんごちゃんが嬉しそうだし、平気だけど。」

 いたって普通のテンションで返ってきた。

 「ちょ。何ニヤニヤしてんの?」

 「べっつにぃー?」

 

 やっぱり、私の親友である。

 ほれ、みたことか。榊。


 私の勝ち!






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 何を言い出すかと思えば。思わず食べることをやめてしまった。

 いつも通りの答えをだせばニヤニヤしだした。何を考えてるのだろうか。






 



 

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