story.15
ぶっとばしてしまえ奴なんざ
story.15
「うぅん・・・。午前中なの?」
園守ちゃんが滅茶苦茶困った顔をした。でも、しょうがない。
「うん。上の人からそう言われてるから、ね?」
「だって・・・詩南さんっ私、授業普通に入ってるのに・・・。」
どうも、こんにちは。モニター室在住(ここ数週間)の梶那です。なんで園守ちゃんをなだめているかって?それは、まぁ遊間ちゃんのことにきまっているんだけどね。
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▼十分前
「指南さんっ」
書類を片付けていると、元気な声が聞こえてきた。この声は、園守ちゃん。
「はぁい。どうしたの?って言うか、今から授業じゃない?」
「そうなんだけど!!うーくん、来てない?」
うーくん、遊間ちゃんのことか。そういえば、一昨日の検査でもの凄い結果をたたき出したとのことで、昨日そのデータが送られてきて私も驚いた。
「遊間ちゃん?来てないなぁ。」
「だよねぇ・・・今日起きたら、部屋にいなくて。」
遊間ちゃんはまだ授業を組んでないらしい。だから園守ちゃんの授業中は2人ともバラバラってことか。
「もぉぉ・・・携帯もでないし。ちゃんとココにいてねって言おうと思ったのにぃ。」
「そっか。・・・・。」
「詩南さん?どしたの?」
「私も困ったなぁ・・・。」
「へ?」
「いや、あのね?朝、上の人から、遊間ちゃんにココの仕組みとか、実際に模擬討伐やるから、外に行かせないようにって言われてるんだけど・・・実は園守ちゃんにお願いしようと思ってたんだけど。」
「え?だったら、授業終わったら私が、」
「それがね、午前中なの。そうだよねぇ・・・園守ちゃんだって授業入ってるもんねぇ・・・。」
普通に困った。園守ちゃん以外の子達だって授業が入っているのだ。園守ちゃんの授業までは後三十分。それ以内に探し出すのはちょっと無理だろう。どうしたものか。
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ってことで今にいたる。
「私はココ抜けられないし・・・・あ。」
「何?」
「今、訓練室Aにいる子、この曜日は午前中に授業入れてないんじゃないっけ?・・・園守ちゃん、そのこに、遊間ちゃんつれてきてくれるよう、お願いしてくれないかなぁ?」
「え、誰?」
名前を言うと、園守ちゃんは今度は滅茶苦茶嫌な顔をした。
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「うぅ・・・・詩南さんのばか。」
訓練室Aの前。最悪だ。
さすがに嫌だと答えるわけにはいかなかった。でもでも、相手は、そう男子なのだ。その時点であたし的にはかなりアウトだ。アウト。しかもよりによって、
「っ・・・。んだよ。」
うわ。うわうわ。来た。うーくん助けて。
「伝言。てか、もう任務だから。」
「はぁ?」
目の前で滅茶苦茶不機嫌な顔してんのは、中等部三年生、つまりは後輩の冥詞 都。クソ生意気な後輩であたしがこの世で気に食わない人間TOP10に入る人間でもある。
「早く言えよ。暇じゃないんだよ。」
あぁーーーーーーーーーーーっむっかつく!!