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バカ弾!  作者: 丸金
2/3

2、初戦

「さっきからうるせえ!!昼寝くらいさせろ!」


なんだ、こいつは?

いきなり出てきて、状況わかってんのか?


パッと見は普通の奴だが、3年なのか?

そんな口きいて大丈夫な立場の奴なのか?


「おい、『バカダン』じゃねえか…。」

「なんでこの時間から屋上いんだよ…。」

「どうする?めんどくせえなあ…。」


どうやら、大丈夫な立場のようだ。

しかしあまり歓迎はされてないみたいだ。


「う、うるせえのはてめえだろ!関係ないのにしゃしゃりでんじゃねえ!」

リーダー格っぽい一人が叫ぶと、回りが明らかにざわついた。

そんなにやばい奴なのか?

見た目はガタイは多少いいが、普通な感じだが。


「人の安眠妨害して関係ないだと?言うじゃねえか。」

そう言うやいなや、いきなり身体ごと飛んできた。


「どわああ!」

「ぐええ!」


3、4人を下敷きにフライングボディアタックを繰り出しやがった。

確かに普通じゃねえ。

むくりと何事もなかったように起き上がる。

回りを完全に囲まれてるのに、なんだこの落ち着きようは。


「まったくいい歳して、こんな大勢で恥ずかしくないのか?」


まさか俺を助けるつもりか?

そんな奴が、現実にいるっていうか?


「て、てめえ…!」

「この人数相手にどうにかなると思ってんのか!」

「いい気になって格好つけるとどうなるか、教えてやる!」


全員が男に一気に襲いかかる。

「わ、ちょっと待て、痛て、いい加減にしろ、ぶっ!」

男は何発くらってもよろつきもしなかったが、一人の拳が顔面の中央に入った。


「…このクソどもが!」

鼻血を出しながら、そう叫ぶと倒れてる俺の両足を掴んだ。


えっ、俺の?


そう思った途端、身体ごと持ち上がり、遠心力を頭に感じた。

「わ、危ねえ!がっ!」

何者かに俺の肘が当たり、次に頭に固いものが当たった。

「いでえ!」

ガンガン何かに当たりまくり、気が遠くなりかけたら、どこかに背中を叩きつけられ激痛と共に意識が戻る。

「が、かかっ…。」


「まったくいい歳して、たった一人に恥ずかしくないのか!?」

男は勝ち誇った表情で言い放った。


「そ、その一人に対して、お前は何してるんだ!?」

「そいつを助けにきたんじゃねえのか!」


「え?誰を?」


「そいつだよ、お前がジャイアントスイングして、柵に叩きつけたそいつ!」


「ん?仲間じゃないの?」


「見たらわかるだろ!だいたいそいつを俺らがしめてるから、割ってきたんじゃねえのか!?」


「俺はいい歳して、みんなでわいわい屋上でサボってる事を言ったんだ!サボるなら静かにサボれ!」


「何言ってやがる、こいつ…。」

「付き合ってられねえ…。」

10人近くいた三年が、呆れてそのまま引き下がろうとする。

「え、あの!もう終わりですか!?」

顔近づけ野郎が止めようとした。


「いいだろ、もう。白けちまったし。」

「関わるだけ面倒くせえしな。」


「…ちっ!結城、このままで終わると思うなよ、てめえ。」


言い返そうとしたが、背中の激痛で声が出なかった。

この男のおかげで、フクロにされるのは免れたが、この男のせいで、フクロにされた方がましだったかもしれない状態にされた。


そんな事を思いながら、意識が遠くなった。


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