第一章Ⅲ -衝突-
「何かくるよ!」
「単純な複数射撃。だけど、速度が速い。」
「変わるよ!」
「ここは、頼むぞ。」
と言って、素早く交代を行う。
優佳の装甲を確認すると基本はオレンジと白。優斗に比べると装甲は薄いが範囲が広い。
右手には愛機-エクス・バスター-が握られている。
エクス・バスターを構え先端を光線の飛んでいるほうにむけて、
「守壁!。」
と技名コール。
そうすると、優佳の前に直径1mほどの円形エネルギーが生まれた。
そのエネルギー同士はぶつかりあい光線銃が一方的に打ち砕かれた。
その爆風の隙間から人影が見えた。
「優佳。いってみようぜ。」
「うん。」
優佳の初期アビリティ透明な羽を羽ばたかせる。
「なーんだ。女の子か。」
がっかりしたような第一声に優佳が少し怒る。
「女の子で悪かったね!」
「さっき`奪った`相手も女の子だったしね。
女の子には少しがっかりしているんだよ。
あまりにも弱過ぎて、ね。」
「そんなのやって見なくちゃ分かんないよ?」
優佳は愛機を少女に向ける。
それを見た少女は小さくつぶやく。
「完全遠距離型・・・・。」
「「うそだろ〔でしょ〕?」」
二人は同時に驚く。
「姉さんと同じ戦闘感覚・・・。」
「どういうこと?戦闘感覚はお姉ちゃん特有の能力じゃないの?」
「とりあえず、油断は禁物だな・・・・。」
優佳は戦闘感覚がある少女を見る。
(あの子何か隠してる。そう、何かを・・・・。
それは解らないけど、戦ううちに何か・・・。)
そう考えているとその瞬間までいた少女の姿が消える。
「早い!!」
そう言い辺りを見回すが目視できない。
「あっ・・・・・・」
何処からか現れた少女に背中から切られる。
「くっ・・・・・・・・」
超速で動く少女に反応出来ず少しずつダメージを負っていく。
「何か・・何か見切れる方法が・・・・」
(こういう殺しの人の戦い方はどれだけ死角を狙うのが主流のはず・・・・。)
優佳はそう思い動きを止め眼を閉じる。
その間にも少女は超高速で動き回っている。
「・・・・・・・・ここ!!」
と後ろを振り向き愛機を前に出す。
そうすると少女の剣と交わりあう。
「・・・・・!!」
そうして左足で少女の剣を上にあげ、
愛機の先端を前に向け
「はぁ!!」
と、単発の砲撃を打ち出す。
「ッく・・・。」
少女は受け10mほど吹っ飛ばされる。
「優佳、変わってくれ。」
と、優斗の声が聞こえる。
「うん。」
と、了承し人格交替を行う。
「!!・・・・。」
少女は剣を構えるが驚きを隠せない。
目の前の少女が少年に変わったのだから。
「貴方、何者?」
「名前を聞く時は自分から先に名乗れよ。」
と優斗は右指を少女に差し向ける。
「私はコード000ヒカリ・・・・。」
「コード・・・・改造かなんかか?」
「私は名乗ったから次は貴方の番・・・。」
「俺は桜井優斗。さっきのは桜井優佳。
人格が変わるのは第五性だからだ。
んじゃ、さっさとやろうぜ。」
といって、優斗は二刀を持ち突進する。
右手を振りかぶり振り下ろす。
そして、受け止められた剣を軸に回って相手の背中に回る。
その背中からの一撃を体を前に出すことで避ける。
そこから両者とも打ち込めば受けたり避けたりの高速剣技が繰り返えされる。
ヒカリは5メートルほど離れて複数砲撃を放つ。
それに反応し人格交替を行い優佳が広範囲砲撃を放ち
それらを相殺する。
そして人格交替を行い再び近接に攻め込む。
「うおおおおおおおおおお!!」
ドォンと大きい音が響き渡る。
「かはっ・・・・・。」
と声が漏れて数m飛ばされる。
「はぁ・・・はぁ・・・・。
ちょっときついかな・・・・・。」
「優斗。私が砲撃破を放つから、変わって?」
「頼むな。」
と、言って人格交替。
数m離れているヒカリは動こうとしない。
愛機の先端を標的に向けて
「オペレーション・・・。」
-Judgement Form-
とコマンド宣言
-Charge Start ten twenty・・・
エクス・バスターが先端が二つに割れ
その後ろに6つの赤い羽根が付く。
-thrty fourty fifty sixty・・・
二つに割れたその真中にカウントに比例して大きくなっていく。
-seventy eighty ninety fullcharge-
「はああああああああああああ!!
裁き-守護の・・・・・。」
「神速乱撃・・・・・。」
と、見知らぬ声とともに凄まじい殺気が急接近してくる。
「変われ!!」
そう叫び人格交替
左手を殺気の方向に出したのと剣がそこに刺さるのはほぼ同時だった。
「・・・・・っつ!!」
ボキッと鈍い音が響き渡る。
それをあざ笑うかのように剣技と拳が刺さる。
「あ・・・・あぁ・・・・」
中で変えられた優佳はそれをただ見守るしかない。
「・・・・・・・・・・・。」
「とどめか・・・・呆気なかったな・・・。」
そう言いつつ振りかぶったその時
時空から光速で現れた影が優斗を掻っ攫いまた時空へと消え去った。
「ヒカリ様大丈夫ですか?」
「なんもしなくて良かったのに・・・。勝てたもん!」
「ヒカリ様の身に何かがあれば私に責任がありますので・・・。」
「まぁいいや。帰ろ!」
と言いつつその場を去っていった。