第一章Ⅱ-信頼-
ある建物の中から黄色い閃光が走る。
その一瞬前にあった建物は微塵も無くなっていた。
そこには装甲を纏う人間が何十人と倒れていた。
その中心に立っている少女が居た。
その少女は黄色と黒色の装甲を纏いその手には片手で持てる長剣が握られている。
その少女は倒れている人に手を触れさした。
そうすると彼女の手に光が集まって行く。
そして、光が完全に無くなった後、小さく一言。
「・・・・・ごめんなさい。」
「・・・・そちらは終わりましたか?」
どこからかした声が一気に少女に近づいてきた。
「マスター。聞いていますか?」
「・・・・・・・・・・・。」
「マスター?」
「二人の時はマスターでは呼ばないで!」
男の問いに少女は顔を赤くし一歩近づく。
それに対し男の左の緑色眼が揺れ身体は一歩下がる。
「しかし・・・・・・」
「むぅーーーーーー。」
少女のほっぺがどんどん膨らんでいく。
「あなたがそこまで感情をお出しになさるなんて・・・・。」
その言葉に少女は空を見上げる。
「どうせ、お母様に作られた感情なんだから、無意味なんだけどね。」
「・・・・・すいません。」
「どうして、謝るの?」
「私の力不足であなたをこんな目にあわせてしまって・・・・。」
「違うよ。これは私の意志。あなたは弱くなんかない。」
「ですが・・・・」
少女の手が男の口を塞ぐ。
「それの話はまた後でね。強い反応があるんでしょ。
次こそまともな相手かなあ?」
ついさっきまでの顔の暗がりは無くなりその男が知っているいつもの表情に戻る。
それを見て安心した男はこう言う。
「まともであることを祈りましょうか。」
「だいじょーぶ。私の勘がビビっときてるよ!」
「・・・何時からそんな勘があるのですか?」
「気にしなさんな!」
「・・・・・・・。」
突然出てきた謎の方言に戸惑っていると、
「戦闘変身」
と少女が小さくつぶやく。
少女の周りに光が結集し集まり拡散するように放たれる。
装甲色は黄色と黒だがどちらかと言えば黒が強調され
暗黒感に満ちている。
比較的装甲の面積、広さは小さいように見える。
「さぁて、先手必勝の言葉通り先制しますか。」
と、言いつつ少女は左手を右から左に振る。
そうすると、数本の先端が鋭い物が現れる。
「お手並み拝見!光線銃!」
数本の物が高スピードで反応があったほうに飛んでいった。
その、数十メートル離れたところで・・・
「頑張りなさい・・・・。」
と、声が一つ。
「次元移動。」
と、技名のコールで消えて行った。