第一章Ⅰ-発端-
西暦が廃止され東歴になり早1000年
東歴となると同時に国制度が廃止され番号制になり
多次元に人類が住むようになっていた。
その膨大な土地で技術は格段に発展した。
それに伴い犯罪も凶悪化。ついに歴史にも手を出すようになった。
それを防がんと成立したのが歴史改善復興機関-HCRI-である。
それに嫌々〔上下社会が嫌い〕入っている。桜井優斗は
二か月前に助けた少女、高橋颯を襲ったグループの捜索任務を受けっとって、
その鬱憤を晴らすためにTRに来て打ち込んでいた。
「うおおおおおおおおおお!!」
優斗の声が室内に響き渡る。
バーチャル・・・正確には壁だが・・・・に拳を打ち込んでいる。
その姿を見ている少女が二人いた。
嬉しそうに見てるのは高橋颯であり、この事件の鍵のひとつである。
その隣にいるのが桜井優紀。優斗の師匠であり姉である。
「優斗君元気ですねぇ。」
「鬱憤を晴らすために来てるんだから・・・・・。」
颯の発言に優紀は軽くあしらう。
「さぁ・・・いきましょうか?」
「へっ?どこに?」
余りにも唐突な発言に思わず声が裏返る。
「優斗と優佳の実力チェックよ。」
「・・・・りょーかいです!!」
そう発言した時は優紀は既に歩きだしていたが、
颯はその後の追って行った。
「優斗?」
「ん?どうかしたか。」
「あのさあ、颯のことどう思う?」
「さぁ?・・・人あたりは良いしここでも評判は高いけどなぁ・・・。」
「そうじゃなくて事件との関連性のこと。」
「まぁ颯の心の潜在能力は膨大だったし
底が見えなかった。正直驚いたけど・・・
心の潜在能力で歴史を変えられんのか?」
「理論上は可能と言われているよ。」
「でも、実際には誰もやってないんだろ?それに今日アジトを潰しに行くんだし
その野望も終わっちまうけどなぁ。」
「んーーーー・・・・・あっ、お姉ちゃん来たよ。」
「・・・・時間か・・・・。」
振り返ると両手足と額部分と体に紫の装甲をつけた、優紀がたっていた。
その隣には技測定判定ゴーグル通称ATBを付けている颯が立っている。
そして、優紀が優斗の正面に出て言い放つ。
「さぁ、始めましょうか・・・。」
「今日こそ、壁にぶっつけてやる!」
「できるものなら・・・・」
優斗は左手でカードを持ち右腕にある機械に装填する。
「いくか・・・。もう一人の相棒!!」
「・・・・了解・・・・・」
機械から声が発せられる。優斗が右腕に着けているのは
心の潜在能力から優佳が創造したものである。
もちろんその機械は心の潜在能力から発せられた声である。
-Start Form Ready?-
その問いに応答するように左手で右手の甲を押し
そのまま右上に動かす。それと同時に腰を落とす。
「「スタートスタイル・レディー・ゴー!!」」
挙げられた右手を前に押し出した。その瞬間光ー正確には炎に包まれる。
その後に現れた優斗は装甲の場所はあまり変わらないが全身がフェニックスのような
姿を表しているようだった。
「オペレーション・・・・。」
-Judgement Form-
そう言うと相手の情報を判断するジャッジメント・ポインターが左目にあらわれ
優斗の視界に色々な情報が出てくる。
左腕も変化し手首あたりの装甲がなくなり、グローブのところに羽のようについている。
-Judgement Countdown Start-
それと同時に後ろに引いた左手に赤色の光が集まって行く。
優斗の視界にはメーターらしきものが徐々に上昇していく。
-Five Four・・・・Three・・・・
カウントが進むにつれて左手の光も比例して大きくなっていく。
Two・・・One・・・・
光が最大限になったのを確認して左手を押し出す。
Zero・・・JUDGEMENT BUNER-
「裁きの豪炎!!!」
「・・・・書き換えるべき罪」
優斗の技名に対し超速反応
すぐに技を繰り出す。
優紀がだした右手から口らしき牙がでてきて、裁きの豪炎を喰っていく。
数秒の打ち合いで優斗は左手を折る。そして、
「ちぇっ・・・・」
「25㎝から30㎝・・・・5㎝アップね。」
舌打ちしてからそう評する優紀をみるとやはり無表情。褒められた気がしないが、
それをほめたようにしたのが颯の言葉だった。
「優斗君すごいですよ!!お姉さんはああ言ってますけど、
射程・範囲・命中率・威力・持久時間ともに数値アップしてますよ。」
そう言いつつ投げられたゴーグルを見ると、
射程B→A 範囲A→AA 命中率B→BB 威力BB→BBB 持久時間BBB→A
というデータが成長を表していた。
「まぁ・・・・いいか・・・」
優斗は肩をなでおろす。とそれと同時に
「次は私の番だね。」
「んじゃ・・・」
優斗は右手でこめかみの二回トントンと叩く。
そうすると優斗から優佳へと変化した。
同時に装甲も赤からオレンジに変化し腰からしたの装甲もスカート状に変化し
胸部装甲も膨らみを帯びていた。
手には優佳の愛機-エクス・バスター-が握られている。
「いきますよぉぉぉ!!」
行きよい良く構える優佳に優紀は
「やる気があるのは大いに結構なんだけど、そろそろ出撃時間じゃない?」
優佳は時計を見る。時刻は出撃予定時刻の7時を指していた。
「そっそ?!もう時間?」
「あなたは帰ってきてからね・・・。」
といって変身を解き帰ろうとする。
「いくわよ。・・・颯・・・・。」
と、言って去ろうとする優紀に颯はついて行き振り返って一言
「優斗君、優佳ちゃんいってらっしゃーーーーーい。」
そんなお気楽な声を残して去って行った。
「・・・・・・・・・・・・」
「行かなきゃな・・・・。」
「うん・・・・・・。」
唖然としていた優佳は変身をとき後を追うように出て行った。