序章Ⅱ-獣と少女-
「ウオオオオオァァァァァ!!!」
獣は咆哮する。そこには以前の少年の姿はなく。
全身は白色で固められ手は獣のツメとして伸び両歯も少し伸びている。
「ユルサ・・・・ナイゾ・・・」
かなり低い声の威圧が少女を襲うが少女はそれを感じないように言う。
「来たな!こいつを待っていたんだ。
地の神‘ゴッド・レックス‘!」
「ダマレ!」
「クーチャン・ハルボウ・ジンチャン・・・ソシテヒトミンヲ・・・
コロシタツミハ・・・・オオキイゾ!!」
「かかって来い!‘地‘よ!」
獣は右手を肩に触れさせると白い刃が現れた。
それを技名と同時に投げる。
「ショルダー・ストライク!!」
「マジかッ・・・・」
超高速で迫ってきた刃を間一髪かわす。
{あいつ-地の神-は完全近接型だと聞いていたから油断したぜ。}
そう思っていると少女の右上を飛んで行った刃が戻ってくる
「おっかけ型だしっ・・・・」
少女は襲ってくる刃を次々とかわす。
次に獣を見たときに驚いた。
先ほど瞳美が放った技のはるか上、もしや自分の技の上を行くかもしれない光が
獣の右手に集まって行く。
「拡散連撃破!!」
獣が次々と右手を振るう。そこから一瞬しか黙視できないほどの超速不可視弾が
少女を襲う。
「くそッ・・・」
少女は流石にかわしきれず数弾喰らい落下する。
獣はそれを見逃さんと地面を蹴り少女の元に動く。
「調子に乗るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
少女は背中から一本の剣を出し獣に繰り出す。
獣はその剣をツメで受け止め、はらう。
のけぞった一瞬を狙い攻撃する。
それをカバーするかのように少女は剣で受け止める。
ツメと剣の金属音が室内に響き渡る。
なかなか攻撃が通らないのにイラついたのか。
一歩さがり自分を中心に衝撃波を放つ。
「うわあぁぁぁぁぁぁ!!」
少女は吹っ飛ばされ壁にめり込まされた。
それが少女の怒りのトリガーとなり
「もう、許さないぜ!!」
「限界突破!」
-リミットブレイク-
少女の声に反応するように少女が付けている機械も反応する。
それに反応して
獣はカードを取り出し、投げ、それを喰う。すると
-勝利の一手-
と機械も反応する。
少女は瞳美を倒した時と同様に右手を、
獣は左足を出して構える。
獣がコンマ数秒早く飛んで回転し少女は右手を前に押し出す。
「連撃蹴の帝龍!!」
「全ての終焉!!」
獣の連続蹴はワールド・エンドをも捕食していく。
しかし、少女の体まであと数㎝というところで獣の進撃は止められた。
少女の前に長身の男が現れ連続蹴を片手で止めている。
男は獣の足を持ち地面に投げ捨てた。
「グルオァァァァァァ!!」
獣は立ち上がろうとするが全然動けない。
獣が動けないのを確認してから男は少女に語りかける。
「言ったでしょう。神を呼びだしたら直ぐに私を呼びなさいと・・・」
すると少女はそっぽを向きながら、
「しょーがねーじゃん。戦いたかったし・・・・・。」
「そのことは後で聞くとして神の力のことをじっくりと聴かせてもらいますからね?」
「はいはい・・・・・」
そう言い残すと二人は消えてしまった。
それと同時に以前の少年の姿に戻っていた。
「今のは・・・・・・・」
と独り言のように言ったその問いに・・・
「今のはあなたの封印されし力・・・・。」
と誰かが答えた。
「・・・・・・!!」
少年は驚きあたりを見渡すが誰も居ない。
「あなたの心の中よ。」
「・・・・・えっ・・・・」
「私の眠りを解いてくれて、ありがとう。
私は優佳。あなたと一心同体、二人で一つ。
そして私達は選ばれし第五性なの。」
「・・・・・マジで?・・・・・」
「・・・・・大マジよ・・・・」
これが少年と少女の運命の出会い。