序章-運命の始まり-
初めての投稿誤字脱字などが多々ありますが、
ぜひ見て行ってください。
コメントなどはいつでも大歓迎です。
「なんで、なんで誰も守れないんだよ!」
少年の悲痛の言葉が建物内に響く。
少年の周りには無残に散った建物の残骸、真っ赤な血液、もう元の姿が視認できないぐらいの死体が
無数に転がっていた。
少年の両手には真っ赤な少女が一人。
もう、すでに息絶えているようにも見える。
「あの時の約束を俺は何一つ守れなかったッ!」
「俺は・・・俺は・・・」
何かを言いかけたその時、少女の微かな声が少年には大きく聞こえた。
「ゆっくんは・・・何も悪くないよ・・・・
悪いのは足手まといになった・・・私の・・・」
少女の言葉を少年は手で押さえ制止させる。
「そんなことないよ。あんたは俺達の希望だった。
守り切れなかった俺たちに責任がある。」
そう言い、少女の眼を見ようとした刹那
上空でそんな言葉を嘲笑う少女が一人。
「さっきから聞いてたけど、あんた達の戯言に付き合うのも
鬱陶しいわ。さっさとあんたの‘鍵‘を奪って終わりにしたいんだけど・・・。」
そう言いつつ少女の右手に過剰な光が集まっていく。
「あんたは逃げてくれ!あんたを守りきらないとッ・・・」
「逆です。私があなたを守りましょう・・・・。」
少女は立ち上がり上を見る。さっきの声とはまるで違うように話す。
「あなた以外は知っているのですよ・・・。
あなたこそが本当の希望。・・・私はフェイクに過ぎないのです。」
「だからって心の潜在能力の限界突破は
あんたの今の体じゃ負担がありすぎる。死んでしまう!」
少年は叫んだ。少女は自らを犠牲にして自分を守ろうとしているのだ。
そんなことはさせないと、前に出ようとするが突如起こった突風に押し戻される。
「言ったでしょう。あなたは私達の希望。ここで失う訳にはいかないのです。」
「・・・・・・・・・・」
もう、少年には祈るしかなかった。「必ず、勝ってくれ。」と・・・
「死ぬ準備は出来たか?」
上空にいる少女は挑発気味にいった。
「死ぬ準備は出来ています。ただし死ぬのはあなたでしょうね。」
「上等!」
「三十五代目風帝、倉崎瞳美行きます!」
二人の光が次第に大きくなっていく。
少年は息を飲んだ。祈る両手が強く握られていく。
「裁きの豪風!」
「黒き闇の破壊!」
同時に技名を叫びその数秒後にぶつかり合い、相手の光線を消そうと喰っている。
「「おおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!」」
瞳美の技が闇を喰らい少女に迫る。
あと数㎝で直撃。と言うところで急に闇の力が風の力を押し戻す。
「そんなちんけな技で良く耐えたなぁ・・・。褒めてやるよ。」
「・・・・・くッ・・・」
「ちんけ・・・・だと・・・・・」
瞳美が押し戻されるのを見ながら右手を握り締める。
{あれは瞳美が一年かけて磨いてきた技だぞ!それを・・・・・}
少年の心の中に怒りと憎悪が込み上げてくる。
「あんたらは所詮そこらの雑魚とてんで変わりなかったなぁ・・・。
期待外れだぜ。」
その少年の心に追い打ちをかけるような一言。
{コイツッ・・・ふざけるなよ・・・フザケルナ・・・・・}
少年の回りに真っ白い光が集まりだす。
「ゆっくん!駄目です!それを開放しては・・・」
瞳美が少年に一瞬気を取られたうちに上から聞こえる技名
「全ての終焉!」
先ほどとは比べ物にならないほどの暗黒が瞳美を襲う。
「あっ・・・・・・・」
「フザケルナァぁぁぁぁぁ!!!」
瞳美の体が消えるのと獣の咆哮はほぼ同じだった。