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狐の面は月見て笑う  作者: 衣桜 ふゆ
『氷』たちの紅
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Ⅰ.制御⑥~零side~

月夜の人達が暮らしている所は、築五十年のぼろいアパートだった。

もう誰も使っていない、廃墟のようなものだ。

「あれ、他の2人はどこいったんすか?」

不思議に思った零が朔に聞く。無視されたが。

狭い部屋の中に、人がいる気配がしない。

零は首を傾げてふと上を向き――――――

「うわぁっ!?」

思わず鋼糸を「天井に張り付いていた人」の首に巻き付けようとした。

力任せに糸を引っ張る。

「―――あっぶないわね~…その変な反射神経どうにかしなさいよ。」

しかし、鋼糸には何もかかっておらず、零の隣に小柄な少女が降り立った。

「変なってなんだよ、まったく…。なんで天井に張り付いてんだよ、萌黄(もえぎ)。」

萌黄と呼ばれた少女は、なぜか偉そうに胸を張る。

「ふんっ、誰か来た気配がしたから隙があったら後ろから襲おうと思ったのよ!」

天井にいたら、後ろというより上だと思う。

それに、足震えてんじゃん。

彼女は年齢不詳だが、見た目は十歳程度。

怖かったんじゃねぇのかなぁと見てみるが、言うのはよしておいた。

短気だから、抹殺されかねない。

「おや萌黄。起きていたのかい?」

「ふざけないで朔。私がねるわけないでしょ……ふぁ……」

あくびでてんじゃん。

萌黄は、朔を呼び捨てにでき、タメ口で話せるというある意味超人であった。

「で、零。あなたはうちの(・・・)氷美に何をしたのかしら?」

急に凄みのある笑顔が迫ってきた。

「えや、なにも?」

うん、俺は何もしていない。

鳩尾に拳をたたき込んだのは朔だ。

「………あっそ。」

納得したのかよくわからない萌黄の反応。

後で朔がやったとばらそうか。

そう考えた零だったが、その「ばらした後」のことを考えて冷や汗をかいた。

きっと、朔に半殺しにされるに違いない!

賭けてもいい。絶対当たるから。

「氷美………かわいそうに。早く目覚めてね…?」

萌黄が気を失っている氷美に顔を近づける。

「何する気だテメェ――――――――――――!?」


(プラス)、彼女はレズビアン―――つまり、同姓に好意を抱くのであった。


「うるさいわね…私と氷美の仲を邪魔しないでちょうだい。」

「うるせーよ!なんでよりにもよって氷美!?」

「氷美は日本刀を持つ戦う美少女よ。可愛すぎるわ!」

「あんた何歳だよ!?」

零と萌黄の口論が続く中、朔がぼんやりと呟いた。

「零くんは、氷美が好きなんだっけ?」

「………………………は?」

唖然とした零に追い打ちをかけるように萌黄が騒ぐ。

「きゃー図星だ!かっわいい~♪でも氷美はあげないわよ?」

「意味わかんねーし!朔さん、そういうこというのマジでやめてください!」

はははと朔が頬をかく。

ぜってぇおもしろがってやがる。


「…私がどうしたって?」


騒ぎすぎていた。

さすがにうるさかったようで。

氷美が、目覚めた。


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