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狐の面は月見て笑う  作者: 衣桜 ふゆ
『氷』たちの紅
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Ⅳ.妖刀①~零side~

もうどうにでもなれ!

「やぁ零くん。面白いものを見つけたよ。」

一段落して、朔が何かを持ってきた。

本?らしきものである。

この狭いアパートでどこにしまっていたのかは不明。

きっと朔は、どこかに四次元ポケット的なものを持っているのだろう。

少なくとも、タンスの中は萌黄と氷美が寝るので精一杯だ。

男子は床に雑魚寝。

………話がそれた。

「…なんすか、それ。」

「ん?本。」

「…知ってますよ。」

んなもん見りゃわかるだろうが!といいたいのを必死でこらえる。

朔相手には何を言おうとこっちが疲れるだけだ。

「妖刀について語ってあるんだよ。」

「ようとう?…あの、羊頭?羊の頭?」

「…羊の頭なんか語ってなんになるんだい?新しい魔術の開発?」

「…刀の方ですか。」

「当たり前。零くんはいつの間に馬鹿になったのかな?」

一発変換ででたからです。←作者の都合。

「雪鶴…これも妖刀の一種だ。」

「へぇ、雪鶴。………なんか聞いたことがある名前だな………。」

「やっぱり零くんは馬鹿だね。」

うっさいわ。

「氷美のパートナーじゃないか。」

「あぁ、あの雪鶴。」

「対して驚かないんだね。」

「そもそも、刀は人になれませんから。」

「ふーん。」

ふーんて、おい。

当たり前のことじゃないの?

それとも、人になるのが当たり前のことなの?

単純なことで混乱する零は相当の馬鹿だと思う。

笑いたきゃ笑え!

「まぁ、妖刀なのはいいとして。」

いいのか。

「氷美の暴走とこれは関係があるんだよ?零くん。」

暴走と?

雪鶴が妖刀だってことが?

どう関係するって言うんだ。別につながりがあるわけでもなさそうだが。

「雪鶴はね、持ち主を友と呼び、とても大切にするんだ。」

妖刀というイメージと違う。

いい刀じゃないか、と零は思った。

自分の鋼糸にも同じようなやつが宿っていればいいのになぁ。

「だから、持ち主が傷つけられた時なんてもうものすごい暴走して・・・・・・・・・手がつけられないんだよ。」

朔が目を伏せて静かに言う。

零はさほど驚きもせず、納得した。

氷美の暴走の理由は、それか。

氷美が悪いのではなく、雪鶴の不器用な優しさから生まれたものだということ。

それに氷美の紅嫌いが重なっただけだ。

零は今更になって、『やりすぎ女』と言ったことを言いすぎたなぁと思った。

もう少し早く自覚してもらいたいものである。

後で謝っておこう。

「…じゃ、朔さん。氷美の暴走はどうすればいいんですか?」

「うん、氷美と雪鶴で互いに押さえ合わないといけないだろうね。」

解決策あんのかよ。

無性に腹が立った。

解決策あるのになんで最初から言わない?

鋼糸装備ー。


零くん・・・?」


凄みのある笑顔がもはや武器だと思う。

わかってたけどさ。

どうせ倒せないよ!

「君もまったく懲りないよねぇ。小さな頃からいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも…。」

「萌黄、耳栓持ってるか?」

隅っこで黙っていた萌黄に要求。

きっと彼女ならば持っている…

「悪いわね、今はないの」

持ってないのか。

零は舌打ちを漏らした。

朔はというと、まだ「いつもいつもいつも…」を続けている。

よく息が続くもんだ。

「なんじゃ、もう我に関する話は終わりか?つまらぬの。」

タンスの中から聞こえる声。

いたのかよ!?

朔は知っていたようだけど。

「我も氷美に…謝らなければならぬの…………。」

零は目を丸くした。

こんなんじゃ、雪鶴は氷美よりも子どもっぽいじゃないか。

まぁいいか。

似た者同士で、ケンカするほど仲がいいって。


暇になってきた。

「俺、氷美探しに行ってくるから。」

それだけ言って、アパートの扉を開ける。

ぎぃ…という音が嫌いなため、勢いよく。


ごん


鈍い音がして、零はその場に硬直した。



妖刀…

なんか和風ファンタジー?

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