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狐の面は月見て笑う  作者: 衣桜 ふゆ
『氷』たちの紅
19/47

Ⅲ.仲間割れ?①

お久しぶりです!

ごめんなさい更新が遅れましたです!

楽しみにしていた方、本当にごめんなさい!

氷美は、魂が抜けたかのようにぼーっとしていた。

今の話が、氷美の辞める宣言にどう関係するというのか。

やがて頭が冷えた氷美は、そう思って薄く笑う。

「…どう、関係するっていうんですか?」

「…氷美?」

「私が辞めるって言ったのと、どう関係するんですか?」

そう言った氷美に、雪鶴は目をつり上げた。

「氷美!」

「はいぃ!」

雪鶴はなんのためかよくわからないが立ち上がり、正座している氷美を見下ろして言う。

「そなた、氷奈がどういう思いをして死んでいったかわかっているのだろうな!」

水色の瞳の奥に光るのは、純粋な怒り。

彼女は、氷美が月夜を辞めようとしているのを怒っているのだ。

「…っ、わかってるよ!わかってるけど、仕方ないでしょ!?私はもう月夜で使えない人材になったの!ここにいる意味がないの!母様がどんなに思っていたことだっていっても、もう無理なのよ!!」

氷美も負けじと叫び返す。

雪鶴の瞳を見つめ、思いをぶつける。

朔は、ひたすら黙っていた。

雪鶴が、見放すように叫んだ。


「そんなに自分が不要だと思うのなら、出ていけばよい!そなたの気持ちなど、もう知らぬ!嫌ならば出て行け!そうやって自分が不要だと、要らぬと思うやつが我は大嫌いじゃ!」


氷美の気持ちが、固まった。

「えぇいいわ。出て行ってやるわ。事実だもの、事実を信じない夢見がちな人は大っ嫌いよ雪鶴!」

「そうか、ならば行け!視界にはいることも我は許さぬ。もう二度と戻ってくるでない!」

売り言葉に買い言葉で叫んだ氷美を、雪鶴はぼろアパートの廊下に引っ張り出した。

そのままぴしゃりと強く扉を閉め、氷美は一人廊下に立たされる。

「あれ、氷美?」

無意識に唇をかみしめていたら、ふと脳天気な声がかかった。

「…零…。」

「どーしたんだ?何かあったのか?」

たいして気にしてなさそうに言う零に何故か腹が立つ。

訝しげに近寄ってくる零。

「……っといて。」

「あ?」

「放っておいて!!」

氷美は叫んで、零を押しのける。

そのまま、行くところもないまま、それでも何処かに行くために。

駆け出そうと、震えそうな足を力強く踏み出した。


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