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狐の面は月見て笑う  作者: 衣桜 ふゆ
『氷』たちの紅
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Ⅱ.秘密、過去②

ほんとは、辞めるなんて嫌だ。

氷美はくちびるをかみしめた。

そもそも氷美は孤児で、拾ってくれたのが月夜だったんだし。

辞めるなんて言ったら、氷美はまた一人になる。

自分の気持ちなんて、我慢しなければいけないことだ。

月夜は、私がいると仕事がちゃんとできなくなる。

しつこいようだが、氷美はそれが嫌で仕方なかった。

「氷美。何時までも自分だけで悩むなよ?」

朔が言う。

「だけど、たとえ打ち明けたからといって、やりすぎがなおる訳じゃないんですし。」

「………ひねくれてんだね、君。」

「…は。」

自嘲気味な笑みを浮かべた氷美は、脇に置いてあった日本刀――――氷美の愛刀・雪鶴(ゆきづる)を朔に差し出した。

「…氷美?」

「これ、もとは朔さんのものですよね。」

「まぁ、ねぇ。」

「…お返しします。私には、これを握る権利がないので。」

氷美はそう言って朔を見上げた。

長身な彼には、座っていても見上げなければ顔が見えないときがある。

「…………困った奴だね、雪鶴。」

朔は氷美にではなく、雪鶴に話しかけた。

「そう、そうなんだよ雪鶴!わかってくれると思ってた!――――え?や、まさか!厄介者だなんて思ってないよ?雪鶴は綺麗だからねー…」

朔はそのまま雪鶴と話しているかのように喋る。

なんか朔が冷や汗をかいているように見えるのは気のせい?

「具現化すればいいのに。めんどくさいとか言わずにさぁ…ね?雪鶴~」

氷美はめまいがした。

朔が変人に見えて仕方ない。

「…えーっと、朔さん?雪鶴…どうしたんですか?」


『どうしようも何もあるか。我が話しているのが聞こえぬか?』


ふと、なんか声が聞こえた。

「……………………………………。」

『そなた、我がずっとパートナーとしていたのに話していたのを知らぬのか!?』

「………………朔さん?」

氷美はのろのろと顔を上げた。

「うん、雪鶴だよ?」

にこやかに頷く朔。

刀って、動物だっただろうか。

『むぅ…今は聞こえているようじゃが、我は無視されておるのか?朔。』

雪鶴(?)が朔に話しかける。

朔は少しも動揺せず、雪鶴と会話していたというのか?

「いや、まだちゃんと事態が飲み込めていないだけだよ。」

『そうか。なら良かったが…氷美は、我をなんだと思っていたのじゃ?』

少し憤慨したように言う雪鶴。

氷美はそれについて即答した。

「日本刀。」

『…ま、間違ってはいないのじゃが…即答されると少し傷つくのう。』

ふむ。

落ち着いて聞いてみると、雪鶴の声はなんとなく萌黄と同い年(?)の少女の声と思えた。

言葉がやけに古めかしいが。

「てかさ、雪鶴。刀ってしゃべれるの?」

『……妖霊でもあるまいし…日本刀がしゃべるわけなかろう』

「…じゃぁあんたは何。」

『…我は、この刀を作った職人らしいのじゃ。』

……職人?

「女?」

『そうだな。』

「ますます意味がわからない。」

『うーむ…そうじゃな。』

「うん。」

『我にもよくわからんのじゃ。』

「意味なっ!」

『し、失礼じゃな!我は具現化すればこんなに綺麗だというに!』

「…こんなに?」

氷美が首を傾げた。

瞬間、日本刀の形が水色っぽい淡い光を放ちながら、人型になっていく。

水色の光がだんだん弱まり、氷美はまじまじと目をこらした。

「これが、我だ。」

「…雪鶴?」

そこには藍色の髪に水色の大きな瞳を持った白っぽい着物の少女が偉そうにたっていた。


なんかサブタイトルと関係なくなってきた気がしますね!

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