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二人の少女
今日もここでは市民の話し声や、鍛錬する兵士たちの声が溢れている。
でも今日も、彼女の声だけは聞こえない。
彼女がどこにいるかは予想がついているのに、今も空を見上げているだけで、動く気になれない。
仕事がないということは、ここが平和だってことなのかもしれない。でも、彼女がいないならそれもどうでもいい。それどころか、こんなことを考えてしまうことがない分、『平和じゃないほうがいい』なんてことを思ってしまう。そんな罰当たりなことを考えていると、名前を呼ばれたような気がした。振り返ってみるとそこには、いつもの依頼人が立っている。この平和とは、お別れしなきゃいけないみたい。




