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第89話 魔槍完成祝賀会

簡単な身内での酒盛りはしたものの


大々的は魔槍完成祝賀会が遅くなったのには理由があった


フーバーが矜持を優先したからだ


事の発端は魔王様直々の注文を片付けないと旨い酒は飲めないと弟子に言った事から弟子達にもスイッチが入ってしまったのだ…


勿論の如くイフリートは快諾し手伝う事となる


フーバーと弟子達の共同作業に加えて!


イフリートの配下の溶岩ゴーレムを初めとする炎の眷属プラス…


ヘルファイアも使えないかと魔法師団長のマーモンが!


私の分体液も必要でしょ?と第十六軍、軟体溶解軍の団長ポイズンキングスライムのスラリンまでもが参加し


フーバーの工房はちょっとした騒ぎになる程の人数が集まった…


勿論デモンズブラッドを提供する者…


参謀、六魔公、四天王までもが集まり専用武器の作成は加速的に進み今回の大宴会となったのである。



「イフリート殿ぉ」


「嗚呼♪どうした?何か俺に用事か?」


「はい!」


「えらく機嫌が良いなフーバーよ吉報か?」


「イフリート殿が!礼を言うのは後でいい!集中して製作にあたれ!

とそう仰って下さらなければ魔槍は完成の日の目を浴びる事は叶いませんでした!

感謝とお礼と!」


「と?」


「私主催の宴会に参加して頂きたく参上致しました!

この度の魔槍完成は一重にイフリート殿の助力有っての事!

深くお礼申し上げまする!ありがとうございました!」


「固い固い!

軽いのもいかんが!何事にも程々と言う限度がある!礼は程々が丁度良いのだ!やり過ぎてはコチラも気兼ねするわ!」


「申し訳ありませぬ!

しかし!共に全ての仕事を終えたこの喜びを弟子と共にイフリート殿に伝えたくて仕方がなかったのです!」


「美味い酒はあるのか?」


「勿論でございます!清酒魔王様を始めモビー様にお願いして海中で寝かせた15年物の焼酎もご用意しておりますれば!」


「何と!?」


「参加頂けますかな?」


「( ̄¬ ̄)ジュル

乾杯はビールぞ!ワシが準備する!

ワシは樽で飲む!良いな!其処は譲らぬ!」


「我ら弟子を含めオーガ族は大酒飲みにござりますれば…

底が知れませぬぞウハハハハハ♪」


「今から楽しみじゃのぅ!」


「では宴会は明後日と言う事でお願いします!」


「あぃ分かった!羽目を外そうぞ!」


「ウハハハハハ!それはご勘弁願いたい!イフリート殿が羽目を外さば我が家が焦土と化しまする♪」


「( ^∀^)アハハ/\/\/\!

違いねぇ!程々にしておくので安心せい!」


「では明後日に」


「承った!

一つ良いか?身内だけの酒盛りか?」


「身内での打ち上げはこの間終わらせたでしょうに!

本祝いでございます!何人でも参加出来る感じで

招待状の返信を見ますれば…

かなりの大所帯での宴会になる予定です!」


「あい分かった!我が友達ともたちにもこの幸せを分けたい!数名誘うぞ!」


「分かりました!場所は我が工房の広場にて」


「色々と持参して参る!楽しみにしておれ!」


「ウハハハハハ♪酒の肴には事欠かない程の物を此方も用意する予定にございますれば…」


「勝負じゃな?」


「そう成りますかな?」


「フーバーよ!今から待ち遠しいぞ!」


「わたくしもですイフリート様!」


「募る話しは宴会の席じゃ!早速、今から我は必要な品を揃えに準備に行く!」


「はい!では!失礼致しまする!」


「ウム!では明後日!」




「フーバーさん!頼まれた品物は何処に置くんだ?」


「嗚呼♪オードブルサービスの仕出し屋!

悪いが!テーブルに並べてくれるか!」


「ウチはそんなサービスやってねぇんだが!」


「準備を手伝えば!カカァと息子も連れて来て良いから、お前達も食って飲んで騒げ!俺の奢りだ!さっさと並べろ!」


「嗚呼!そう言う事なら!任せとけ!」


「頼む!」


「フーバーさん!頼まれた酒は何処に置けば良い!」


「おう!メインの酒が届いたか!」


「フーバーさん!それは聞き捨てならねぇな!

メインは俺の所のオードブルだろ!」


「仕出し屋の!それは人による、忙しそうなフーバーさんにウザ絡みすんじゃねぇ!」


「おうおうおう!酒屋の!ウザ絡みとはヒデェじゃねぇか!ウチの食いもんが無かったら酒も旨くならねぇんだぞ!」


「それを言ったら!食いもんだけじゃ旨くならねぇ!物足りねぇって自分の首を締めてるのに気付け!」


「おっおぅ…すまねぇ」


「フーバーさんのご厚意で家族も同伴で御相伴に預かれるってぇ話しだ!さっさと並べて家族を呼んで来いよ!俺達は酒の事しか分からねぇ!旨そうな並べ方とかあんだろ?

手本を一つ並べてくれれば真似して置いておくからよ!」


「おっおぅ…ありがとう」


「おぅ!分かれば良いんだ!さっさと並べてフーバーさんの宴会を盛り上げようぜ!

お前ら!分かったか!」


「親方ぁ!任せて下せぇ!」


「やれやれ…仕出し屋も困った奴だ、なまじ自分の作った飯に自身があるもんだから融通が聞かねぇ…

その点酒屋のは人を使うのが上手いな」


「何をブツブツ言ってんだフーバーさん!

今日はアンタが主催の宴会だが!

魔界発の魔槍の完成をとことん祝わせてもらうぜ!」


「おぅ酒屋の!頼んだ!そして存分に楽しんで行ってくれぃ!」


「言われんでも勝手に盛り上がるぞ!ウハハハハハ!

その変わりと言っては何だが!一本秘蔵の酒を持って来た!」


「アンタ!そのお酒は!又!勝手をして!…

でもフーバーさんに飲んで貰えるなら良いわ

フーバーさん!この度はお誘いありがとうございます

魔槍の完成♪本当におめでとうございます!そしてお疲れ様でした!大変なご苦労をされたとか?

このお酒はその労いの気持ちとして収めては貰えませんか?」


「おぅ!ありがとよ!酒屋の!お前ぇにしては出来た嫁を貰ったもんだな!」


「ヒデェ!フーバーさん!そりゃねぇぜ!」


( ^∀^)アハハ/\/\/\

( ^∀^)アハハ/\/\/\


「何だ!仕出し屋!未だ居たのか!」


「おぅ!並べ終わった事を言いに来たら面白い話しをしてるなと思ってなアハハハハ♪」


「テメ!後はやっておくから店を閉めてさっさと家族を連れて来い!」


「おぅ!すまねぇな!後は頼む!」


「フーバー親方ぁ!今日のメインの品々はどうしやすか?」


「おぅ!数が多いからな!結婚式の引出物みてぇに席次表の通りに並べとけ!」


「分っかりやしたぁ!」


「(-ω- ?)んっ?何だフーバーさん?席が決まってるのか?俺達はどうすれば良い?」


「席に名前が有るテーブルを作ってあるから先にそこにオードブルと酒を並べて、余った食いもんは全部席次表の無いテーブルに並べてくれるか!

そこで立食バイキングだ!頼めるか?

分からない事があったら弟子共に聞いてくれるか?」


「おぅ!任せてくれ!おい!弟子共!総出で準備して飲み会だ!片付けまでが飲み会だぞ!飲み潰れたら置いて行くからな!」


「親方ぁ!分かりやした!!!」


「じゃぁ始めるとしますか!」


「おぅおぅおぅおぅ♪始まる前からえらく盛況じゃねぇか!」


「イフリート殿!?いらっしゃい♪」


「おぅ来たぞ!酒は樽で持って来た故、今宵は飲み明かそうぞ!」


「はい!勿論でございます!しかし…」


「どうした?フーバーよ?」


「魔王様をお誘いしたのですが…」


「不参加か?」


「は…ぃ…」


「あのお方らしいな」


「と?申しますと?」


「あのお方は皆に気を使われて宴会を台無しにしたくは無いのだと思う」


「そんな!魔王様の為の宴会でもあるのに!」


「そう言ってやるな、魔王様なりの配慮なのだと思う、かしこまり過ぎる奴も居れば、飲んで失礼を働く奴も居るだろう、何があっても酒が不味くなるだろ?

魔王城でのお披露目の後は酒宴は無かったのか?」


「略式的な物はありました」


「ならばそれで良いではないか、庶民には魔王様のお相手は出来んぞ」


「然り!流石は魔王様!そこまで見越しての不参加とは」


「主催者がショゲていては始まらん!今日は祝いの席ぞ!笑えフーバー!このめでたい日にその顔は相応しくない!」


「あぃ!分かりました!ありがとうございますイフリート殿」


「おぅ!我は宴会芸も用意して来た故、楽しみにしておれ!とことん飲み明かそうぞ!」


「了解です!」


そんなこんなで、朝から始まった魔槍デセスペーロ・ブエノ完成祝賀会の準備は皆の協力で滞りなく終わり、お腹を空かせた子供達の時間に合わせて少し早目の17時からのスタートとなった


「皆さま!これよりフーバー魔工匠親方の挨拶をお聞き下さい!」


「あーあー…

これで良いのか?私の声は皆に届いておるのか?」


「良い!届いておるわ!私が作った音響装置とマイクぞ!

聞こえぬ訳が無かろう!」


「おぉ済まないギルベルト殿、其方の作った物に対して失礼であったな!」


「良いと言っている!さっさと始めんか!お前の挨拶が終わらなければ酒が飲めんではないか!

それとマイクの電源を切らずに話していては、この会話も全部会場全体に聞こえているのだぞ!」


( ^∀^)アハハ/\/\/\

( ゜□゜)アハハ/\/\/\

( ^∀^)アハハ/\/\/\


「ほれみよ!笑われてしまったではないか!畏まった挨拶は要らぬ!早くせんか!」


「おぅ!皆聞いてくれ!」


もう聞いてるぞ!フーバー!

聞こえてるっての!

ヤイノヤイノ♪


「うむー…」


パァン!

ケツをギルベルトに叩かれるフーバー!

「しっかりせんか!」


「痛いのぅ!もちっと手加減と言う物をだな…」


(y゜ロ゜)y「さっさとしろ!」


「おっ…おう!

此度は!参謀様、六魔公様の皆様に於かれましてはわざわざお集まり頂きありがとうございます!

席の横に置きましたるは!

魔王様直々にご注文頂いた各専用武器にございます!

箱から出して手に取り!皆に見せてあげて下さい!」


「嗚呼!?我らがデモンズブラッドで作った武器か!?早くも仕上げたのか!?

乾杯の後に見させて貰うぞ!」


弟子司会者「それでは乾杯の音頭をあの魔眼カメラの開発者にして魔界のマッドサイエンティスト魔具工房のギルベルト様より賜りたいと思います!

皆様!準備はよろしいでしょうか!それではギルベルト様!よろしくお願いします」


「おぅ!今!説明にあったワシがギルベルトである!

この様な席での挨拶を任されたが!

小難しい話しは子供には通じぬ!さっさと食わせてやりたいので堅苦しい話しは無しじゃ!

乾杯!!!!」


「乾杯!」「乾杯♪」「乾杯」


魔槍完成祝賀会が始まる!


すると!タイミングを見計らった様に雷鳴がこだまする!


ゴロゴロゴロ…

ドカーーン!パリパリパリパリ…


「きゃーー!何ご起こったの!?」


「あれはデセスペーロ・ブエノ!?」


「なぁに?お父さん?」


「見てみろ!あれがかの有名なフーバー魔工匠親方が作った魔槍ぞ!」


「あれが!?すんげぇ!カッケェ!」


「そうだあれがデセスペーロ・ブエノ!魔王様の魔槍だ!何と禍々しい!素人が見ても惚れ惚れする魔槍だな」


「フーバーよ魔王様からの祝いの言葉を賜る!良いな?」


「ギルベルト?何を言っている?魔王様は不参加ぞ!」


司会者の横にゲートが開く

凄まじい負のオーラが会場を包む

「ドノヴァン様!?魔王様!?」


ひれ伏す参加者一同


「見ての通りだフーバーよ!

我が居ればこの有様ぞ♪

宴会なんてあったものではないわ!

ウハハハハハ♪

此度の魔槍完成の祝賀会に挨拶をと思って来たら…

何だそのやつれた顔は!フーバー貴様!この日の為に他の連中の武器も完成させおったのか!?」


「はっ!」


「コレを飲め!」


「はっ!」(/◎\)ゴクゴク


\\\└('ω')┘////フォーー!


「何ですかコレは!?」


「我特製の回復ドリンクじゃ!」


「何と!?その様なレアドリンクを!?

魔槍がもう一本作れる程ですぞ!」


「馬鹿を言うな!一時的な回復だ!効果は一日!

調子に乗って明日働くなよ!」


「御意!ありがとございます!魔王様には全てお見通しでしたか!」


「然り!我からも祝いの酒を用意した、ドノヴァン!」


「はっ!此方に!」


「良し!皆!我の魔槍の完成を祝う式典を楽しんでいくが良い!デセスペーロ・ブエノは暫く置いて行く皆で鑑賞するが良い!触れたければ触れても良い!

子供達よデセスペーロ・ブエノは雷を帯びておる!注意して触れるが良い!

では!ドノヴァン!行くとするか!我の送迎を頼む!」


「はい魔王様!」


ゲートに消える魔王ドンゴロスとドノヴァン


「父さん…俺初めて魔王様をこんな間近で見たよ…

メッチャ格好いい!パネェ!ヤベぇ!俺!明日友達に自慢する!」


子供達は大はしゃぎ!


大人たちは放心状態、男女問わず魔王様の一挙手一投足に目を奪われてしまった

「我らだけへの気配りだけでなく…

子供達への気配り迄…

流石は魔王様…」


弟子司会者「魔王様直々の魔槍祝賀会のご挨拶でした!

フーバー親方へのサプライズとの事でギルベルト様より内緒にしてくれと言われておりましたので!

この様な形となりました!ご歓談を続けて下さい!」


「ギルよ!計ったな!チビるかと思ったぞ!」


「ウハハハハハ♪それは大成功と言う事か?愉快愉快♪」


「笑い事では無いぞ!」


「まぁ飲もうではないかフーバーよ!魔槍完成に乾杯!」


「おぅ!ありがとう!」


盃を飲み干す二人!


「旨い!」「旨い!」


フハハハハハハ♪

ウハハハハハ♪


「良い酒だ!深酒してしまいそうだ」


「良いではないか!魔王様直々の注文を全て片付けたのだ!多少は羽目を外しても良い!まぁ!飲め!」


「おい!ローレライ!一曲頼む!皆で歌っても、交代で飲みながらでも良いから頼めるか!」


「今宵はギルベルト様に雇われた身ならば歌を優先させて頂きますわ♪

最新式の音響装置を使わせて貰ってもよろしくて?」


「おぅ!使い方は司会者に聞いてくれ!」


「今度は私達の店にも降ろして頂けますように、よろしくお願い致しますわ」


「分かった!お前たちの歌声がより良く聞こえる様調整してやる!楽しみにしておけ!」


「あら?より良くだなんて?我らが歌声が物足りない様な言い方ですわね!

我らが歌声で蕩けさせてあげますわ!」


「ウム!すまなかった!主らの歌声は酒の肴には音響装置などなくとも最高よ!しかしより遠くの者達にも聞かせてやりたいとの親心の様なものぞ」


「分かっておりますわ♪行って来ます♪」


「頼んだぞローレライ!」


「はい♪お任せを!皆!準備はよろしくて?始めは子供向けの曲で行きますわよ!」


「はい!姉様!」


「ギルベルト殿?我らも参加してもよろしいでしょうか?」


「嗚呼!?カナリヤのバードマン!?

頼めるか!」


「承りました♪」


「盛り上がって参りましたな!」


「バードマンよ!シーズンハラスメントは無しの方向で頼むぞ!」


「( ^∀^)アハハ/\/\/\

流石はギルベルト殿!季節の曲は無しの方向ですな!

承りました!では行って来ます!」


「ウム!任せた!ローレライと打ち合わせして皆で飲み食い出来る様にしてやってくれ!」


「お気遣いありがとうございます♪」


「皆、お前たちの偉業を讃えたくて仕方ないのだな」


「ありがたい事です…

我らは我らの仕事をしただけの事、偉業などと」


「いや!フーバーよ!謙遜するで無い!誇って良い!

この様な素晴らしい武器は過去に見た事がないぞ!」


「六魔公の皆様!?」


「おぅ!お主が作ったバフォメットのギリガンが魔剣のシャムシールは凄いの一言だ!

六魔公の権能付きとは破格が過ぎる!

我が友!六郎が娘である七緒様が六魔公に就任した暁には七緒様のデモンズブラッドを加えて打ち直して貰うぞ」


「ほほぅ…

それは何故ですか?

今回の六魔公のデモンズブラッドで打った特殊専用武器には今は亡き六郎のデモンズブラッドを含む武器故!

我のデモンズブラッドと七緒様のデモンズブラッドを加えて打ち直して七緒様の形見としたいのだ!頼めるか!」


「実に素敵な話しですな♪

その際は七緒殿とギリガン殿の絆の証としてお二人のデモンズブラッドにて新しき武器をギリガン殿に進呈する事をお約束致しましょう!」


「嗚呼!何と言うサプライズか!良いのか?」


「より蹄鉄騎士団の結束も深まりましょう!是非とも!」


「ありがたい!ありがとう!ありがとうフーバー!」(ノω・、)


「泣くなギリガン!お主!七緒に言ったそうではないか!

涙はキョウイチロウを討ち取った時の嬉し涙とせよと!

そのお前が約束をたがえるのか?」


「コレは一本取られたわい!

その通りだ!コレは汗じゃ!目から汗が出ただけじゃ!」


「ありがとうギリガンおじ様!」

ギリガンに抱き付く七緒…


「実に微笑ましいのぅ♪

我も貰い泣きして酒が薄まってしまいそうじゃ!」


「フーバー!汗と言っておろうが!」

。゜(゜´Д`゜)゜。


「分かった!分かったから!ギリガン!

我の作ったシャムシールで我を威圧するでない!危ないでは無いか!」


「お前が…

要らぬ事を言うからだぞ」


「しかし…フーバーよ其方が打った武器は何と素晴らしい事か…

我は此度、参謀の第二席からシルシャーナ槍兵団の副将を務める事となった

娘がアデルフォード様が抜けた穴埋めに再編成される第五軍の団長に抜擢されたのだ!

我は助力を求められて第五軍の副将となったが…

前の立場で魔王軍の増強にと賜ったこのバスターソードは!ヤバいな!

剣がドラゴンブレスを吐くなどと規格外にも程があるしかもドラゴンファングまで飛ばせるなどと…

扱いがじゃじゃ馬の娘より大変ぞ!」


( ✧Д✧) キラーン

「父さま?何処の淑女を捕まえてじゃじゃ馬ですって?」


「(;゜д゜)アッ…いや…あの…言葉のあやと言うかその…何だ…」


「例えを間違えたと言う事ですわね?」


「そっそうだ!だからその父に向けたハルバードを仕舞え!」


「なら結構ですわ♪」


「こらミルヴァーナよ父をあまり虐めるでない!」


「フーバー様!?わたくしは虐めるなど」


「我の武器をその様に父の威圧に使いおってからに!没収するぞ!」


「すっ!すみません!」


「武器を使うには正しき心を持って扱うべし!

取り扱い説明書が必要な歳でもあるまいに!」


「お恥ずかしい!」


「失礼する!」


「ドノヴァン様!魔王様は?」


「送り届けて少し話しをして、それが終わって此方に参った!私も今から宴会に参加じゃ!よろしく頼む!」


「お勤め!お疲れ様でございます!」


「して?私の専用武器はどうなっておる?」


「ドノヴァン様の武器を持って参れ!」

弟子達に指示を出すフーバー


「はいフーバー親方ぁ!」


「箱を開けて見て下され!」


「嗚呼!」

カパッ…

「何じゃこの杖は!?暗黒魔法を帯びているのか?

それに…

自分の手に馴染むこの感じ…」


「(=`ェ´=)フフフ

ドノヴァン様のご自分のデモンズブラッドに参謀様全員のデモンズブラッドに…

更に」


「更に!?我に内緒で何か加えたのか!?」


「私が預かりし魔王様のデモンズブラッドを数滴」


「数滴でここまでのステータス向上が測れたのか!?」


「魔王様のデモンズブラッドは扱いが難しゅうございまして…

大変でした」


「ほほぅ」


「杖故に剣の様な削り出しの工程はございません

ただ完成品に魔王様のデモンズブラッドを染み込ませる訳にもいかず…」


「どうしたのだ?」


「先端の杖の核に混ぜましてございまする」


「それ故にか!?

先端の球体から滲み出る負のエネルギーが他の杖とは異なり異質!」


「それはそうでしょう!普通であれば異なる権能が渾然一体となる事などありませぬ…

それを一つに球体に纏めてあるのです」


「そんな事が可能なのか?」


「そこは私の力かな?ウフフ♪」


「嗚呼!スラリン!来ておったのか!?」


「はいドノヴァン様、お久しゅうございます♪」


「おぅ!久しいな!健勝であったか?」


「すこぶる!」


「フハハハハハハ!

スラリンよ!謝礼は何が欲しい?」


「ウフフ♪出来ますなら…」


「未だ食べた事の無い物か?」


「はい!!」


「(=`ェ´=)フフフ

有るぞ!腹を壊すかもしれんがな!」


「望む所でございますわ!私の溶解液は魔王様のデモンズブラッドさえ溶かしますわよ!」


「其方の力となるかは定かでは無いが…」


「偉くもったいぶりますわね?ドノヴァン様のお身体の一部でもよろしくてよ」


「(=`ェ´=)フフフ」

小瓶を亜空間から取り出すドノヴァン、自室の何処かにある物を取り出した様だ


「それは?」


「先先代の勇者の血液よ!」


「何と!?その様な貴重な物を頂いても!?」


「良い!我が杖の完成にはお主の分体液が必要不可欠であったとフーバーより聞き及んでおる、謝礼として申し分無かろう?

だが…勇者の血ぞ?どうなっても知らんぞ!」


「少し試してみても?」


「おぅ!飲めなければ他の物を用意しよう!」


「では!」

同じサイズの人型を分裂させるポイズンキングスライムのスラリン


「ほほぅ…

核の無い分体で確認するか?」


「では、数滴垂らします」

\\\└('ω')┘////フォーー!

「美味しい!…が!?拒絶反応もありますわね…」

ボコボコとあちこちに突起が飛び出しては引っ込む


「スラリンよ!大丈夫なのか!?」


「免疫を獲得致しましたわ♪

それではいただきます!」

小瓶ごと体内に取り込むスラリン…

先程と違い、取り込んだ勇者の血液を中心に沸騰を始める!


「スラリン!一気に取り込むなどと!危険だ!」


「問題ありません終わりましたわ!

実に美味♡

キョウイチロウも同じ味なのでしょうか?

それとも…」


「キョウイチロウを喰うつもりか!?更なる拒絶反応が出ると予想されるぞ!

敗戦の号外を読むに、花子はキョウイチロウの両足を食べたら強制的に進化させられ白きミノタウロスとなりキョウイチロウの従者となったと書いてあった!

決して同じ味では無く!かなりヤバい代物だぞ」


「少しづつ溶かせば良いのです」


「嗚呼!?その手があったか!流石は一軍を任されるだけはある!

闇雲に食しているのでは無いのだな!」


「当たり前です!私の毒とは異なる毒を持った獲物を食す場合にそれすらを我が物とすべく!この方法を取っていますわ」


「ウッフフフ!流石はスラリン殿ですね♪」


「バアル様♡イツ此方に!?

あぁん♡今日のお召し物も♪そのお姿も素敵ですわ♡我が愛しのバアル様ぁ♪」


「これこれ!スラリン、溶解しながら擦り寄るでない、私の服が溶けているでは無いか」


「あら?ごめんなさい、少し興奮し過ぎてしまいましたわ」

身体の色がキラキラと変化するスラリン…

どうやら興奮すると体色が虹色に変化する様だ


うい奴よ♪今宵は久しぶりに交わるか?」


「よろしいので!?」


「良い!」


「ああぁ♡又!わたくしの核を貴方様が突いて下さるのですね♪

あの初めての夜をわたくしは今でも忘れられません♡」

スラリンの核はハートの形になっていた…

分かり易い奴


「して…

愛の語らいは程々にしてフーバーの武器はどうだバアルよ」


「おお!ドノヴァン様すみません…」


「バアル様♡では後ほど♪」


「スラリン!あまり飲み過ぎるなよ!」


「分かってますわ♪我が愛しのバアル様♡」

立ち去るスラリン


「では!改めて!見て下され!」


「嗚呼!?それが!其方の魔剣か?」


「はい!私が所持している魔剣ダウンスレイブは収める鞘を切ってしまうと言う切れ味特化型の魔剣なれど、フーバー殿の魔剣は各参謀の性能が幾つも付いた高性能な魔剣!

先程のミルヴァーナの父上が言っていた事と同じで!

かなりのじゃじゃ馬です!

扱うには少し鍛錬が必要かと!

しかし!使いこなせれば…

(=`ェ´=)フフフ♪

かのキョウイチロウも屠れるかと!」


「奴に次は無いと?」


「然り!必ずやこの魔剣で屠る事をお約束しましょう!」


「頼もしい限りでは無いか、のぅフーバーよ…

してワシの杖とバアルの剣は魔槍の様に名はあるのか?」


「ございません!伝説を自らの手でお作りになって頂けたら名など後から付いて来ましょう」


「ほほぅ…

今後の我らの働き次第と?」


「然り!」


「しかし!毎回ワシの杖とか俺の魔剣などと呼びたくは無いよな?バアルよ?」


「然り!フーバー殿!(仮)でも良い!名を授けては下さらぬか!?」


「では…」


「やはり!名は!降りて来ておのだな!」


「今回ばかりは魔槍魔剣魔杖と数が多すぎましてな…

降りて来てはおらんのです、つまり」


「つまり?」


「我らは武器を作る際に名が降りて来る筈なのです…

今回は私めには何も…申し訳ありません」


「では!弟子に名が降りて来てはおらんのか!?」


「おぉ!あるかもしれませぬ!

弟子達よ集まってくれるか?」


「何だい?親方ぁ!」「何だ?何だ?」「どうしやした?」「何事です!我らの武器に不具合ですか?あり得ません!」「いってぇどうしたんです?」

弟子達が思い思いを口にする


「ドノヴァン様とバアル様に武器の名付け親になってはくれぬか?と頼まれてな…」


「えぇ〜!?親方無自覚ですかぃ!?」


「(-ω- ?)んっ?」


「我らに数ある武器を並べた時に何を取ってくれ!って我らに言ってたんです?

それで良いのでは?」


「(;゜д゜)アッ…」


( ゜∀゜)・∵ブハッ!

( ^∀^)アハハ/\/\/\( ^∀^)アハハ/\/\/\

( ^∀^)アハハ/\/\/\( ^∀^)アハハ/\/\/\


「笑うな!あれはそのままではないか!」


「だから先程よりそれで良いと言っているではないか!」


「ドノヴァン様!?バアル様!?」


「あまりにも安直過ぎると思うのですが…」


「言ってみよ!」


「何の捻りも無く…

ドノヴァン様の武器が暗黒龍の魔杖まじょうと不死龍のデスワンド

バアル様の武器が蝿王の魔剣と邪神ベルゼバビュートの魔剣です」

(*/∀\*)お恥ずかしい!


「それで良い♪正しく我らの扱う武器に相応しいではないか!

デセスペーロ・ブエノとて絶望を了解と言う名で、そのままではないか!和名は窮途末路きゅうとまつろであったか?これもそのままよ!

ワシは六魔公の武器と四天王の武器の二つ

バアルは六魔公の武器と参謀の武器の二つを魔王様より注文して頂いたそして…

フーバーよりその名で呼ばれ作られた武器達よ!

そのまま?そのままで良いではないか!

今更他の名では呼べぬわ!

その名!ありがたく頂くとしよう!バアルも良いな!」


「異論はございません、今より魔王様の魔槍と同じく人族にフーバーめの武器を心胆寒からしめてやりますぞ」


「フハハハハハハ♪その意気や良し!ワシも同じ気持ちぞ」


「喜んで頂けて良かったっすね♪親方!」


「誠…武器を作るだけが取り柄の私が武器に命名などと恥ずかしいわぃ!」


「でも…親方はドノヴァン様の杖なんて呼んだ事ぁ一度も無ぇですぜ!

既に無自覚で名付親に成ってるんでさぁ」


「フハハハハハハ!フーバーよ弟子にまで言われておるな!恥ずかしがるな!

逆にお前の武器に恥じぬ様にせねばな!

のぅバアルよ」


「はいドノヴァン様!責任重大です!

人族に魔工匠フーバーが武器をこさえる限り自分達に勝ち目は無いとまで悟らせてやりますよ」


「親方ぁ!我らの武器を絶賛して下さってますぜ!

今夜の酒は格別だぁ!お前らもっと飲むぞ!」


「ではドノヴァン様!バアル様!親方!我らは失礼しやす!」


「どいつもこいつもドノヴァン様もバアル様まで…

恥ずかしいにも程があるギルよ!付き合ってくれるか?」


「(-ω- ?)んっ?にしては顔はニヤ(・∀・)ニヤしておるな…

内心は嬉しいのであろう?素直に成れ!」

ギルベルトに肩を抱かれ連れ去られるフーバー


「今宵はいつになく酒が進むなバアルよ」


「ですなドノヴァン殿♪実に旨い」

二人でお互いつぎあった純米吟醸『魔王様』を呑み干す


「良い宴席であるな♪」


「我は敗戦の将ですがそれを忘れる程です」


「(=`ェ´=)フフフ失敗しても同じ誤ちを犯さない限りは良い!よくぞ生きて帰ったバアルよ!ワシは嬉しく思うぞ!まぁ飲め」


「ありがたく頂戴致します!ドノヴァン様も」


「おぅ!ありがとう!」

お互い注ぎ合って飲み干す二人

「旨い!」「旨い!」


「お二人さん♪盛り上がってますな」


「おお♪アシュリーにスタンファ!飲んでおるか?ワシらは今!フーバーめに我らが武器の名付親に成って貰い、その名に恥じぬ二人に成ろうぞと誓いあっておった所だ」


「アシュリー!君の武器に名はあるのかい?」ユラユラ

「聞いてませんわ!」ユラユラ


「では!聞いて参れ!弟子達に言わせれば数ある武器のどれを取ってくれとフーバーめは全ての武器に名前を付けて呼んでいたらしい、其方の武器にも名が付いている筈ぞ」


「何と!?聞きに行こうアシュリー!」ユラユラ

「はい!アナタ♪ドノヴァン様!バアル様!失礼致しますわ!」ユラユラ


「おぅ!行って来い!」


「フーバー殿ぉ!」「フーバー様ぁ♪」


「フハハハハハハ♪彼奴!更に照れおるぞ!」


「作った武器の全ての名を言い終わる頃にはかなり旨い酒になるでしょうな」


「然り!此度の宴席のメインの酒の肴は奴よ!フハハハハハハ」


「違いありませんな♪」


結局…

全ての武器の名の名付親はフーバーとなり各自その名に恥じぬ働きをすると注文して下さった魔王様への忠誠を誓うと共にその重積にその身を震わせる事となる

そしてフーバーの武器は人族に心胆寒からしめるのは言うまでもない

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