第73話 姫さまその後と調教終了
「姫さまぁ♡姫さまぁぁ♪我ら五指は淋しくて、お会いしたくて、でも会えなくて…
心身共に渇いてしまっていますぅ〜」
「馬鹿!アリアドーネ!お子さんが居るアナタが歳下のわたくしにそんなに甘えない!」
「だってぇ〜」
「ああん!もう!いい加減にしないと怒るわよ!貴女たちもです!」
五指のアリアドーネ、アエリアーナ、アイシリン、アルシアーナ、アストライアに抱きつかれ揉みくちゃにされる姫騎士アンナ
「姫さまぁ、お会いしとうございました」
(ノω・、)
「んもぅ!ジークまで」
「今!我々がすべき事は何だとお思いですの?」
「と?申しますと?」
「はぁ〜」
深いため息を付くアンナ…
「周りはレア素材だらけでしてよ」
「上位魔獣の骸!」
「そぅ!セイラ様はもうキョウイチロウ様に何も言われ無くても動いてましてよ!
我らだけです!こんなノンビリしているのは!」
「…」
「五指!ジーク!!セイラ様と合流して魔獣の解体を手伝って来なさい!」
「姫さまは?」
「セバス様と主人の帰りを待つ間!解体した魔獣を使った料理の準備をします!
さっさと行きなさい!
イツまでも部下を甘えさせノンビリしていたら帰って来た主人様を満足させられませんわ!」
「姫さまの御心のままに!」
「はぁ〜…
セバス様申し訳ありません…
黙ってお待ち頂き感謝に絶えません」
少し人見知りっぽいノウェルはセバスの横に引っ付いたままである
「フハハ!姫さまも気苦労が絶えませんな!」
「面目次第もありません」
「して?姫さまの進化は部分解放でしたな?」
「はい!ですが日本食伝道師は解放して頂いておりますわ!料理は可能です!」
「フハハ!流石は主人殿!」
「はい!セバス様!愛する主人がわたくしのお料理にて舌鼓を打つ姿を想像するのは女冥利に付きます!」
「ほほぅ…姫のお言葉とは思えませぬな」
「わたくし過去のパンが無ければお菓子を食べれば良いじゃない?と言った蒙昧無知な何処ぞの御息女とは違いますわ」
「フハハ♪流石は主人殿!人を見る目までも一流とは!
このセバス感服ですじゃ!」
「さぁさぁ!セバス様!
ジーク達が帰って来る前に準備をしますわよ!
出汁から作らないといけませんから食材が来てからでは遅いです急ぎましょう!」
「フハハ♪了解ですじゃ姫さま」
ここで説明しなくてはいけないだろう!
姫騎士アンナの部分解放進化についてだ!
セバスとルイーズは一日で完全三段階進化
セイラとラティも完全三段階進化
ノウェルは完全一段階進化
皆、全ての自己スキルが限界突破し
Lv1とは言えキョウイチロウの全てのスキルを行使可能な状態である
アンナは従者持ちで六倍進化…
条件を設けて第一段階の進化をしないと情報量の多さで魔王の叡智の書と同じ事が起こる
情報過多で脳が焼き切れるのだ
しかし…キョウイチロウは別物である
従者全ての過去を含む個人情報を入手して尚且つスキルも全て習得する事が出来ている
…(;・`д・´)チートが過ぎるぞキョウイチロウ…
現段階でほぼ無敵になりましたとさ
「フフフわたくしに♡この様な日が来るとは夢にも思っていませんでしたわ♪」
「フハハ♪姫さまは武芸と内政にご尽力され常に学びを忘れずに邁進して来ておりましたからなぁ
女子の喜びなど皆無でしたでしょうに」
「あら?まるで知っているかの様な口ぶりですわねセバス様」
「フハハ♪我とて一朝一夕に今の自分になった訳ではございません!
姫さまのステータスを見れば分かりますとも」
「フフフ誰しも始めは何も出来ず知りませんものね…なるほど
しかしそれにしてもですわ
キョウイチロウ様は別物ですわね」
「然り!主人様は全ての従者の情報とスキルをその手にしておりますれば、規格外と言う言葉すら足りませぬ!
事にあのルイーズが驚くほどですからな」
「はい…わたくしもお聞きして驚きを隠せませんでしたわ
何でも、お聞ききするとルイーズ様の夜のテキストを手にパラパラパラとめくっただけで全てご理解されたとか…
あり得ませんわ!規格外にも程があります」
「それだけではありませんぞ!
主人殿は翌日ルイーズに三倍の厚さの別冊を渡しましてのぅ」
「キョウイチロウ様は一晩で三倍の夜のテキストを作成したと!?」
「フム…しかもルイーズすら知らない玩具も多々あるとの事でノーマル編、中級編、上級編、アブノーマル編とありましての
あのルイーズですら初級止まり…
目をキラキラさせて、この歳になっても学びをお与え下さる主人様は神か?と連呼しながら読んでおり、いい加減にせよ!と申しても夜な夜な暇さえあれば足繁く主人殿の元に通って受講を続けておりますのじゃ」
「さながら夜のテキスト超級編と言ったところでしょうか?
わたくしなどルイーズ様の初級編で顔を真っ赤にして卒倒致しましたのに…
我が主人様は末恐ろしい方ですわね」
「然り!フハハ♪」
「セバス様、たいぶ煮詰まって来ましたわね」
「そうですな…そろそろ鶏油も完成ですな」
「これから高級魔獣の素材が届くのです♪腕が鳴りますわ」
「ですな♪主人殿の驚きと舌鼓…今考えただけでも年甲斐もなくワクワクが止まりませぬ♪
姫さまでは無いですがこの歳になってこの様な至福をお与え下さる主人殿はあらゆる面で見ても別格のお方…
お仕え出来てこのセバス光栄至極でございます」
「本当ですわ♪ただ料理を作り主人の帰りを待てるだけでこれほど幸せなのですね」
「然り!」
その頃解体現場では
ズバンッ
スパッ
ザクザクスー
「セイラ殿ぉ!手伝いに参りましたぁー
何と!?既にここまでとは」
振り返るセイラ…
「セイラ殿!?血だらけではありませんか!?」
「あぁジーク様…
数が数だけに少々手間取っていますわ」
「いやいや!セイラ殿それにしても鮮やかな手際ですな!」
「取り敢えず内蔵とブロック肉に分けてありますので内蔵は内蔵で食べますので同じアイテム袋に
肉は各部位事に分けてアイテム袋に入れて下さい
捨てる部位は分かりますか?
それもそれぞれ分けてアイテム袋に入れて下さい」
「我らも解体のお手伝いを致しますぞ」
「膀胱や臭腺に傷を付けずにバラせますの?
血抜きの方法はご存じですの?
そして本当に解体出来ますの?
道具は?
ジーク様達なら…解体用のノコギリも必要ですわよ!
わたくしにはコレがありますので不要ですが」
「それは…」
「アナタ方、男達は狩って来るだけで解体は解体屋任せてでしょうに、料理すると言っても焼くだけ、火の通し方もあったものではありませんわ
キョウイチロウ様はグルメでらっしゃるのよ
血抜きをしっかりとしないと獣臭いですし、種類によっては解体の方法も異なりますわ
解体出来る刃物はお待ちですの?
切り口が乱雑では血抜きもままなりませんわよ」
キラーン( ✧Д✧)
煌めく二種類の包丁を両手に熱く語るセイラ
「うっ…我ら選別してアイテム袋に入れる作業をさせて頂きます、もしお時間がありましたらでよろしいので解体を教えて頂ければと」
「それで結構ですわ、あと五指!」
「はい!セイラ様!」
「血の匂いで寄ってくる魔獣を片付けて頂いてよろしくて?」
「はい!かしこまりました!」
「それと…来るであろう魔獣をずっと待ち続けるなどと無駄な事はするとは思いませんが…」
「はい!セイラ様!仕分け作業を行いつつ魔獣が来ましたら討伐いたします!」
「分かっている様ですわね
無駄は極力省く!
当たり前の事が当たり前の様に出来る方々で安心致しました
流石はキョウイチロウ様が従者にしただけはありますわね…
あぁキョウイチロウ様♡セイラ頑張ります…
お早いお帰りをお待ちしておりますわ」
ズバンッ
スー
喋りながらも手を止めないセイラ…
瞬く間に一頭の魔獣が解体される
「ジーク様…手が止まっていますわよ、見に来ましたの?手伝いに来てくださったの?」
「( ゜д゜)ハッ!セイラ殿の手際に見惚れていました!失礼!」
慌てて分別作業に入るジークフリート
それを解体しながら遠巻きに見るセイラ
「フフフ流石ですねジーク様…
魔獣が変わっても部位の分別を間違わないとは、ただの騎士様では無いようですね」
「ジーク様」
「何だ五指?」
「あのお方は本当に鋼鉄の処女のセイラ様ですか?以前お会いした時は( ・-・ )スン
まるで無表情でつまらなそうにしていたあのお方と同一人物なのでしょうか?
何と言うか表情が豊かで美しさも数段お増しになられた様に見受けられます」
「そうだ!あのセイラ殿だ!使えるべき主人を見つけ愛すべき主人を持った事により鋼鉄の処女は一人の主人を愛する乙女となったのだ!!」
「な!?人はそんなに簡単には変わりません!」
「変わったのだ…
いや、キョウイチロウ殿が変えたと言った方が正しいか」
「そんな事があるのですね…我らが主人キョウイチロウ様は…
その様なお方なのですね、私達も変われますでしょうか?」
「否応無くしてキョウイチロウ殿に惚れ込むであろうな…
しかしキョウイチロウ殿は従者が傷付く事を極端なまでに嫌うお方故
間違っても、この命に変えましても、などと言うでは無いぞ!」
「はっ!心得ました!」
「フフフ♪」
「どうされたセイラ殿」
「ジーク様は本当に変わったお方ですわ」
「何がだ?」
「洗濯場で話しをしながらも手は動かして作業をするという主婦でしたら
ながら作業は出来て当たり前ですが騎士様であるジーク様が、ながら作業をなされるなんて
ウフフわたくしおかしくってアハハハハ」
「なっ!?セイラ殿!そこまで笑う程の事か!?」
「だってそうではありませんか主婦である五指と共に騎士ジーク様が仕分け作業をしながら話し込んでますのよアッハハハハ」
「酷い言われ様だな、俺とて家事くらいするぞ!」
「本当にございますか!」
「お前たち五指まで…」
「ではジーク様はどの様に家事をなさるのですか?」
「おぅ!嫁は男子厨房に入るべからずと言って台所には立たせてくれん!」
「(。=`ω´=)ぇ?ではどの様にして料理をされるのでしょう?」
「(=`ェ´=)フフフ其方達は聞いた事が無いのか?騎士のソーセージと騎士のハムを」
「な!?あの王都で有名でイツも品切れの!?あの加工肉の事を言ってますの!?」
「そうだ!アレは我ら騎士団の主夫で作った物よ!」
「何と!?驚きですわ」
「料理長にかなりしごかれたがな、今や立派な主夫ぞ!」
「…と、ながら作業をしている間に最後の一頭ですわね」
「おぉ!では解体を教えて頂けると言う事ですな!」
「フフフ♪まかさジーク様がここまでの手際とは思いませんでしたので思いの外、早く終われそうですので良いですわよ」
「よろしくお願いします!セイラ先生!」
「フフフわたくしが初めてキョウイチロウ様から日本食のなんたるかをご教授された時を思い出しましたわフフフ♪」
「ほほぅその話しは別の機会に聞くとしよう…
しかし今回は解体が先ぞ!頼みますセイラ殿」
「はい!先ずはお腹を開きます
ここで気を付けなくてはいけないのが?ジーク君!
分かりますか?」
「はい!先生!臭腺と膀胱です!」
「ジーク様!?」
「黙れ五指!セイラ先生の講義中であるぞ!
貴様らも覚えてセイラ殿のお力になるのだ!」
「はっはい!」
「正解です!他に気を付け無くてはいけない事は?」
「はい先生!種族によっては毒袋や火焔袋がある物も居ますのでその辺りも適切な処置が必要かと!」
「正解です!今回はヤギ系魔獣の様ですのでその辺りは無いと思いますので続けます
この後ろ足の付け根の恥骨に当たる部分を先にバラします」
「ほほぅ」
「すると魚の開きの様に成り、内蔵が取り出し安くなります」
「ほぅほぅもっと詳しくお願いします先生」
「内蔵ですがキョウイチロウ様の世界では捨てずに食べる様です」
「ほほぅ腸詰にするのですかな?」
「いえ、普通に食べます」
「はぁ!?」
「わたくしも初めは驚きましたわ
ですがキョウイチロウ様は流水で丁寧に手揉み洗いをして、一瞬だけ湯通しして、ここは本当に一瞬です!くぐらすだけです!その後塩ダレに漬けにした物を焼いて食べるだけです、取り敢えず内蔵も美味しく頂きます♪以前本場のキョウイチロウ様の世界の牛の脂身の甘みといったら
( ̄¬ ̄)ジュルもう戻れません!
それに近づける為に今の解体があるのです!」
「何と!?その様な食べ方があるのですか!?
イツもの食いしん坊なセイラ殿も見れて少し嬉しくなって来ましたぞ!続けて下され!」
「各種部位の名称はコチラの図にて覚えて下さい!」
「何と!?肉だけでこんなに沢山の部位があるのか!?」
「わたくしも肉なんて大体同じでしょ?
と思っていましたがキョウイチロウ様と出会ってその認識は変わりました!
全て部位での味の違い、固さによる調理法の違いをキョウイチロウ様に叩き込まれました!
手間を掛ければ掛ける程に美味しくなるのです!
固かった肉は唇で噛み切れる程にホロホロに柔らかくなり!染み込む旨みと引き出される旨み!
キョウイチロウ様の料理は神!!!!
最早…わたくしキョウイチロウ様無しには生きていけませんわ」
「それ程とは!?」
「各種部位の切り分け方はいずれ覚えて頂くとして…
今日はこれくらいにして、魔獣避けのフレグランスを撒いて帰りましょう!
セバス様とアンナ様とノウェルが首を長くしてわたくし達の持って帰る食材を待っている筈です!」
「あのぉセイラ様」
「んもぅ、帰ると言ってますのに!何ですの?」
「すみません…武器や防具に使えそうなレア素材は放置でしょうか?」
「(;゜д゜)アッ…」
「 ( ゜∀゜)・∵ブハッ!
( ^∀^)アハハ/\/\/\
流石食いしん坊のセイラ殿よ!
アハハハハ♪」
「回収して行きましょう…」
顔を真っ赤にして照れるセイラ
『セイラ殿もこの様な顔が出来るのだな…
あらゆる面でもキョウイチロウ殿はセイラ殿を変えられた…
初めて聞くセイラ殿の笑い声…
魔族の脅威に怯えて暮らす我らにとって人々の笑顔は何物にも変え難く尊いものだ…
数多の戦場を渡り歩き清らかで明るかった筈のセイラ殿はダークエルフとなり、王城に来たら身体を舐め回す様に見てくる下衆な男達ばかりに言い寄られ辟易しながらそのお心を閉ざされてしまった…
それがどうだ!このセイラ殿の喜怒哀楽、荒みきったこの世界に一筋の光りを見ている様だ…』
「どうしましたジーク様?」
「いや何…別に何でもない行こうか」
「いや…ジーク様…ちょっと待って下さい!
レア素材の回収が未だです…って言うか感慨深げに我が子の成長を見る親の様な目線でセイラ様を見てないで手伝って下さい!
それにセイラ様の方が年上でしてよ!」
( ✧Д✧) キラーン
慌てて年齢の事を話してしまったと目を逸らし作業に没頭する五指
「おぉスマンスマン!今手伝う!」
って言うかアイテム袋、多くねぇか?と思っている人も居るでしょう
ここでこの異世界のアイテム袋について説明しよう
この異世界のアイテム袋とは魔法を付与した袋の事である
そのアイテム袋は二種類に分けられる時間経過のある物と無い物だ、それは掛けられた魔法の種類により異なった性質の袋となるのだ
種類、内容量の違いによって製作に掛かる時間も手間も変わり値段も変わってくる
以前、魔王討伐に行く際には兵站部隊が一括してアイテム袋に入れて持っていたが…
その部隊を魔王軍に狙い撃ちにされた事がある
勿論魔王討伐は失敗、討伐部隊は兵站(軍需品・食糧・馬などの供給・補充や、後方連絡線の確保)を絶たれただけでなく強奪された事があるのだ
それからと言うものアイテム袋は個人持ちになりロック機能が当たり前とされ各々二日分の食料を持ち歩く様になった
新人兵士は初任給の三ヶ月分で買える1番安いアイテム袋を購入するのが騎士の習わしになっている
更に班長は班の人数分で二日分
隊長は隊全員分で二日分と上に成れば成る程大容量のアイテム袋を所持し分隊長からは軍支給のアイテム袋となり通常より上司は兵站を部下より余分に持ち歩く
強奪されてからと言うもの分散所持が当たり前になりアイテム袋は爆発的に普及が広まった
さらに大容量アイテム袋が無くてもで多数持ちが可能なアイテム袋もあるアイテム袋の中にアイテム袋を入れられる特殊袋が存在するのだ
アイテム袋はロックがかけられる仕組みになっていて、所持者が亡くなった場合支給品が出せる様に上司がマスターキーを所持する
さらに横流しすると直ぐにバレる仕組みも構築されている
それは王都内への軍兵站物資の持ち込みが制限されていて支給された物資は返却しないと王都内に戻る事は出来ない
王都外で横流ししたら返却出来ないので王都に入る事は出来ないのだ王都以外の街に入る時も同様である
以上の事を踏まえてこの異世界ではアイテム袋は所持するのが当たり前となっている
今回はアンナの大容量特殊アイテム袋とセイラ、セバスのアイテム袋により分けて部位事に肉を入れている
「姫さまぁ♪只今戻りましてございまする」
「あらジーク?早かったですわね」
「セイラ殿の手際の良さと言ったら狩猟と解体を
生業としている専門職の様でしたぞ!」
「あら?当たり前でしてよ」
「はぁ!?貴方!覚えてませんの?キョウイチロウ様の職種ですわ!
従者はレベルは低くとも主人の能力も引き続きますわ」
「嗚呼それならば合点がいく!かの御仁は狩猟の職種持ちでしたな!
解体などお手のものと言う事か」
「…猟友会ですわよ
もう忘れましたの?ジーク…既に認知症が始まりましたか?」
「んな!?まだ全然!俺はコチラに来たキョウイチロウ殿より若いですから!認知症などになる歳ではありませんぞ!」
「あら?それなら良ろしくてよ」
「くっ!」
「ではセイラ様、持って来たお肉を全部出して下さる」
「姫さま!わたくしに様付けなどは不要でございます!
今まで通りセイラとお呼びくださいませ」
「…でも貴女は主人様の第一の従者です敬意を」
「駄目です」
「そんなぁ
せめてセイラさんと呼ばせて頂きますわ」
「ジーク様からも何か仰ってあげて下さいまし…
王城から逃げる時に付いて来てからずっとあの様な調子ですのよ
それに厳密言えばキョウイチロウ様と初めて主従関係を結んだのはラフティーナの方が先ですわ…
わたくしは王命で従者としてキョウイチロウ様の元に居ただけですわ
今は違いますけどね♡キョウイチロウ様…
早く戻って来て下さいまし♪」
「フフフ」
「ジーク様ぁ何がおかしくていらっしゃいますの!」
「いや、なに、アレだセイラ殿の事を笑ったのではありません
陽気になられたセイラ殿と明るく笑う姫さま…
俺は今!猛烈に感動しています!
キョウイチロウ殿の偉大さは推して測れるものではない!
姫さまの迷いは晴れたのであると認識いたしました!
城であの様な歳相応の娘の様に笑顔で笑う姫さまを見た事が無くてな…
常に切羽詰まったお顔をされておられた
姫さまもセイラ殿と同じく好きな人と出会い幸せを手にしたのだなと思っただけの事よ」
「なぁにが、だけの事よ、よ!お爺ちゃんでもあるまいし感慨深げに語ってるんじゃありませんわよ!
今後からジークお爺ちゃんと呼びますわよ」
「姫さま!それは!ご勘弁願いたい!」
ウフフ♪
アハハハハ♪
「ジーク様もですわよ♪」
「五指!?」
「貴方様も今まで私達が見た事も無い笑顔でしてよ♪
この和気藹々とした感じ♪
本当に此処は凶悪魔獣の群生帯ですの?」
ウフフ♪
( ^∀^)アハハ/\/\/\
現実逃避ではない本当の笑い声がこだました
「…」
「…」
肉を見詰めるアンナとセバス…
「セバス様…どう思われますか?」
「このまま血抜きを完璧にすれば…あるいは…」
「ですわよね?ここまで完璧なブロック分けされたお肉は見た事がありませんわ」
「フハハ♪確かに姫さまは肉屋に行く事も無いでしょうからな…
しかし…いくら主人殿のスキルを頂いたとはいえ…流石セイラ殿と言う他ありますまい」
「セバス殿ぉ!少しお願いがございます!」
「おぉジーク殿、何ですかな?」
「今からそのブロック肉を一口サイズに切り分けるのですよね?」
「はい!しかし捌いて直ぐは…その何と申し上げましょうか、あまり美味しく無いのです」
「何と!?誠ですかな!?」
「はい!主人様のスキルを得て分かった事なのですが肉はある程度寝かせないと美味しくはならない様でして」
「ほほぅ興味深い、しかし筋取りや整形はするのでしょう?
その際に出る歯切れを頂きたく!」
「ジーク!アレを作るのですね!」
「はい!姫さま!つきましては腸詰ソーセージを作る為の腸も頂きたく!」
「分かりましたわ!セバス殿!取り敢えずセイラさんが切り分けたブロック肉を食肉用に切り分けましょう!」
「わたくしもお手伝いしますわ」
( ✧Д✧) キラーン
「おぉセイラ殿!其方が加わればあっという間に終わりましょうぞ!」
斯くして、ながら作業のプロ達による食肉処理と加工肉の作成が始まった
「して姫さま王城からキョウイチロウ殿に付いて行ってからの経緯をご説明願えますか?」
刻み刻み
「はい!わたくしアクセラレーターとブーストだけは寝る間を惜しんで元のレベルにもどしましてよ!
ですから進化したセイラさんにも何とか付いていけましたの、セイラさん一人で他の従者を伴わない状態でしたので、それはそれは速かったですわ」
スパスパ
「セバス様のご指示では魔族領に逃げ込むのは計画の範囲内だったと言う事で少し驚きましたが、わたくしも何とか付いて行けましたの」
ザク切りザク切り
「いやはや、まさか主人殿を連れ立っているとは言えセイラに付いて行けるとは思ってもみませんでしたぞ姫さま」
スライス、スライス、
「ウフフ♪キョウイチロウ様と共に在りたいと心から願った結果ですわ♡」
筋取り、筋取り
「その後我らが合流した時に姫さまは…
その…
まるで…
何と申し上げれば…」
スライス、スライス
(*/∀\*)イヤン
「まるで押しかけ女房の様な状態でして」
スライス、スライス
「言わないで!」(*/∀\*)
筋取り、整形
「9歳児に早く早く貴方様の物にして下さいましと迫っておいででした」
スライス、スライス
「あぁぁぁ」(*/∀\*)
整形、整形
「姫さま…」
腸洗いシゴキシゴキ
「ジークまでそんな目で」(*/□\*)見ないで
整形、整形
「致し方あるまい、姫さまは武術の稽古と国政のあり様についての英才教育をして来られたお方故に…その手の…
その…
何と申しましょうか…
羞恥心的な方面に無頓着な様でして
( ̄▽ ̄;)
以前ラフティーナ殿とセイラ殿が無理矢理キョウイチロウ殿に麻痺をかけて女湯に連れ込もうとする場面に遭遇した事がありまして…
俺はその時二人の気迫に押されてキョウイチロウ殿を男湯に連れて行く事が出来ませなんだ…
最終的には姫さまと遭遇して王族専用風呂に…
その…」
腸洗いモミモミ
「ジーク殿!みなまで言わなくてもよろしいですぞ
!
私がその場に居ても諦めたでしょう」
スライス、スライス
「セバス殿…」
挽き肉挽き挽き
暑苦しい血だらけの手での握手を交わす二人
「…」
「…」
「別に普通にお風呂ですから身体を洗って湯船に浸かって雑談を交わしただけですわよねセイラさん」
切り分け、切り分け
「そうですわよねぇーー姫さまぁ♪」
摘み摘み取り取り
「なっ!?姫さま!王族の姫君が幼子の容姿と言えど中身のキョウイチロウ殿は42歳ですぞ!乙女が柔肌を晒すなどとんでもない!」
「まったくジークはお堅いですわね…
でも…わたくし…
キョウイチロウ様にお会いしたその瞬間にビビビと身体に電撃が走る様な感覚を覚えまして…
今思えば…
あれが初恋だったのでしょう…
お顔を直視する事が出来ませんでした(*/∀\*)
あの時は主従の関係になるとは思いませんでしたが夫婦は想像して赤面してましたので裸を見られる事に抵抗はありませんでしたわ」
「姫さま!それは姫さまの妄想の中での夫婦の事であって実際に産まれたての姿を見せるのは間違っておりますぞ!!」
「なっ!?妄想などでは決してありませんわ!
何と説明したら良いのでしょうか…
こう…下腹部と申しましょうか…
赤ちゃんのお部屋辺りがキュンキュンしましたのよ!
多分アレはキョウイチロウ様のお子が欲しくて…
そう!排卵したのだと思います!」
(*/∀\*)(*/∀\*)
セバス、ジーク赤面
「おやめ下され姫さまコチラが恥ずかしくなりますれば」
「姫さまぁぁ!赤裸々が過ぎまするぅぅぅ」
「…何だか楽しそうですわね」
五指が手持ち無沙汰で指を咥えて見ている
「全く貴女たちと来たら!指示待ちもいい加減になさい!
ジーク!この子達をお願い!
旦那に美味しいソーセージを作れる様にしてあげて!」
ズダンッ!ズダンッ!
「リョー( ̄^ ̄)ゞかい
では!この挽き肉機に入るサイズに切り分けてくれるか?
誰でも良いから挽き上がった◯◯gの肉に塩胡椒を小さじで二杯だ!その後混ぜてくれ
残りは腸を洗う!頼むぞ!」
「はい!」×五指
「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜お前ら本当に主婦かぁ!?
そんなに長い間!混ぜていては人肌の体温で脂が溶けて仕舞うではないか!
粘り気が出るまで混ぜては駄目だ!
おい!そんなに荒々しく腸を洗っては破れて仕舞うではないか!
そんな風に無理矢理詰め込んでは腸が!」
「あっ…すみません…破れてしまいました」
「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜
(_・ω・)_バァン☆いい加減にしろよお前ら!」
「すみませんすみません!」
シュン…落ち込む五人
「ジーク!!!!」
ズダンッ!ズダンッ!
「はい!姫さま!何でしょう!」
「貴方!新人教育を担当した事は?」
ズダンッズダンッ
「姫さまもう少し優しく切って下され」
「あら?ごめんなさいセバス様…」
「もう何十年も前になりますね」
「はぁ〜
ジーク!貴方!料理長の元で何を学びましたの?
どうせ初めは頭ごなしに叱られたのでしょう?
でどうでしたの!?」
「いや…あの…その…」
「どうですの!」
ズダンッ!
「姫さまもう少し優しく…」
「ごめんなさいセバス様…」
「はい…確かに料理長、もう少し優しく教えてくれても良いのにと思っていました」
「でしたら何故!出来ませんの!
ジーク!!新人教育の基本を言いなさい!」
「はい!姫さま!やって見せて!やらせてみせて!言い聞かせる!です!!」
「足りませんわ!!」
「はっ!足りないそれをご教授願えますでしょうか!」
「我が第三軍では新人には、やって見せて!やらせてみせて!言い聞かせる!そして!出来たら褒めてやる!ですわ!
ただ叱るだけでは人は伸びません!
萎縮させてはその子の長所は伸びませんわ!
ジーク!貴方は!自分が叱られた時にもう少し優しくして欲しいと思っていたのにも関わらず!
新人に厳しく叱られたそのままを伝えますの!
貴方だって初めは出来なかった筈です!
出来る様になった者が!
何故こんな事も出来ないのだ!などと!
新人が出来る筈が無いでしょうに!」
「姫さまぁぁぁ」
「ジーク!!甘えた声を出すんじゃありませんわ!
貴方は!新人教育の基本すらなっていません!」
「姫さま!貴女様はハインデルになくてはならない存在!戻って来て下さい!」
「お馬鹿!」
「姫さまぁぁ」
「五月蝿い!馬鹿ジーク!私を連れ戻して甘えるつもりですか!わたくしは戻りませんわよ!
進化も部分進化ですし…
中途半端な進化ではなく他の皆さまの様に完全進化したいじゃありませんか」
「姫さまぁそこを何とかぁ」
「五指も十傑も戻しません!早く姫離れをして王国に戻りなさい!」
「姫さま♪私達は共に居てもよろしいので!」
「お馬鹿!貴女たちはわたくしが居ないだけでここまで腑抜けになるとは思いませんでしたわ!
鍛えて直しますから覚悟なさい!血反吐を吐いても続けますわよ!」
( ✧Д✧) キラーン
「姫さまの仰せのままに!」
その後二日半の間…キョウイチロウがルイーズのクローゼットから出て来るのを待つ事となる…
その頃クローゼットでは…
背もたれのない椅子に全裸に剥かれ座らされる三人…
「…もう…これ以上は…お許しくださいキョウイチロウ様…」
「キョウイチロウ様お許しを…」
「キョウイチロウ様もう二度と生意気な口など聞きません…お許しを」
あのビッチ共が満身創痍w
麻痺は解かれているが足にはラバー製の拘束具を付けられ動かせない
ヨジヨジ
リアンによじ登ろうとするキョウイチロウ
「リアン!何をしている!キョウイチロウ様を抱き上げて太ももに乗せぬか!」
シュコー
「あぁん♡かしこまりましたぁ♪ルイーズ様ぁ」
ブシャーーーーー
ビクンッビクンッ
「どうぞ、キョウイチロウ様我が膝へ」
あい向かいにリアンの太ももに座るキョウイチロウ…両足プランプラン
「あぁ♡吐息が胸にかかる程♡主人様が近くにぃ♪くすぐった気持ち良い♡」
「リアン!」
「はい!!!」
「キョウイチロウ様を力いっぱい抱きしめなさい!」
「なっ!?そんなの駄目に決まってます!こんな小さな主人様を!この私が力いっぱい抱き締めるなど!無理です!」
「ヤリなさい!」
シュコーシュコー
「ああん♡分かりましたルイーズ様…ですからそれ以上はぁ♪」
ブシャーーーーー
ビクンッビクンッ
「キョウイチロウ様…お許しを…
ごめんなさい!ごめんなさい!」
ギュッーーーー
『本当にこれでよろしいのですね主人様…』
「んっ!」
ギュッーーーーーーーー
その倍の力で抱き締め返すキョウイチロウ
「なっ!?」
『流石は主人様…
これならリアンとやらのトラウマも取り除けるかと…
しかし…その身のご負担は計り知れないですわよ』
リアンも始めからビッチであった訳では無い…
最愛の旦那を、気をやった時に締め殺してしまったのだ…
それからと言うもの男を断ちその身を鍛える事に没頭していたが十傑に声がかかる頃には…
人肌恋しさに男を取っ替え引っ換えのビッチに成っていたのだ
「あぁ♡この私が力いっぱい抱き締めても死なない男が9歳児なんて♡
この様なお方にお会い出来て私は何て幸せな女なのでしょう」
ギュッーーー
「んーーー」
ギュッーーーーーーーーー
強く強く抱き締められる痛みと満足感に気絶するリアン…
「ふぅ〜」
「主人様!大丈夫ですか!?」
「うん!大丈夫そう」
「まったく主人様ときたら…この様な事私は二度とごめんですわ」
「あぁ、ごめんごめんルイーズ、もうしないから、この子ももう大丈夫でしょ?」
「次はパンタですわね」
「うん!」
「あぁ…もぅ貴方様を主人とし従いますのでこれ以上はご勘弁を〜」
パンタ・ポンタは両親の愛を知らずに育った…
そのために人をどの様に愛したら良いか分かっていないパンタは愛に飢え愛を囁く男に騙され続けても愛を求め続けた
ポンタは男に騙され過ぎて人を信じる事が出来ないと言う二面性を持つ二重人格な女それがパンタ・ポンタである
「パンタはどうして欲しいの?」
「愛…されたいです…」
「どんな風に?」
「もしよろしければですけど…大好ゅきホールドされて囁いて欲しい…です」
「(-ω- ?)んーーそれは駄目…かな」
「何故ですか!?私の事がお嫌い…です…か?」
「ラティ!足の拘束具を外してあげて」
「はい!かしこまりました…」
「…」
「パンタ!」
「はい…」
「私を後ろから大好ゅきホールドして!」
「(。=`ω´=)ぇ?して…下さらないのですか?」
「うん♪パンタがポンタと一緒に!私に愛を囁くの!」
「そんなぁ!無理です…なんて囁けば良いのか分かりません…」
「取り敢えず、してっ!」
「はいご主人様…」
ギュッ
キョウイチロウの脇の下から手を回し抱き付く、足はキョウイチロウの太ももの上にのせて足を絡めるパンポン
「思い付く限りで良いよ好きな人への気持ちを怖がらずに伝えてご覧♪不器用でも良い♪自分の言葉で伝える努力を」
「はい………
分かりません…」
(T . T)
「うんうん分からないんだね、それは分かったよ、じゃあ今どんな気持ち?」
「幸せ…かもしれないです…ご主人様の…体温…温かい…ずっと…触れていたい…です……
好き?…なのかも…しれません」
「へぇーそうなんだぁー今まで自分の気持ちを相手に伝えた事は?」
「無い…です…分からない…から…色々な人に貰ったけど…騙されて…捨てられて…縋っても…煙たがられて…どうしたら良いか分からなくて…でも…愛されたくて…どうすれば良かったの?」
(;ω;)
「(-ω- ?)んーーパンタは欲張り!」
「(。=`ω´=)ぇ?どうして…ですか?」
「路傍の石ころみたいな軽い気持ちで愛を囁く男達の愛を真実の愛と勘違いして両手いっぱいに抱えても未だ抱えようとして溢れ落ちる石ころを下ばかり見詰めて拾い集めてて目の前にある真実の愛に気づけずにいるの…
前を向いてごらん…
誰が居る?」
「ご主人様…です…」
「その両手いっぱいの石ころを捨てて私一人を抱き締めて抱えられない?」
「出来そうです…私…何だか見つけられた気がします」
「大丈夫パンタが離さなければその手から私が溢れ落ちる事は無いよ」
「ポンタ!聞こえてる?」
「どうせ私に飽きたり無価値と判断したら捨てるんだろ?」
「何で?」
「だって今までの奴らは飽きると…」
「だったら私を飽きさせないでよ」
「どうやって?」
「自分で考えて!」
「簡単に愛を囁く男に付いて行って、しっかり探しもしないで毎回裏切られて本当に努力して探した?」
「…探して無い…かも」
「かも!じゃなくて探して無いの!」
「そんな事無い…」
「言い切れる?」
「…かも」
「…」
「ご主人様は私を捨てない?」
「捨てない」
「即答…軽い…」
「パンポンが私を好きでいてくれる間は捨てない」
「…好きでいる…ずっと…ずっと…ずっと…ずっと」
(T . T)
「じゃぁ捨てない!」
「ご主人様…離さない…路傍の石ころはもぅ要らない
ご主人様の愛だけで生きて行ける」
「うん私だけ愛して!不器用なんだから、そんなに沢山の愛に応えられる訳無いじゃん」
「私…不器用…1つで手一杯…」
「じゃあ離さないで!」
「うん離さない…好き…大好き…」
「パンポン〜」。゜(゜´Д`゜)゜。
「何故ステフが泣く?」
「だってぇ〜私もそれ欲しいです〜
私も1つで良いぃご主人様の愛が欲しいぃ」
。゜(゜´Д`゜)゜。
「ステフは…却下しようかな?」
「何でですかぁぁぁヤダぁぁぁぁぁ」
ステファニーは可愛い、言い寄る男は星の数程、男は選びたい放題で我儘にチヤホヤされてイツも数人の男前をはべらせ
不細工な女性を馬鹿にし不細工な男は自分と釣り合わないと卑下して来た
そして自分は勝ち組だと勘違いして来た
そのためかなじられる事も無く蔑まれる事なかったので…真正のドMに成長した
「だってステフは性格が不細工だもん」
「なっ!?私が不細工!?そんな事!一回も言われた事無いんですけど!」
「うわぁ〜どう思うパンポン?」
「ステフ…性格が…不細工…壊滅的に」
「パンポン?何気に酷くなぁい?お友達でしょ?」
「そうやってお友達ムーブで仲間を沢山作って自分がチヤホヤされるのが当たり前のお友達ばっかり」
「うわぁ超絶不細工!度し難い!苦手なタイプだわ!私には無理かなぁ…ステフだけ帰らそうかな…」
「そんな!こんなに可愛い子いませんよ〜」
「パンポン?どう思う?」
「自分が可愛いでしょ好きに成って当たり前でしょアピール激しい…と…思い…ます」
「正解!パンポン分かってるぅ〜」
(*゜▽ ゜*)パァー満面の笑顔のパンポン
「ご主人様に褒められた♡幸せ♪好ゅき♡」
「ズルですぅ〜!私も大好ゅきホールドしたいですわ〜」
「いや、ステフのはいいかな…」
「ご主人様は分かってる…」
「くっ!私の可愛いムーブが通用しないなんてあり得ないんですけど!目ん玉腐ってるんじゃないの!」
「不敬!」
シュコー
「ルイーズ様!?あぁん♪」
ブシャーーーーー
ビクンッビクンッ
『小声で主人様は私に仰った…
なじる、貶す、蔑む…傷つけると喜ぶ奴か…苦手だな
フフフ主人様らしいと言えばらしいですが…
正念場ですわよ夜のテキスト中級編、勉強させて頂きます』
「ステフは不敬で…性格不細工…ご主人様と釣り合わない…」
『ほほぅ他者を使って二人でなじるとは流石でございます主人様』
「パンポン分かって無い!私は不細工じゃない!」
「ルイーズ!」
「はい!どうされますか!?」
「ステフどっか遠くに捨てて来て」
「はっ!かしこまりました…」
『フフフ何ともまぁ捨てて来ても戻ってくるのを承知でその様な言葉を…
あぁぁ勉強になります主人様♪』
「待って!待って下さいまし!捨てないでぇ〜!!認めます!私は!性格不細工です!」
「ステフ不細工認めた…どうする?ご主人様?」
「100歩譲って保留、やっとスタート地点…
男はステフを輝かせる道具じゃない…
馬鹿は自覚しないと直らない」
「100歩譲って保留して頂いてありがとうございます誠心誠意ご主人様に使えてその命に従い…
私の虜にしてみます!!!!」
「頑張れー」棒読み
「キョウイチロウ様!心がこもって無いです!目が死んだ魚の目みたいです!
ちゃんと私を見て下さい!」
『ステフはこんな感じで良いかな…』
「ルイーズ!例の物を用意して!」
「はい!かしこまりました!」
「身体洗ったらそれ着て!」
「…」
「…」
「…」
「着ました」×3
「うん似合ってる♪」
「えぇーリアンがメイド服なんて似合ってる訳無いじゃーん!」
(o゜∀゜)=○)´3`)∴
「ラティ麻痺!ルイーズ!ステフ捨てて来て!」
「待って!待って下さい!顔はやめて下さい!それと捨てないでぇ!」
「沈黙は金!お前!此処で何を学んだ?ゼロか?脳みそ空っぽか?」
「すみません!すみません!すみません!捨てないで!ごめんなさい!ごめんなさい!」
『私のウルウル涙目アピールで落ちろ!』
「パンポン!リアン!ステフをどう思う!」
「性格不細工…心の声ダダ漏れ…」
「学びゼロの脳みそ空っぽかと」
「酷っ!」
「ステフが最初に似合って無いって酷い事を言ったのを棚に上げて自分が酷い扱いアピール?
ステフ馬鹿なの?
人を先に傷つけておいて自分だけ酷くないアピール?
最悪な性格不細工だなマジで捨てるか?」
「待って!待って下さい!捨てないでぇ〜」
『この手の輩は自尊心を粉微塵に砕かないと無理だな…他の二人より時間が掛かりそうだな…面倒くせぇ』
『この筋肉お化けの私のメイド服姿をご主人様が似合ってる、そう言って貰えただけでステフの言葉が気にならないなんて不思議だ…
私のパワーな愛を真っ向から倍返しして来る男なんてもう二度と現れない!一生使えよう!このお方なら尽くせる二度と離さない』
『ご主人様に似合ってるって言われ…た…嬉しい♡このお方なら…』
『何でよぅ!何で落ちないのぉ?
こんなにステフは可愛いのにぃ〜!
絶対振り向かせるんだから!
絶対なんだからぁ!
それになんですか?酷い事を言われてるのに嬉しいだなんて此処で変態にされてしまったの?』
三者三様…
いや…
四者四様?の愛の形が生まれた
ルイーズのクローゼットが開く
「!?帰って来ましたわ!少し思ってたより早かったですわね…リアン!?パンポン!?ステフ!?貴方達!?その格好は!?なんですの!?」
「姫さまには誠に申し訳なく!この度私達三人はキョウイチロウ様を主人と仰ぎ使えさせて頂く事になりました!
姫さまには長い間お世話になりました!ありがとうございました!」
「リアン!?貴女!?まるで淑女の様♪素敵ですわ!そのメイド服も似合ってますわよ!」
「あぁ〜♪姫さま貴女様もご主人様と同じ事を言って下さいますのね嬉しい」(ノω・、)
「んもう!泣かないでリアン!貴女は貴女の幸せを見つけたのですね!辛い調教でしたでしょう?良く耐えましたわね」
「いえ!ご主人様からはひたすら愛を注いで頂き一人の男性を愛し愛される幸せ知りましたので辛くはありませんでした至福の二日半でございました!」
「まぁ何をされたの?」
「姫さまには内緒です(๑・ω-)テヘペロ」
「まぁ♪可愛く成って♪本当に素敵ですわよリアン!」
「ありがとうございます」
「…誰?何処の平行世界から来たリアン?」
「ジーク!!」
(o゜∀゜)=○)´3`)∴
「グハァ…」
(っ゜∀゜)≡⊃)∀゜)∵
ゴバァ_:(´¬`」 ∠):_ピクピク
「三人共!同じ主人に使える者と成った訳ですわね!」
「いえ未だ見習いですので主従の契約は私達の働き次第となります」
"(ノ*>∀<)ノ♪(*/∀\*)キャッキャ!ウフフ!
ジークは血反吐を吐き地面に突っ伏す状態で放置される
「あの…皆さん?ジークさんが…治療を要する状態では?」
「あぁ無配慮なジーク様ですか?放置で」
「デリカシー無しのジーク様ですか?放置で」
「あぁあの無神経なジーク様ですか?知りません」
皆口々にジークを非難してキャッキャウフフは暫く続き
ジークは誰の賛同も得られず失意の元に気を失った後も回復魔法は掛けて貰えず自分のしでかした失言に深く反省する事となる
そして…
ポツーーーン
遅れた七人の十傑は目的地にすら辿り付けず取り残され…
賑やかな声や笑い声は凶悪魔獣群生帯で聞こえるが目の前の魔獣の気配に魔王領に入れずに三日目の朝にやっと気付いてもらえる事となる