第69話 ラフティーナの曽々祖父母
ルイーズとセバスチャン
ラフティーナの曽々祖父母
今回?何故?即キョウイチロウの従者に?
それはラフティーナからの連絡による物である
「ラフティーナからお手紙が届きましたわ」
「手紙には何と?」
「はい…あの子曰く、お屋敷付きのシルキーから実体を持って主人付きのシルキーに成ったと…」
「あり得えぬ!シルキーが人に付くなどと聞いた事がない!」
「ですわよね…
でも、ラフティーナのお手紙には…
主人付きのシルキーに成ってから
現段階で既に三段階の進化を果たしているとも」
「それこそ意味が分からぬな!」
「ですわよね…
実体を持った事により主人の寿命と同調してしまい…
主人の命が尽きると繋がりが絶たれ、自らも後を追うと、実際にその命は消えかかり風前の灯のラフティーナを進化させて生きながらえさせたとも書かれていますわ」
「何と!?我らシルキーに寿命が発生して主人と共に逝けると!?素晴らしい♪」
「そうですね…主人が居ないお屋敷が…引き継がれる度に繋がりが薄くなり何は消える運命の私たちシルキーが自ら主人を選び、共に逝けるなど夢の様な話しです、にわかには信じられないですわ」
「だな…今の主人は…」
「お屋敷の主人が不動産屋に引き継がれ新たな主人待ちの私たちにとって又と無い機会ですわ」
「しかも!バトラーの掃除屋としての仕事もあるのだろう?…(=`ェ´=)フフフ…腕が成るな」
「アナタ♡コレは運命ですわ」
「だな♪」
「お屋敷以外にも主人の傍なら付いていける…
と言うかアナタの言う別件でもお役に立てそうですわね」
ハラリ!スカートを軽く捲り
太ももに付けた投げナイフを四本、手に取るルイーズ
ベアクローの様に五本の指に挟み構える
煌めくナイフ!
「フハハ♪張り切っておるな!」
「ウフフ♪勿論ですわ♪
ラフティーナとは年季が違いますのよ!
私は料理だけではありませんわ!
アナタには遠く及びませんが、まだまだいける自信しかありませんわ!」
「ウハハ♪頼もしい限り!」
「ウフフ♪実体持ちになれば♡夜の方も…」
「ルイーズ!ワシはそれは遠慮しておくぞぃ」
「あら?残念ですわね…」
「進化するとどう成ると書かれておる?」
「はい…第一段階では…
私は幼女になるみたいですわ!?」
「となると…ワシは幼児か!?」
「居た堪れませんわ!」
「居た堪れんのぅ!」
「だってそうじゃありませんか!ラフティーナは成人するまでの進化を終えたと書かれていますわ!」
「…( ̄▽ ̄;)玄孫より若く成るとか無いわぁ〜」
「曽々お婆様♪行きますわよ…
なんて!抱き上げられるとか…」
「確かに!曽々お爺様♪そろそろ眠たく成って来ましたか〜?お眠の時間ですよ〜♪とか言って寝つかせられるとか…無いわ〜」
「(*/∀\*)どんな羞恥プレイですの!?」
「我らはそれをご褒美とは捉えられぬ」
…(;・`д・´)
「しかもですよ!アナタ!二段階進化しても17歳ですよ!どんな罰ゲームですか!」
(y゜ロ゜)y
「だのぉ…17歳に進化してもお爺さん口調とか恥ずかしくて考えただけで怖気が走るゎ!」
「でも選択肢は一択でよろしいですわよね?」
「無論じゃ!一択よ!一択しかあるまいて!
共にかの御仁の従者に成ろうぞ!ルイーズ!
かの者が初めてスキルを行使した時より来訪を心待ちにしておったのだ!
ラフティーナの元に現れたのは我らが運命!
我らの心は既に主人に奪われておる♪」
「こんなに胸踊る日が来るなんて無駄に長生きはしてみる者ですわね♪」
「馬鹿を言うな!冗談も休み休みにせよルイーズ!
この日の為に生きながらえたのだ無駄などでは決して無いぞ!」
「うんうん…そうですわねアナタ♡」
そう言いながら…セバスにもたれかかるルイーズ
「ウム!待ち遠しいな!」
と二人でキョウイチロウの来訪を心待ちにしていたのだ
結果…
キョウイチロウの即従者に成る事態となった
光りに包まれるルイーズとセバスチャン
「主人様!」
「主人殿!」
「はい!」
「私たち!」
「我ら!」
「はい!」
「主人様と共にあらん事をココに誓う!」×2
「はい!よろしくお願いします!」
「幼女ルイーズですが早く次の進化が出来ます様に頑張りますのでよろしくお願い致しますわ」
「幼児セバス!主人の命に従います!」
「よろしくね!」ギュッ♪
「あぁ〜ん♡」
「はーーん♡」
「(;゜д゜)アッ…ごめんなさい今日の今日では未だ慣れないですよね」
「はぁ♡はぁ♡…大丈夫です…わ…」
「おーーー♡…大丈夫じゃ…」
「アナタぁ♡この様な日が来るとは…」
「ルイーズよ♡…この様な日が来るとは!」
「多分!進化条件は私と一緒の筈!コレをお召し上がり下さいませ」
「何ですの?食べれば?良いの?」
「何じゃ?」
モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"
チュドーーーーーン!
音声ガイダンス
「ルイーズ、セバスチャン、が人参とピーマンを克服、進化条件を満たしました進化します!」
「やっぱり!同じ条件でしたわね!旦那様!魔力隠蔽を!」
「あぁ〜ん♡」
「はーーーん♡」
「魔力隠蔽!!!!」
「駄目だよラフティーナ!そんな立て続けに進化させちゃ!会ったばっかりなんだよ!二人の負担とか負担とか負担とか考えてあげなきゃ!」
(`・д・)σ メッ
「ごめんなさい…」
「はぁはぁ♡大丈夫です主人様…」
「ふぅ♡ふぅ♡大丈夫です主人殿…」
光りの中から現れる三人…
「ラフティーナ!今日はこれ以上は(`・д・)σ メッだからね!」
「はぁぃ…旦那様ぁ…」
音声ガイダンス
「キョウイチロウの従者ルイーズとセバスチャンが進化条件を満たしました進化します」
(。=`ω´=)ぇ?
∑(゜Д゜;)
Σ(・ω・ノ)ノ
(。=`ω´=)ぇ?
三度チュドーーーーーン!!!
「まっ魔力隠蔽!!」
( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)( ̄O ̄;)セイラ、ラティ、ノウェル…
言葉にならない…
「多分…
初顔合わせだからキョウイチロウ様への邪数値が低いんでしょうね…」
一気に三段階進化!?
「最早、ご主人様は何でもアリ…」
「まさかの即戦力ですわね」
「アナタ♡こんなのあり得な〜い」
「ルイーズよ現実を直視するんだ〜」
白髪の二人は…
20歳の青年と女性に進化…
( ̄▽ ̄;)早すぎじゃね?
セイラ達の進化の苦労は?
ルイーズ&セバスチャンには
ナッシング!
光りの柱の中に三人の影が伸びる…
「我らキョウイチロウ様と共に♪」
「いつ如何なる時もお側に置いて下さいまし」
斯くして…運命に導かれし二人は共にキョウイチロウの従者となる
夕食はキョウイチロウとラフティーナが作り持参した数々に舌鼓を打ちながら夜はふけていった。
『夜になりラフティーナとセイラはかねてからのお願いをルイーズに相談に…』この話しは後日談になるかならないかは分かりません…
何せ夜のお話しなのでw
後日、王都No1不動産屋、長年お屋敷の管理をして来たハインデル不動産に最後の挨拶に赴くルイーズとセバス
「おぉ〜い♪ハインデルの!ワシじゃ」
「誰!?」
「ワシじゃよ!ワシ!」
「ワシワシ詐欺!?誰!?」
「じゃからセバスじゃ!」
「セバスチャン殿!?いやいやいや!誰!?」
「斯々然々」
「(;゜゜)マジかぁ…そんな事ってあるの?ってかお屋敷からシルキーって出れるの?」
「有るアル♪目の前の出来事を直視せよ」
「私たち斯々然々でお屋敷を出る事となりましたわ」
「誰!?」
「私ですルイーズですわ」
「はぁ!?ちょっと待って下さいね…」
眼鏡を拭き拭きする不動産屋は夢では無いかと現実を直視出来ない様子
「まぁ色々と世話になった!礼を言う!」
「そんな!私はセバスチャン殿とルイーズ殿には主人契約しただけでお屋敷の掃除全般をお任せしてしまって逆に申し訳なかったくらいです!
今までありがとうございました!」
「良いのだ!我らシルキーの本分は家を守る事なのだから」
「あのぉ〜セバス殿?
最近シルキーが軒並み異変をきたしてるのも同じ理由でしょうかね?」
「其方の考えで間違い無いかと思う」
「うへぇ…今後シルキー付き優良物件はどうなるのでしょうか?」
「王都のシルキーたちは我が主人が迎えに来てくれる事を日々願い過ごす事になろう」
「我ら不動産屋は如何がすれば?」
「そうさのぅ…今の主人や、坊や、お嬢様や、その屋敷にシルキーが満足しておれば或いは残ってくれるだろう」
「シルキー達のお気持ち次第と言う事ですな」
「そうなるか…
しかしお前さんは家主の居なくなるシルキー付きの物件の主人となり契約して我らシルキーを屋敷に止めて生かしておいてくれるだけではなく物件を紹介する時は人柄を良く見て連れて来てくれる親切で優しい男じゃ!信頼している主人待ちのシルキーも多い!
今回は玄孫の仲介もあって我らは出て行く事と相なったが他のシルキーは主人持ちが多い、我が主人が無理矢理引き離しにかかる事は無い筈じゃ」
「それを聞いて安心致しました」
「しかし我ら夫婦が従者に成ったのが…
いずれ話しは他のシルキー達に広まって連絡網が出来るであろう、王城に嘆願書付きの履歴書が届く様になるかもしれん」
「それはもう!シルキー達の幸せを望む私共としては異論はございません」
「急な話しでスマン!今まで世話になった」
「お気をつけてセバス殿!アナタ方夫婦に幸多からん事を」
「ありがとう」
セバスとルイーズが見えなくなるまで手を振って頭を下げる不動産屋
「アナタ…少し淋しくもありますわね」
「そうだな…彼奴は物件紹介に人を連れて来る度にお前のお茶とお前の作るお茶菓子を楽しみにしていて、お客さんに自慢のしまっくっていたからなぁ」
「年に数回くらいでしたら可能ですから作って送ってあげましょうかしら」
「おぉ♪彼奴も喜ぶであろう」
「…」
「どうした?ルイーズよ?」
「料理について1つだけ懸念がありまして」
「何じゃ?」
「昨日のお料理…どうでした?」
「おぉ!あれか!未だかつて食べた事の無い旨さの料理だったな…アレはラティが作ったのか?」
「いえ…ラフティーナのお手紙には自分の料理の不出来を嘆いていましたわ…
その部分だけ便箋が濡れた跡がありましたから」
「泣く程!?」
「キョウイチロウ様は今や日本食伝道師のスキル持ちに成られた料理の鉄人…
私が満足させられるか心配で心配で」
「(=`ェ´=)フフフ」
「アナタぁ!何がおかしいのです!私の思いは切実なんですのよ!
あの料理上手なラティが涙で手紙を濡らす程のお方を満足など、今から胃が痛いですわ!
笑うなんて酷い!」
「ルイーズよ…愛する主人を美味いと唸らせる料理を作ろうなどと思うのは何年ぶりか?」
「そんなの忘れてしまうくらい昔の話しですわ!それとアナタが笑う事とどんな関係があると言いますの!」
「(=`ェ´=)フフフそう!それじゃ!」
「だから何がですの?」
「我らは今!初心に帰っておるのだ!ここまで月日を重ね生きてきたのにも関わらずだ!シルキーとして産まれたあの日、遠く昔過ぎて、忘れてしまう程、あの頃は何も出来ず情けなさに打ちひしがれる日々だった!早く一人前になってお役に立つんだ!と志も高かった!
今はどうじゃ?我らは主人よりただ実体を貰っただけではなく主人の元で産まれ変わり、一からの学びを必要とされておるのだ…
この歳で一からぞ!ワシはワクワクして笑いが止まらん!」
「アナタ…♡
私一人ではその考えに至れず…
過去の実績に囚われ過ぎて必要以上に落ち込んでいたと思います…
アナタが私の旦那様で本当に良かった♡
私も心機一転ラフティーナから料理を教わる事から始めてみますわ!」
「その意気じゃルイーズ!共に精進しようぞ!」
「はい♪アナタぁ!」
「あまり主人を待たせてもいかん!
行くとしようか!」
晴れ晴れとした気持ちでキョウイチロウの元へ向かう二人であった