第64話 号外
「号外!号外!」
六魔公、第5席、第七軍、デモンズブラッド魔法師団団長のマーモン
デーモンロード、
彼の編成軍の広報室、室長のバードマンが団長を取材しそれを元に書いた記事が魔王領全域にばら撒かれる
副将で魔女のマレーフィ・ウィリアムが編集局長として目を通した
「マレーよ!此度の号外の一面だが…
魔界初の魔槍誕生の話しではなくて良かったのか?」
「はい♪裏面に載せてありますので問題無いかと、
団長のマーモン様は六魔公として魔槍のお披露目に参加してますし
四天王第一席のドノヴァン様と
参謀第一席のルドウィン様を
シリウスが取材して魔王様の思慮深さを事細かにお聞きしたところ
終始、魔槍ではなく魔王様を絶賛しておいでだったと聞き及んでいましたので一面にしましたわ」
「フム…お二方共…映像に残して毎日聞きたいとまで言っておったわ!」
「あらまぁ♪完全に崇拝なされてますわね」
「然り!此度の魔王様は別格よ!
今まで我らを一つに束ねた魔王様など一人として居らぬからなぁ」
「マーモン様まで魔王様推しですの?」
「推しも何も、上層部の誰しもが惚れてしまっておるわ!
そして魔王様は魔王領の種族を問わず老若男女にモテモテよ!
流石は魔王様!ウハハハハハ♪
お主は違うのか?」
「うーん…私は別にいいかな」
「誰ぞ気になって居る者でもおるのか?」
「強いて言えば…」
唇を尖らせ顎に右手人差し指を当てて考える仕草をするマレーフィ
「強いて言えば?」
「五番目と目される召喚勇者様かしらね」
( ̄¬ ̄)ジュル
「何にぃ!?人族ではないか!?」
「そそっ♪」
「そうそうでは無いわ!何故じゃ!」
「んー…
マーモン様は気になっている者と仰ったではありませんかぁ♪色恋では無くぅ〜
興味本位です♪」
「おっおぅ…
そう言う意味でなら…
ワシもあの魔王様が仕留め損なったと聞く、かの者が気にならないと言えば嘘になるが…」
「でしょう!私!会ってみたくてウズウズしてますわ!どんなお方なんでしょう?」
「中年のオッサンだったと聞くが…
それ以上は聞かされておらん」
「私ぃ♪四天王様に取材に行きたいですぅ♪
ダメなら会いに行っちゃうかもぉ〜」
「まぁ好きにすれば良い、お主はツノも羽も無いから人族に紛れても見分けは付くまいて」
「ですよね〜♪でも取材からが良いかなぁ〜♪あっちは私たちにとって…危険だから…」
「まぁ行く時はワシに声を掛けよ、火炙りにされてしまってからでは遅いからなウハハハハハ♪」
「ぷー!マーモン様はイジワルですぅ」
頬を膨らませて可愛く怒るマレーフィ
「ウハハハハハ♪
冗談が過ぎた!許せ!ウハハハハハ♪」
「いつもそぅやって笑って誤魔化すんですからぁ」
「そぅ拗ねるでないわ!取材のアポは取ってやるから」
「本当ですかぁ?やっったぁ〜♪日取りが決まったら教えて♪くぅ〜だ♪さい♪」
「楽しみにしておけ、その時はワシも同行しよう」
「流っ石♪マーモン様ぁ♪分かってるぅ〜
広報誌の二面は私が貰いますから一面はお願いしますわ」
「それで良い、流石に一面の見出しが召喚勇者では面白く無いからな!そこは任せよ!
一面は魔王様が人族の使者を死者にして送り返した件にしてドノヴァン殿に詳細を聞くとしよう」
「私と同じ日にでしょうか?」
「そそっ♪お前はついで♪」
「ぷー」
「で、物は相談だが…今からその五番目と目される召喚勇者を見に行こうと思うんだが、お前も来るか?」
「行く!行くぅ〜♪マーモン様のその軽いノリ♪大好きですわ」
「まっ待って下さい!上に報告も無しにその様な軽いノリで団長が出掛けるられては困ります!」
バードマンの長で広報室長のシリウスは慌てる
「時は金ナリ!」マーモン
「そそっ」マレーフィが同意する
「急いては事を仕損じる!」
行かせてなるものかとシリウス
「!?」
「!?」
「どうするよマレーフィ?」
「どうしましょうマーモン様?」
「バードマンのNo.2のカノープスを目付に連れて行くからOK頂戴♪」
「それじゃ!それでどうだ!」
「ぐぬぬぬぬ、今回だけですよ!」
「では!マレーフィよシリウスの気が変わらぬ内に行くぞぃ」
「はぁ〜ぃ♪」