表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/128

第63話 新たなる魔槍

「参謀諸君、六魔公、四天王、其方そなたに集まって貰ったのは他でもない!フーバーが我とドノヴァンのデモンズブラッドを使い新たな魔槍を完成させた!」


嗚呼おお!」

感嘆の声を上げる一同


「フーバー!入れ!」


「はっ!失礼致します!」


「して♪その箱の中にあるのか?♪あるのだな?♪」


「魔王様、ワクワクしておいでですな」


「当っったり前じゃ!勿体ぶらず、早う見せてみよ!」


「…」


「どうした?」


「まず先に、決めて頂きたき事がございます」


「おぉ焦らすなぁ♪フーバーよ!何じゃ?申してみよ!」


「魔槍の名でございます」


「名とな?お主が作ったのだお主が付ければ良かろう?決まってはおらぬのか?」


「頭には2つの名が降りて来ておりまする」


「ほほぅ、聞かせよ」


「しかし…懸念も1つ降りて来ておりますれば」


「フム、2つの良い報告と1つの悪い報告と言う訳か…良い!先ず悪い方からじゃ!人族なら良い方からと言うじゃろうが我らは魔族、悪い方から申せ!」


「はっ!魔王様専用の魔槍にと作りましたが、我ら魔工匠まこうしょう全ての片足が繋ぎに使われた結果!配下の者に褒美として渡せる代物になってしまいました!」


「我とドノヴァンのデモンズブラッドにプラス魔工匠たちの血肉が加わり万人向けの武器に成ったと?

フム( ;-`д´-)それだけか?」


「人族の手に渡れば魔槍はエスペランサ・ブエノと呼ばれる…事に」


ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ


「フハハハハハハ♪希望を!了解した!と言う意味か?確かに魔族を倒して得る事が出来た呪われていない魔槍、人族は希望を持つだろうな

魔槍は相当嫌がっておる様だが?

言葉を発した者から遠ざかろうと必死ではないか!

我も吐き気が止まらんわ!」

( ^∀^)アハハ/\/\/\

「部下に褒美として与えるもしくは下賜かししてその者が負ければ、敵の手に落ちると言う事か?」


「誠に申し訳無く」


「良い!ソレだけか?」


「東国に渡れば希願望槍きがんぼうそう


ガッタンガッタンガッタンガタガタガタガタガタ


「先ほどより魔槍が暴れておるな

フハッ!フハハハハハハ♪

うい奴じゃ♪」


「相当な嫌がりっぶりですな」


「良し!前置きは済んだな、面白かったぞ、フーバーよお前に降りて来たと言う名を言ってみよ」


「はっ!僭越ながら申し上げます!デセスペーロ・ブエノ!」


ガッタン♪ガタガタ♪


「魔槍は喜んでおるのか?益々愛奴♪」


「他は?」


「和名にございますれば、窮途末路きゅうとまつろ、彼の国の四字熟語にてございまする」


ガタガタガタガタガタガタガタ♪


「フハっ♪両方とも良い名では無いか!」


「では、魔王様!魔槍の名を呼んで下さい」


「分かった!デセスペーロ!(絶望)ブエノ!(了解)」


ピカっ!!!!!!!!


ドカーーン!雷が落ちた様な音と共に箱から飛び出して魔王の手に納まるデセスペーロ・ブエノ


『少し発音が違うのは異世界と言う事でご了承を、魔族が作った魔槍の誕生である』


「何と!?」


驚く一同!


「ドノヴァンの雷の権能か!?」


「然り!投擲とうてきしても雷の速さで敵を貫き、目標近辺を感電させて戻って参ります!」


「素晴らしい!しかも…この模様…フーバーよ良い仕事をする♪」


「光栄至極!」


「褒美は!お主とお主の弟子たちの献身に応え!足を元通りにしてやろう!更に励め!」


そう言うと魔王は自らの小指を噛み流れる血をデコピンの様に弾く仕草をして飛ばす!


ボコボコとフーバーと弟子たちの足の切り口の肉が暴れ出す!

みるみる足は再生


「我ら一同!今より魔王様のデモンズブラッドを頂いた眷属!更なる武器制作に励みまする!」


「次は六魔公のデモンズブラッドで武器を作れ!フーバー!我らの強化の為ぞ!作り続けよ!」


「ははぁ!承りました!心名にかえましても!」


「!?

フーバーに我らの特殊武器制作を下知してくださると!」


其方そなた達のデモンズブラッド次第よ」


「ありがたき幸せ!」


「フーバーよ!

こゝろせよ!

最終的にには我の配下全てのデモンズブラッドで我専用武器を作れ」


「その野望、必ずお応え出来るように精進いたしまする!」


此度こたびの魔槍制作!誠、見事であった!褒美が足だけでは我の気持ちが収まらぬ!欲しい鉱石をなんなりと申してみよ!」


「出来ますれば!不足している希少鉱石を頂ければ!」


「良い!協力は惜しまぬ!後でリスト作り持ってこい!」


「ははぁ!」


「それと、なんだ、アレだ…」


「はい?」


「そのぉ…デセスペーロだが…箱に入れて持ってくる意味あったか?」


「と?申しますと?」


「四散した…箱の残骸をアレだ…

メイド達に片付けさせても良いのか?

かなり細工が施された…

なんと言うか…

そぅ!

高級そうな箱だっただろ?」


「…」

俯くフーバー


「そこまでは考えて無かった…と…」


「メイド達よ!箱の残骸を処理せよ!」


「すみませんでした!コチラで片付けまする!おい!掃除道具を持って来い!」

弟子たちに声をかけるフーバー

カチャカチャ…テキパキ…


「魔王様!我らこれにて失礼いたしまする!」


「うむ、大義であった、今後も励め」


「ははぁ!」


フーバーたちが退室


「お前たち!」


「はっ魔王様!」


「デセスペーロ・ブエノを持ってみたい奴はおるか?」


「何と!?よろしいのですか!」


「良い、デセスペーロ・ブエノよ、皆の真ん中に行って来い」


パリパリパリパリ小さな稲光を放ち出すデセスペーロ・ブエノ

「(-ω- ?)んっ?嫌か?

だが行って我が配下を品定めして来い!」


パリパリ…ヒュン!


一瞬で謁見の間の中央に移動する魔槍デセスペーロ・ブエノ


「嗚呼!コレがフーバーの魔槍、俺のメガトンハンマー(炎)もフーバーの魔工匠製だが…我が手には小さいか?残念であるな」

落胆する巨人巨兵団団長

パリパリパリパリ又もデセスペーロ・ブエノの周りに小さな稲光が多数発生…

ドーン!雷が落ちる様な衝撃!


すると!?


「何と!?ギガンテスのサイズに巨大化しおった!重さ♪手触り♪伝わる心地よい負のオーラ♪」


ギョロギョロと目玉も大きくなり品定めするかの様に上から下まで舐め回す様に見るデセスペーロ・ブエノ


パリパリパリパリ…シュン


中央に戻るデセスペーロ・ブエノ


我が手を離れた事に名残り惜しそうに自分の手を見詰めるギガンテス


「魔王様!最高でした!」


「フム、フフフ♪デセスペーロ・ブエノよ巨人巨兵団団長に気に入られた様だがお主はどうじゃ?」


パリパリパリパリ


「気に入られた様だぞ」


「光栄至極」


「(-ω- ?)んっ?何故?かしこまる?」


「魔槍は魔王様とドノヴァン様のデモンズブラッドで作られてますので…魔王様に気に入って頂いた気持ちになりましたので、ありのままの気持ちを伝えただけです」


「フハハハハハハ♪そう捉えたか!そもそも我に気に入られておるのだから好かれて当然か!フハハハハハハ!くだらぬ事を聞いたな!フハハハハハハ」


「魔王様!そぅハッキリ申されてはコチラが恥ずかしくなりまする!」

照れるギガンテスw


「次は俺!」


「シルシャーナ!ズルぞ!」

とルードリヒ

「何?何か問題でも?」


パリパリ…シュン!


「(-ω- ?)んっ?喧嘩は嫌いの様だぞ!」


「そうでしょう、魔王様は常日頃から皆で共に人族を亡ぼそうと仰っています。

以前の我らは自分こそ最強と自負して他者を寄せ付けなかった…

そぅ…今の魔王様が現れるまでは…

私を品定めしてくれるのか?デセスペーロ・ブエノ?」


ルードリヒの父ルドウィンの横に移動して、早く我を掴めとばかりにドス黒い赤いオーラを放つデセスペーロ・ブエノ


「良いだろう!しかと品定めの程を!」

ガシッと引ったくる様に右隣りに来た魔槍を掴むルドウィン

そして目の前で止め、魔槍を見詰め…


掴んだまま手のひらを返し、腰を落とし左手を引き切先を正面に向けてポーズを決める

ユラユラと揺らめくドス黒い赤いオーラを放つ魔槍を持ちポーズを決めるルドウィンは様になる


「フム…槍も悪くない♪確かに手触り、重さのバランス、感じる負のオーラ、流石は魔王様のデモンズブラッドを使用しているだけはある…

フーバーめは良い仕事をしましたな」


その後、序列順に移動を繰り返したデセスペーロ・ブエノは皆の感嘆の声と、べた褒めに満足そうに魔王の手に戻るのであった


「魔王様!我ら六魔公は1人づつデモンズブラッドをフーバーに提供すればよろしいでしょうか!」


「馬っっっ鹿!もーー(者)ーーん!!!」

ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!!

皆、謁見の間が魔王の怒号で重力が倍以上に成った様な状況に耐えられず片膝を付く


「何を聞いておったか!!この馬鹿者が!」


「…」

一同俯き左膝を地面に付け、片膝を付き、右手は立てた右膝に膝置きに置くかの様に置き、左手は付いた左足の太ももの上、

魔王の一言一句を聞き逃すまいと平伏に近い姿勢を取らざるを得ない事に


魔槍の完成に歓喜していた謁見の間は一瞬にして凍りつき重たい空気が漂う…


「何故!我が怒っているか分かる者はおるか!!」


「…」


馬鹿者ばかもん!!!!」


「…」


「六魔公バッファロー六郎よ!」


「はっ!!!!」


「1人分だぁあ!?」


「…」


「だから序列六番なんだよ!貴様は!」


「…申し訳…ございま…せん…」


「お前だけでは無い!

他の者も我がどうせよと望んでいるか分かる者はおらんのか!」


「…」


「ぶち殺すぞ!テメェら!」


「魔王…様…その様な…圧力をかけられては…答えられる者も答えられ…ませ…ぬ…」



「ドノヴァンの言う事も然り!」


魔王は一旦、怒りの圧力を下げる…も…

デセスペーロ・ブエノはオーラを放ったまま…


その圧力に誰も身動きが取れない


「もぅ良いデセスペーロ!お前も怒りを収めよ!」

パリパリパリパリパリパリパリパリパリパリ

ドス黒い赤いオーラは小さく収めても稲光は収まる様子は無い…


「はぁ〜〜〜」

深いため息を付く魔王…


「貴様ら…トップダウンも大概にせぇよ…みなまで言わす気か?」


「はい!!!ご下知下さいませ!!!!」

一同俯き立膝付いたまま魔王の言葉を待つ


「はぁ〜」


「良く聞けよ六魔公と他の者よ

先ずは第一にフーバーの負担を考えよ

奴は短期間で、この魔槍を仕上げたが無理し過ぎよ

そして単体のデモンズブラッドで自分専用の武器を作ってどうするよ?

デセスペーロ・ブエノと同等の武器になるのか?

ならんだろうが!」


「…」


「此度の魔界初の魔槍誕生の件で号外が魔族領に配布されるのは必至、貴様らフーバーを過労死させる気か?」


「…」


「そしてよ

本題はここからよ、耳の穴かっぽじって良い聞けぃ!


我はフーバーに魔槍が完成した暁には六魔公全員のデモンズブラッドで各奴らに六つの武器を


四天王全員のデモンズブラッドで各奴らに四つの武器を


参謀全員のデモンズブラッドで四つの武器を各奴らにと既に発注しておるわ!!


更に!!

それでは専用武器にならないのでは?

と心の底で思っている馬鹿共に、付け加える!

ここで重要な事はデモンズブラッドの量よ!

自分専用の武器にすべく自分の武器制作の際は他者より多くデモンズブラッドを提供せよ!

さすれば、仲間の力の協力を得た自分専用武器が出来ようが?

そしてよ

重複して武器を得られる奴を嫉妬する馬鹿が居るなら、その地位まで登りやがれと言ってやるわ!

無能な六魔公も無能な参謀も無能な四天王も要らぬ

おらんと信じたいが…

この体たらく…

我は間違っておるか?

どうじゃ貴様ら?」


「魔王様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

全員号泣

魔王の思慮深さの深淵に触れる事の出来た配下全員が感動し

既に発注済みと聞き更に感動し

感涙にむせ

嗚咽おえつにすらならない声を上げる一同


「我ら一同、魔王様の怒りしかと理解致しました!」


「言わなきゃ分からんとは、理解が遅せぇよ」


「申し訳ございません!!!」


「まぁ分かれば良い…六郎…二度目は無いぞ、励め」


「ははぁ!」


「後は、先刻申した通りよ

貴様らのデモンズブラッド次第

片腕とまでは言わんが片手くらいは出す覚悟で臨め

コレ以上、我に聞くな!言わすな!自分で考えよ…

半身を提供する馬鹿はおらんと思うが…

まぁ言うまい」


「魔王様ぁぁぁぁぁ!!!!!!全部教えて下さりありがとうございます!!!!」


「(;゜д゜)アッ…そうなる?…なるか…?」

ユラユラパリパリ

「デセスペーロ・ブエノよ笑うな!配下を思っての失言よ」


「魔王様ぁぁ!私は一生涯!付いて行きまする!」

「私も!」

「俺もだ!」

一同口々に魔王への忠誠を誓う


「…暑苦しっ!」


「我ら魔王様になら何と言われ様とも付き従いまする!

例え暑苦しいと言われ様とも!!!!」


「恥ずかしい事をことも無げに言うな!」


「我らてらいもなく忠誠を捧げると誓いまする!」


「だから!暑苦しいと申しておろうが!」



「変わらぬ忠誠を!」

「一生涯の忠誠を!」

「魔王様の為なら!ご期待に添える様!励みまする!」

「魔王様ぁ!何処まで付いて行きますぅ!」

「魔王様の下知に遺漏いろうなきよう勤めまする」



「…くどい!魔槍のお披露目はコレで終いじゃ!」ガタンっ

スタスタスタスタ


玉座より立ち去る魔王


部下たちは教祖を崇める怪しい宗教団体の信者の様に魔王への忠誠を誓い続ける


「…」

パリパリパリパリパリパリパリパリ


ドーーーーーーーーーン!!!!!


見るに見かねたデセスペーロ・ブエノが全員に雷撃を喰らわせる


無防備な部下は雷撃を喰らい全員感電して倒れる…


(。=`ω´=)ぇ?雷撃耐性がある奴も居た筈…


精神干渉系魔王のいかずちデセスペーロ快楽アレンジ版


皆…恍惚の表情で痺れ…暫くして


パリパリパリパリパリパリ

ドドーーーン


心臓を狙い澄ました一撃で正気に戻る一同


しかし…余韻は収まらず…皆無言で頷き帰宅の途についた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ