第60話 魔界の魔工匠フーバー
「何故だ!!!!」
「何故…」
「神を関した…魔槍はあるのに…」
「我らは!創る事が叶わない…」
「何が!足らない!」
「刀匠としての技か!」
「それとも思いか!願いか!いわく因縁か!」
「ちくしょう!チクショウ!」
「親方!もぅ!やめて下さい!」
「黙れ!だまれ!ダマレ!」
\\\└('ω')┘////うぉーーーーーーーー!!!
「ゲイボルグ!トライデント!カラドボルグ!ロンギヌス!何故!神の名を冠する!神が絡む!」
「魔槍は我ら魔族が作ってこその筈…」
「それは…禍々しく…凶々しく…光り輝かなくても良い…ただ敵を屠る事さえ出来れば…何故我らに作れない…何故だ!何が足りない!何を欲する!何が必要だ!」
「魔王様…貴方様に相応しい槍を…お作りしとうございます」
「見る者を…畏怖させ…恐怖に堕とす…見た者は生きては帰れない様な…そんな魔槍を」
「親方…」
「我ら弟子に何が出来ますでしょうか?皆で力を合わせて…何か…」
「…」
「お師匠…」
「おい!…お前たちよ…」
「はい!」
「先ずは最高品質の魔石玉鋼を生成するぞ…」
「いけません!多分…
それでは足りませぬ!お師匠様!」
「何…だ…と…?」
「純度を上げるだけでは鋼と一緒です!!全てが切れても!折れます!鈍刀にございます!」
「では……どうせよと!!!」
「混ぜましょう!ダマスカス鋼です!」
「ダマスカス鋼は既存の物があるではないか」
「師匠は鉱石に拘り過ぎにございます!」
「鉱石無くして刃物が作れるか!」
「混ぜるのは…我らの血と肉から生成されるデモンズブラッド…」
「その手があったか!フハハハハハハ!我らの心血では無く…血と肉その物か?出来るかもしれん…」
「しかしながら…我らだけでは質も量も足りませぬ」
「明日!魔王様に相談に行く!ついて参れ!共に参ろうぞ!」
後日、アポを取る魔工匠フーバー
更に後日、
「してフーバーよ何用で参った?」
「ははぁ!魔王様におかれましてはご健勝のことと」
「良い!用向きを述べよ!」
「この度、私と弟子で話し合った結果、力ある者のデモンズブラッドを頂きたく参上つかまつりましてございまする」
「ほぅ、デモンズブラッドとな?」
デモンズブラッド…
ルビーよりも赤く
吸い込まれる様な漆黒よりも黒い
(黒い塊がドス黒い赤のオーラを放っている様な感じ)
下僕悪魔の魔核と呼ばれる物で
上位悪魔の身体の一部とその者の血液で作られる
その者の力その物、その魔核が赤く深く黒く大きい程、強い悪魔とされる、その一部を切り取り核とした下位悪魔は主人の忠実な下僕となる
分け与えられた量が多い程強いとされ
切り取った上位悪魔は自分の血と身体の一部なので回復速度の差異はあれどいずれ元に戻る
そうして作られた物がデモンズブラッドである
「フム…してデモンズブラッドで何とする?」
「魔鉱石に混ぜまする!」
「混ぜて何とする?不純物が混ざれば良い鉄には無らんだろう?」
「あらゆる鉱石と混ぜ合わせ、最高の魔槍を作りとうございます」
「ほほぅ…流石はフーバー目の付けどころが、ブッ飛んでおるわ!先ずは試作品よのう…駄目でした、では話しにならんぞ!」
「弟子の声に耳を傾けた結果出た案にございますれば、心しておりまする!我が命が尽きようとも!」
「尽きてはならーん!!」
「魔王様!生半可な気持ちで言っているのではございません!」
「其方の意思は尊重しよう!鉱石に混ぜる代替を求めて来ただけ合って…」
「硬いと」
「硬いです」
「はい…意思だけに…」
( ゜∀゜)・∵ブハッ!
フハハハハハハ!
「お前!最高かよ!良ぉく分かった!持って行け!そして試作品を持って参れ!それが成功なら六魔公に掛け合っても良い!」
ブシャーーーーー!
「魔王様!!!!!!!!!!」
「我の腕を持って行け!」
「その様な!?」
「我の血肉と!我が腕に宿りし魂の在りどころ!其方の魔槍製作に託す!」
「勿体無きお言葉!今日から…今すぐに取り掛かりまする!」
「まぁ待て!慌てるで無い」
「と申しますと?」
「我の腕が生半可な温度で溶けて混ざるとでも?」
「確かに」
「うぉぉ!」魔王と怒声と共に生える腕
「ドノヴァン!イフリートを呼べ!」
「ははぁ!しかし魔王様の腕は溶岩が蒸発する温度でも微動だにしませんでしょう?」
「然り!」
「そこは我ら刀匠の役目にございますれば」
「ほほぅフーバー…大口ではあるまいな?」
とドノヴァン
「溢れた血の一滴すら無駄にはしませぬ!」
「しかし…魔王様の血ぞ?床を見てみよ」
徐々に床が魔王の血で溶けていっている…
「心得ておりまする!」
弟子を呼ぶ…
弟子が手袋を恭しく渡す
「失礼します」
「フム、我の裁決で出せる最高の物を出したつもりだ良きにはからうがよい」
「せぃ!」
手袋をして弟子から渡された箱から何かを取り出す…
シュワシュワシュワシュワ
溶けだす手袋、弟子たちと入れ替わり立ち替わりそのドロドロの液体を床に置く…
「ほう…」
床の魔王の血は瞬く間にそのドロドロの液体に吸収される…魔王の腕事
「スラリンの分体か!?考えたな、無策で来た訳では無いと言う事か、素晴らしい!」
「お褒めに預かり光栄至極」
そう言いながら取り出した容器の中に戻し弟子に渡す
「そう言う事ならワシも助力いたそう」
「ドノヴァン様!?」
「蓋を閉める前にワシの右目も持って行くが良い、なぁに直ぐに回復するで大丈夫じゃ」
「我ら命に変えましても魔槍を完成させまする!」
「馬鹿者!」
「魔王様?」
「試作品一本如きにお前たちが命を掛けてどうする!命を賭けるのであれば、お前の生涯を掛けて作り続けよ!」
「魔王様!」(T ^ T)
「ええぃ!泣くな暑苦しい!たかが我ら二人のデモンズブラッドでどれ程の物が出来様か!一本の試作品如きで我が満足すると思うてか!我は欲張りぞ!」
「心得ましてございます!弟子共々心血を注ぎ込む所存!」
「そうじゃ!命では無く心血を注げぃ!」
「我が心に刻みましてございます!」
「そして試作品完成の暁には更に協力な魔槍を作り、その槍で人族を震撼させよ!」
ここで言う協力とはデモンズブラッドの数の事である強力の誤字では無い
「はっ!!心名に変えましても!それでは魔王様、吉報をお待ち下さい、帰るぞ!お前たち」
「はい!」弟子たち
退室するフーバー達
……
…
「ドノヴァンよ…どう見る?」
「はっ!魔王様と私めのデモンズブラッド…それをあの様に混ぜるとは目から鱗でございました…が…」
「が?」
「それを魔鉱石や色んな鉱石と混ぜるとなると…」
「可能であろう」
「可能でございますか!?」
「では聞く、スライムはある特定の鉱石を食べ続けるとどうなる?」
「はっ!その鉱石の名を冠したスライムになりま……す……る」
Σ( ゜д゜)ハッ!
「そうだ、食べた物が幾つか分からない程の多岐に渡るとどうなる?」
「一軍を率いる事すら可能な第十六軍、軟体溶解軍のスラリン殿の様なスライムキングになりますな」
「然り!我が言った不純物では無くなると言う事よ!!」
「フハハハハハハ♪楽しみではないか?」
「フフフフフ♪彼奴ならやってくれるかと」
フハハハハハハ♪
フフフフフ(=`ェ´=)