第54話 魔王四天王ルードリヒ
四天王のルードリヒは魔族領にある六つの公爵家の1つであるバルトウェーイン家の嫡男である。
同じ公爵家でも暗黙の了解と呼ばれる序列があり、バルトウェーイン家はその序列のトップに君臨する
何故かは明白でルードリヒの父であるルドウィン・バルトウェーインは魔王軍の戦力序列が魔王に次ぐ第二位の実力者だからだ、その嫡男であるルードリヒはその父を超える逸材に育つであろうと目視されている、それ故に四天王に抜擢された。
バルトウェーイン家は代々バンパイアロードを輩出する原初の吸血鬼の家系で現在のロードは父ルドウィン・バルトウェーインである
その嫡男であるルードリヒは類稀なる剣の使い手で魔剣ノートゥングを有しそれを行使し完璧に使いこなす。
魔剣は聖剣と並び脅威的な能力を有する剣である
聖剣は魔物を
魔剣は神を
倒す事が出来るとされルードリヒは父の持つ魔剣バルムンクと同等の力を持つ魔剣ノートゥングを譲り受けている
父は今でも現役で魔王の参謀を務めている
その嫡男ルードリヒには父と同等の剣の才能と能力が引き継がれていて父の魔剣バルムンクも行使する事が出来る。
二人共、日の光を克服しており名実共に魔王軍最強集団の一翼を担っている
父との仲は良好でルードリヒの良き理解者として常日頃から何かと相談に乗って貰っている
「ルードリヒよ今、帰ったぞ!」
「おかえりなさいませ、父上」
「今日の会合を魔王様の横で見聞きしておったが
あの後に何を進言したのだ?」
「ドノヴァンの件にございます。彼奴、1人で魔王様が仕留め損なった召喚勇者を討ち取りに行くのではと」
「然り!バレバレよ!先に我々で仕留めに参るか?」
「魔王様は捨て置けと!当面は別の召喚勇者が育つ前に仕留める算段になっていますれば」
「フム…そうか…」
父上、凄く残念そうだな
「父上自ら赴くまでも無いかと、何故そこまで拘るのです?」
「私はその召喚勇者を見ておらん!一度見ておきたいと思っただけの事」
「差し出がましいまねをしました」
「良い!この話しは終いじゃ!」
「はい」
「して?アーデルは如何しておる?」
「姉上の事など知りませぬ!」
「アハハハ♪相変わらずよのぅ」
「アーデルを呼べ!」
メイドに伝えるルドウィン
「わたくしはこれにて失礼いたしまする父上」
「まぁ待てルードリヒよ」
あからさまに嫌そうな顔するルードリヒ
「失礼いたしまする!」
「まぁ、待てと言ておるに」
「何故でございますか!」
コンコン
「フム、入れ」
「呼んで参りました」
「ご苦労であった、その場で待て」
「かしこまりました」
「何ぁにぃ父さまぁ?…
あぁ!
ルードリヒ!さっき一緒に遊ぼうって言ったのにぃ」
「何故僕がママゴトなんて!絶対嫌です!」
「あぁ〜酷いんだ〜
そうやってお姉ちゃんを1人ぼっちにするんだ〜
お姉ちゃん淋しいなぁ
泣いちゃうかも」
「チッ…」
「あぁ〜
父さま〜
ルードリヒが舌打ちしたぁ〜
お姉ちゃん泣いちゃうかもぉ〜
父さまからも何か仰って下さいぃ〜」
玉座で足を組み座るルドウィンの太ももに頬擦りしながら縋りつき、右手人差し指で父の太ももにのの字を書くアーデル
「アーデルよあまりルードリヒを揶揄うでない」
「だってぇルードリヒが〜」
「お前はもう少し姉としての自覚を持ちなさい!お前がルードリヒに甘えてどうする」
「はぁ〜い、それでぇ〜?父さま、何用でしたかぁ〜?」
「フム、お前の軍備はどう成っておる?」
「私の軍ですか?父さまの息の掛かった純血種と貴族級と一般と元人間で普通に編成されてるからぁ〜
全員でコウモリ化して敵陣深くまで行って撹乱可能だよ〜」
「フム抜かりはない様でなにより、して?ルードリヒは?どう成っておる?」
「我が軍はライカンスロープとワータイガーとワーベアに梟人と豹人を含む夜の眷属にて編成を終了しておりまする」
「良い!よくぞ各種族をまとめ上げた!流石!我が息子よ」
「お褒めに授かり光栄至極」
「父さまぁ〜ルードリヒばっかりズルぃですぅ〜」
「(=`ェ´=)フフフ拗ねるなアーデル、お前はお前にしか出来ない事を成しておる、褒めて使わす」
個人主義のバンパイアを纏めるのは至難の業である
個性と個性の衝、連中を力押し、時には懐柔、そして甘言を用いて純血種をまとめ上げ貴族級を懐柔したアーデルの手腕は、力押しでまとめ上げたたルードリヒ軍とは一線を画す
「うふふふ♪分かって頂けてるなら良いですよ〜」
「我ら始祖バンパイアは日の光を物ともせぬが、他はそうもいかぬ、それに月の満ち欠けにも力を左右される者も多い、我らの出番は満月の夜!存分に訓練をして戦に備えよ!」
「分かりました父上!」
「はぁ〜い♪…
と言う事で父さまのお話しは終わりで良いですか〜…
ルードリヒ♪捕まえた〜♪おんぶして!」
「くっ!姉様は油断も隙もない!おんぶなんて!これは捕まえたとは言えません!」
「これ!アーデルよ( ̄▽ ̄;)弟に甘えるでない」
「甘えて無いですぅ〜」
スリスリスリスリ
「んあぁ!もうっ!擦り擦りすな!」
「んふふ♪行こっ♪ルードリヒ」
「だーかーらー!行こっ♪じゃねぇ!自分で歩いてよアーデル姉!」
「ヤダ!今日は一緒に寝てくれなきゃ許さないんだから!」
「許すも何も!アーデル姉に許しを候ような事!してないし!僕は自分の棺桶で寝ます!」
「駄目ぇ!私のベッドで一緒に寝るの!」
「だぁぁ!!!アーデル姉のはベッドじゃなくてダブルサイズの棺桶でしょ!暑苦しい!」
「。゜(゜´Д`゜)゜。うえーん!父さまぁ〜!ルードリヒがぁ〜!」
「……いつまで経っても子供よのぅ、今宵は私と棺桶ではなく普通のベッドで三人で寝てやらん事も無い…」
(*゜▽ ゜*)パァー
(*゜▽ ゜*)パァー
二人とも満面の笑み
「本当ですか!?」
「本当にいいの!?やったぁ♪父さまと一緒♪ルードリヒと一緒♪私真ん中が良い」
「はぁ!?父上が真ん中に決まってるだろ!」
「私が真ん中だ!お前たちに挟まれて寝たい、駄目か?」
「じゃぁルードリヒには今度…隣りで寝てもらう」
「馬鹿か!誰が寝るか!」
「。゜(゜´Д`゜)゜。父さまぁ〜ルードリヒがぁ〜」
「エンドレスか!?今日は私で我慢してくれアーデル」
「スン…スン…分かりました…」
鼻をすすり渋々納得するアデルフォード
我が子との日常に少し疲れたルドウィン、二人に腕枕をしてやり就寝の途に付いた