第53話 新しい出会い
ふとした時にキョウイチロウは視線を感じる
視線を感じた先を見ても何も無く誰も居ない
が!確実に見られているのを感じる
セイラとラティは何も感じていないらしく、振り返る私に「どうなさいました」と聞くだけである
「今、絶対、誰かの視線を感じたんだけどなぁ」
「勘違いでは?わたくし達は何も感じませんでしたよ」
「そうですわね…」
「…」
視線を送る者の正体とは?
キョウイチロウの勘違いなのか?
ユラッ
キョウイチロウの視界の端に何かが蠢いた
「セイラさん!私から見て右斜め45°距離は200!!」
「かしこまりました!アクセラレーター!」
柱の影に慌てて逃げる何か
「尻尾!?」
「逃げられました!速かったですわ」
「尻尾ありませんでした!?」
「ありました、でも…」
「でも?」
「足は鳥の様でした、顔は狼の様でしたしクチバシがあった様な…」
「獣人では無いと!?」
「旦那様…多分それは…」
「それは?」
「キキーモラですわ」
「キキーモラ?何ですかそれは?何故私に視線を送るんです?」
「えぇとですね、キキーモラは…」
キラーン( ✧Д✧) ( ✧Д✧ ) キラーン
「セイラさん!」
「ラティ!わたくしも今、視線を感じました!キョウイチロウ様の感覚に間違いはありませんでした!素敵です♪愛してます♡」
「流石です旦那様好きです♡」
「うん…まぁ…うん、ありがとう」
最後はまるで関係無いセリフだけど…
( ̄▽ ̄;)悪い気はしないでもないんだが…人前で日常となるとキツいな
そんな会話をしていると、ふいに斜め後ろから気配を感じたので
「確保ぉぉぉ!!!!」
高い高い♪する様に抱き上げた!?!?
「キキーモラです!間違いありません!」
「はぁ!?尻尾は!?先程!セイラさんが見た者とは別者じゃないですか!どう見たって可愛い少女にしか見えませんよ!!」
「可愛いく無いし…下ろして…くだ…さ…ぃ…」
「もぅ逃げない?」
「…」
キョウイチロウから目を逸らすキキーモラ
「じゃあ離さない♪」
ギュッ
キョウイチロウはその少女を抱き締める
音声ガイダンス
「キョウイチロウがキキーモラのノウェルをテイムしました、主人を得た事によりノウェルが吸血魔からキョウイチロウの幻獣に進化します」
「うぇ〜!?」
キキーモラのノウェルが光り始める
キョウイチロウを中心に光りの柱が天空に伸び…
「又!?このパターンですか!?テイム何それ!?唐突過ぎ……る…」
光りに包まれるキョウイチロウ
「魔力隠蔽!!!」
別の光りが天空に伸びる光りを包む
両手を繋ぎ立つ二人の間でその光りは収束していき周りに大きな影を写す
「キョウイチロウ様!」
「旦那様!」
「ご主人…様…」
抱き付くノウェル
「初めましてノウェル、ノウェルはどうして僕を見てたの?」
「何か悲しい気配がしてそれに誘われたの…」
「そしたら…ご主人様が魔王に討たれて…セイラがご主人様を抱き寄せて泣いてたの」
「うんうんそれで」
「その時…私も悲しい気持ちになって…」
涙を溜めて泣くのを堪えるノウェル
「もぅ良いよ説明しなくても良い!僕の可愛いノウェル!」
キョウイチロウも抱き締める
「あの?キョウイチロウ様…お忘れですか?」
「(-ω- ?)んっ?何が?」
「現在、旦那様は9歳児、そのセリフは42歳目線のものですわね、少年が少女にかける言葉としては相応しくないというか…」
(;゜д゜)アッ…
「忘れてましたね」
「完全に忘れてますわね」
(*≧艸≦)(*≧艸≦)
「キョウイチロウ様らしいです」
「そうですわね」
「わっ!笑わないでください!…もぅ…それよりラティ先程の吸血魔とキキーモラって何か違うんですか?容姿も含めて違いを説明して欲しいです」
「はいキキーモラは働き者の願いを叶え怠け者を食べます」
「僕!?食べられちゃうの!?」
「吸血魔の姿が先程のセイラさんが見た容姿でして」
「キキーモラはラティの様に人から産まれ変わった存在なの?」
「はい、私は代々あのお屋敷に勤めるメイドの家系で母を含む祖母、曽祖母、私で四代に渡り仕えて参りましたので元は人間です
しかし旦那様のスキルにより実体を持ったシルキーに進化しましたので今回も似た様な事が起こったのだと思います
キキーモラは不幸な死に方をした子供が成るモノであると聞いた事があります、セイラさんの旦那様を失った悲しみに惹かれ、その悲しみも引き受けるから自分の悲しみも共有して欲しいと思ったのでしょうそしてそのまま付いて来た…けれど…」
「セイラの悲しみに惹かれて付いて来たものの…私の復活でどうしたらいいのか分からなくなって、でも離れられずに遠巻きに見ていたと言う訳でしょうか?」
「うん♪ノウェルはキョウイチロウの物に成った、全てを捧げる」チュッ「唇もキョウイチロウの物」
「はぁ!?」
「何ですってぇ!?」
「んな!?離れ…力!?強っ!?」
んぎぎぎぎ、引き離そうにも離れないノウェル
「離れなさぁ〜い!」
「私だって未だなのに!ノウェル許しません!麻痺ぃ!!!」
「あ…あぁ…」
「大丈夫ですかキョウイチロウ様!」
「ご無事ですか旦那様!」
「うん、なんとか…ラティ、取り敢えず麻痺は解こうか、ノウェルもうしないよね?」
「は…い…」
「キョウイチロウ様の唇を奪うなんてノウェル…駄目ですよ!…羨ましい」
「良いですよね!良いですよね〜!ノウェルは直接!セイラさんは不可抗力とはいえ口移しをして貰ってますから!私なんて…私なんて…」
。゜(゜´Д`゜)゜。
「未だですのにぃ〜」
「ラティ、君の知識にはイツも感謝してるよ、ありがと」チュッ
「へっ!?」
不意を突かれ頬にキスされて驚くラフティーナ
「なんと言う小悪魔的なキッスでしょうご主人様は女垂らしですか?罪作りなお人ですね」
"(ノ*>∀<)ノキャイの♪キャイのワイのワイの♪
(*/∀\*)イヤン
照れるラフティーナ、囃し立てるノウェル…
ワナワナワナワナワナワナ
「あなた達は王城の…しかもこの様な…公衆の面前で…
キョウイチロウ様!お話しがございます!全員!此方へいらして下さいまし!!!!!!!!!」
∑(゜Д゜;)Σ(・ω・ノ)ノ∑(゜Д゜;)Σ(・ω・ノ)ノ
「クリスティーメイド長!?」
その後…メイド長の自室にて懇々と説教される事となる四人であった