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第46話 キョウイチロウ召される…

「では、キョウイチロウよ心の準備は良いか?」


「はいブッダ様、宜しくお願いします」



「セイラ…聞こえるか?」


王都まで動かぬキョウイチロウを大事に抱え、悲痛にくれる辛い旅路に疲れ果てていたセイラは種族進化で気力、体力が回復しパラメータも大幅に上がったものの、御仏の天啓を聞き、安堵し、椅子に座ったままベッドで眠るキョウイチロウを枕に寝入ってしまっていた。


「ブッダ様!?」


「これよりキョウイチロウの魂を器に戻す」


「はい!お願い致します!」


ファーーーー

前回よりまばゆいい光がキョウイチロウを包む

「キョウイチロウ様が戻ってくる♪キョウイチロウ様が…」

笑顔が戻るセイラ…


しかし、その眩しい光と共にキョウイチロウの人型が徐々に薄くなり光の中へと消えて行く


セイラに恐ろしい想像がぎる


エルフの里に居た頃、魔力の源であるマナの本流に帰る仲間を見た事がある。

それは瞬い光に包まれ、ゆっくり人としての形がなくなって行き最後には霧散して逝く姿であった。


火葬でもなく

土葬でもなく

鳥葬でもなく

風葬でもない

何も残らない


霧散し、生命の源である大いなるマナの源流に流れ込んで混じって逝くさまを…

今、正に同じ光景が目の前で繰り広げられる。


「そんな!ブッダ様!話しが違います!キョウイチロウ様!あぁ消えないで下さい!わたくしを1人にしないで下さい!仏様は来世の確約と仰っておいででした。1人で残りの余生を過ごせと!?待って!キョウイチロウ様…キョウイチロウ…さ…まぁ…」


光は天に昇って行きキョウイチロウが居た場所には何も残っていない…


「嗚呼〜…そんな…こんな事って…キョウイチロウ様…キョウイチロウ様…」

へたり込み、両手で顔を押さえ、絶望感に打ちひしがれるセイラ…


バタンッ!観音開きの客間の扉が開き、王妃以下数名とアルザス2世が何事かと入って来た

「セイラ!何がありましたの!?キョウイチロウ殿は何処です!?たましいを器に戻すだけではありませんの!?」


「王妃様ぁ」

へたり込んだまま振り返るセイラ


「ですから!何事ですの!?キョウイチロウ殿は!?」


「光に包まれて天に召されてしまいした…」


「そんな事って!?話しが違うではありませんか!!」


「キョウイチロウ様ぁ〜」

。゜(゜´Д`゜)゜。


「セイラ!ラフティーナは何処です!?キョウイチロウ殿が召されたなら!ラティも共に逝く筈です!居るのであれば!キョウイチロウ殿も未だ!」


「う…うーん…掛け布団の下で何かが声を上げて動く」


慌てて布団をめくる王妃


「ラフティーナ!居るじゃありませんか!貴女!起きましたの!?」


「あぁ……王妃様?」

眠たそうに目を擦りながら、起き上がりベッドの上、女の子座りで伸びをするラフティーナ


そして、大きなアクビをして、未だ眠そうに目を擦る

「あらっ?…セイラさん?おはようございます♪ここは?何処どこですの?旦那様は、ご一緒ではありませんの?」


自分の目を擦る手を見て、以前と同じサイズの胸を見て気付くラフティーナ…


「私!?大人になっていますの!?

イツ進化しましたの!?」


「ラティーーーーーー!!!」

ギュムッ!セイラがラフティーナに抱き付く


「何ですか!?どうしまして、セイラさん?」


「ラティーーー!ラティーーー!」

。゜(゜´Д`゜)゜。


「あらあら、これではまるで大きな子供ではありませんか、よしよし……」


(-ω- ?)んっ?

( ゜д゜)ハッ!


「魔王は!?旦那様は!?何故?私はベッドで寝ていましたの!?魔王にスキルを反射された反動で…私…全身の痛みで…気を失ったんですの?あのあとの記憶がごさまいませんゎ…」


クンクン…

「でも旦那様の残り香がいたしますゎ…今までここに居らした?」

抱き付いたセイラをあやしながらキョウイチロウを探すラティ

キョロキョロ…


「セイラさん?旦那様はどこですの?」


「キョウイチロウ殿は…セイラの目の前で御仏の元へ召されたようだ」


「はぃ!?御仏?ブッタ様の事でしょうか?」


「それが、キョウイチロウ殿の世界から異世界に来る際に間違った名前と知識が入って来てしまった様で…仏様のお名前はブッダ様と言うのが正式名称らしのだ、故に此方こちらの世界での存在が希薄との事」


「はぁ…でも旦那様に関係する事柄なら詳しくお聞かせ願えますか?」


「斯々然々」


「分かりました、それで私が居ると言う事で旦那様のご無事が約束された…と、でも旦那様は天に召されてしまっている…と、」


うーん( ;-`д´-)簡単に聞いたお話しを説明すると


「仏様のいらっしゃる所は極楽浄土でしたわね、其方そちらにある旦那様のたましいを器である身体に戻す為に、器である身体を仏様が一度天界に連れて行ったと、それで旦那様はここに居ないと言う事でしょうか?」


Σ(;゜д゜)ハッ!?目から鱗、ポローン!


「では!キョウイチロウ殿はご無事であると言う事か!?」


「私がここに居て無事と言う事はそう言う事かと」


「セイラ!キョウイチロウ殿はご無事の様だ!良かったな!」


「はい♪アルザス様♪でもイツお戻りになられるかまでは…」


「確かに無事はラフティーナの存在で確認できたがキョウイチロウ殿がイツお戻りになるかまでは分からないと…しかし、数年先と言う事はあるまい」


「そう願いたいです…」

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