第43話 再び王都へ
歩き出した3人、幸せいっぱい♪
そこに現れた5つの影、その正体とは!?
「王都へ向かうのも、もう三度目ですかぁ〜」
「はい!では行きましょうか?」
人力車を引くセイラ
「いやいやいや!無理でしょ!?体力が半分になってた筈ですよ!」
「(;゜д゜)アッ…そうでした」
「セイラ、無理は駄目です。少し時間はかかるかもしれませんが歩いて行きましょう、そうすればクリスティーメイド長さんの言う円卓会議が終わり、勇者様方の育成方針が決まるまでは大人しくしていて下さいという言いつけが守られるかと、そして今までがセイラに甘え過ぎていたんだからノンビリ王都に行きましょう」
と手を差し伸べるキョウイチロウ
(。=`ω´=)ぇ?「今、セイラと?手も繋いで一緒に歩いて頂けるのですか?」
。゜(゜´Д`゜)゜。ブワッ
「嬉しいですぅ、嬉し過ぎますぅ、恋人繋ぎでお願いします」
「あぁズルいです!私も!」
「はい♪行きましょう!」
ラティにも手を差し伸べる
「旦那様ぁ♡」
「セイラ、報告書は持ちましたか?」
ヽ(;▽;)
「はい!持ちました!何だか王都へデートに行くカップルみたいで、照れます」
「言わないでください、改めて自覚すると恥ずかしくなります」
「ウフフ」
「フフフ」
「エヘヘ」
あぁ…エルフの里で暮らして居た時には、この様な幸せな日が来るとは思ってもいませんでした。
実力を試したくて弓ではなく剣と魔法を極める事を目指し里を飛び出し数多の戦場に参加し魔族を屠ってきましたが…
こんなにも空が、周りの景色が、美しいと思った事はありませんでした。コレが本当の幸せと言う物なのでしょうか…
魔族の侵攻など何処にも感じられません、殺伐を好み求めていたあの頃…
クリスティー伯母様にお声掛け頂いて王都のメイドになって、物足りなさと言いよる男達に辟易してそれ故に無表情になり日々鬱々と暮らしていたのに…
この様な幸せに巡り会えるとは…クリスティー伯母様には感謝しかありませんね
長生きはしてみる物です…
(ノω・、)
「ううう…」
「どうしましたのセイラさん?」
「私、今幸せです…」
「泣く程!?」
「いえ…私の寿命を考えるとキョウイチロウ様と共に過ごせる時間の短さを想像してしまって涙が」
「泣かないで下さい」
そっとラティと恋人繋ぎしたままの左手人差し指でセイラの涙を拭うキョウイチロウ
2人の距離はおでこが触れそうな程近い、2人にラティが抱き付く
「私が元気な内は沢山の思い出と沢山の幸せを約束できる様に頑張ります。期待していて下さい」
「はい。゜(゜´Д`゜)゜。キョウイチロウ様ぁ、私もラティの様にキョウイチロウ様と共に来世に行きたいですぅ」
「そうですね長く生きてまいりましたが、人に付いたシルキーの話しなど聞いた事がありませんので自分がどうなるか分かりませんが、旦那様の寿命と共に私の寿命も少し後に追う様に尽きるのでしょう」
「…」
「…」
「…」
「私は…コチラに残る決心を付けるにあたり王妃様のお言葉に背中を押して頂きました。
しかし…
ラティの寿命を奪い
セイラの長い余生に付き合えない自分にどれ程の幸せが与えてあげられるだろうと言う葛藤もありました。今後の事を考えるのも大切ですが、今を大切にしたいです!
この手に伝わる温もりに偽りはありません!
二人を溢れんばかりの愛で包むとお約束します!」
「…」
「…」
。゜(゜´Д`゜)゜。
。゜(゜´Д`゜)゜。
「未だ出発して5分も経ってませんゎ」
「道中で涙が枯れてしまいそうですぅ」
「魔王さま何でしょう?あの馬鹿ップルは?」
「( ;-`д´-)強大な魔力波動を感じて来てみれば…なんですの?あの馬鹿ップル」
「自力で魔力を隠蔽している様だが、彼奴で間違い無い…しかしまるで平時の様な惚けっぷりではないか我らの脅威など、まるで意に介さない様子、戦時下と言う認識を味合わせてやるのも一興か?」
「魔王様!アレが人族の!?本当にでございますか!?」
「あぁ間違い無いだろう」
「共の者もたいした実力もなさそうですが、あれ程の魔力波動…本当に奴が人族が召喚した。我らへの最終兵器なのでしょうか?」
「我ら四天王で対象出来るかと」
「(;゜д゜)アッ…こらロゴス!いくら魔力隠蔽の外套を纏っているとはいえ殺意を向けては」
( ✧Д✧) キラーン
「アクセラレーター!ブースト!何者ですか!?」
ガキーーーーン!!
「くっ!この女!速い!?」
慌てて自分の得物でセイラの一撃を弾くロゴス
「セイラさん!?何事ですの!?」
「どうやら敵の襲来の様ですがキョウイチロウ様への殺意を抑えられない程度の雑魚かと…!?」
「敵襲ですって!?」
「浅はかでした。保養地での出来事を鑑みるにもう少し警戒すべきでした」
「雑魚とは言ってくれる!お前の様な護衛が付いていると言う事は人類最終兵器は其奴で間違い無い様だな」
どーん!ビリビリビリビリ!!!
「魔王様自らなど!?我らで十分かと」
「死ね!」シュッ
「何ですのこの膨大な魔力は!?魔王ですって!?自らなんてありえない!?」
「麻痺!!!!」
・:*三( ε:)`д゜)・;"
「キョウイチロウ様!?」
「チッ!この私に状態異常の麻痺だと!?浅かったか!?しかし!フンッ!!」
「キャーーー!!」
麻痺を強制解除されその反動で全身の血管から血を吹き倒れるラフティーナ
「ラティ!?くっ!強すぎる!」
「何ですのこの膨大魔力は!?保養地!?まさか魔王自ら乗り込んで来たんですの!?不味い不味い不味いですわ!アクセラレーター!!!!!」
「姫さま!!!」
「第三騎士団のアクセラレーターの使える者は保養地へ!!大至急です!私は先行します!第九回復師団にも連絡を!事は急を要します!火急に事を進めなさい!」
「間に合え!間に合え!間に合え!間に合え」
「おーーーりゃーーーー!!死ねぇぇぇ」
「お前馬鹿なのか?黙って攻撃していれば我らに一太刀、浴びせられたかもしれないのに…」
そう言いながら軽くアンナの剣戟を弾く四天王ルードリヒ
ヘイトは取れた!後は!
ぐったりと倒れているキョウイチロウ
「キョウイチロウ様!?」
「空き有りだ姫騎士よ!死ね!」シュッ
魔王の放った手刀での斬撃がアンナを襲う!
ズバァ!右肩から袈裟斬りにされ一撃で絶命するアンナ
「姫さま!?あぁ…姫さまぁ」
胸のペンダントが輝く
\\\└('ω')┘////フォーー!
「危なかったですわ、死ぬかと思いました…」
「( ̄O ̄;)いや…魔王様の一撃で死んでたでしょ?何それ?反則じゃね?魔王様、こんな理不尽な奴らにどうやって勝てば良いのでしょう?」
「…復活のネックレスか?しかし代償は大きい様だな」
「(。=`ω´=)ぇ?魔王様?何ですかそれ?」
「姫さま!ご無事ですか!!」
「皆んな!よく来てくれました!敵はどうやら魔王本人の様です気を付け下さい!迂闊に手出しはしない様に」
「はい!!」
「そしてどうやら魔王軍四天王の1人、ロゴスは残念なポンコツの様ですわ」
「何だとゴラァ?もういっぺん言ってみろや!ただじゃ済まさねえぞ!」
「よさんか!残念なロゴス!相手の挑発に乗るでない!単なる時間稼ぎだ!」
「魔王様まで」(T . T)
「キョウイチロウ様!大丈夫ですか!?」
ヘイトをアンナに任せて血だらけのラティを拾いキョウイチロウに駆け寄るセイラ
ダランッ
「首の骨が折れて…!?息を!?していない…!?キョウイチロウ様!息をして下さいまし!!!キョウイチロウ様ぁぁぁぁぁ!!!」
「フム、事は成せた様だな、多勢に無勢、今回はここまでか、一旦引くぞ!」
「待ちなさい!逃しませんわよ!神居!」
「ほほぅ中々のスキル、多少は歯応えのある者も居ると言う事か?だが、甘い!フン!」
ガキーーーーン!
「なっ!?素手で神居が!」
「先程の復活でかなり代償を払った様だな、子供の児戯に等しい程に攻撃力が下がっておるわ!
おおかた全ての数値がリセットされてレベルも1程度になっておるのであろう?
次回会うまでに更に磨きをかけんと我には通じんぞ!フハハ!間に合えばだがな!
お前たちの希望は絶たれた!存分に絶望して我らの贄となるがいい!フハッ!フハハハハハハ♪」
「そうさな、次回はその男の血肉を頂くとしよう、その膨大な魔力体を取り込めば我の更なる強化に繋がるであろう!丁重に保管しておけよ!さらばだ!フハハハハハハ」
そう言いながら黒い亜空間に消える5人
「空間転移スキル持ちが敵の中に!?してやられましたわね」
戦闘体制のまま魔王の消えた場所を見詰めるアンナ
「姫さま!」
「何ですの!?」
「キョウイチロウ様が…先程から息を…息をして下さらないのです!!」
「くっ!!何という事ですの!……」
「ふぅ〜」
安堵のため息を付くアンナ
「姫さま!姫さまぁ!」
「落ち着きなさいセイラ」
「こんなの落ち着いていられません!!キョウイチロウ様が!キョウイチロウ様ぁぁぁ!」
こんなに狼狽えるセイラを見るのは初めてですわね…
「取り敢えずラティをご覧なさいセイラ」
「このままではラティも一緒に消えてしまいますわ!」
「ですから!もっとよく見なさい!」
「あぁ(;ω;)ラティ貴女…無事なのですね」
「回復していますわよね?」
「はい!姫さま!でもキョウイチロウ様が!」
「ラティの主人がセイラになっていなければですがキョウイチロウ様も無事な筈です」
「でも!でも!何故!?息をして下さらないのです!?キョウイチロウ様!起きて下さい!」
「それは…専門的な事までは分かりませんわ…」
(。=`ω´=)ぇ?主人公死亡なの…!?
マジで!?
どうなるキョウイチロウ!ラティは!?セイラのシルキーになって生き残ったのか?それともそのままか?
乞うご期待!