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第36話 無駄足

「痛たたたた、何だろう?股間がめちゃくちゃ痛いんだけど?…セイラさんとラティを強制種族進化させようとしたまでは覚えていますが…その後は??どうなったのでしょう?2人は居ないですし、取り敢えず出ますか」


スパーンッ!スパーンッ!

タオルで股間をはたくキョウイチロウ


「取り敢えずこれはテンプレでしょw」


「しかし…この泡風呂は一度綺麗にしなくていけませんねぇ、お湯を抜く栓は何処でしょう??」


「うーん掃除をして準備して下さったのはセイラさんですから聞いてみますか、セイラさん!何処です?…脱衣所にも居ない様ですねぇ」


取り敢えず全裸という訳にもいきませんね、何か着替える物は…


Σ( ゜д゜)ハッ!?着ていた服をそのまま泡風呂で洗濯してしまえば!服も洗えて一石二鳥では!


「さぁーて!やりますかー!」

これと

(ノ・ω・)ノ⌒ポイッ

これも

(ノ・ω・)ノ⌒ポイッ


「おっしゃ!オラオラオラオラ!よっこいしょー!」


「うーし!後は、濯いで…ぶん回して脱水じゃーー!」


「うーん…洗濯機の様には脱水出来ませんね」


「しかし…着ていた服を洗ってしまったので着る服が無いですねぇ、まぁそんな事より先に風呂掃除を済ませますか、掃除道具は…ありましたね♪」


「では!いざ!」


ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ


「後は栓を抜いて…排水は下水処理場に繋がっているのでしょうか?川や池に垂れ流しと言う事はないですよね?汚れたお湯をどうすべきか聞いた方がいいですね、取り敢えず何か着る服を…異世界ショッピングで購入しますか、旅行お出掛けセット服みたいな一色揃う品はありますかねぇ??」


「ありましたね、肌着に下着とズボンとTシャツと靴下これだけ揃っていれば良いでしょう!それと…風呂上がりは!アレも!注文!」


「やはり!風呂上がりと言えばコーヒー牛乳です!♪」

ゴクゴクゴクゴク

「ぷはぁぁぁ♪至福♡」

音声ガイダンス

「キョウイチロウのMPが全回復しました」


「着替えも終わりました!2人を探すとしましょう」


温泉の入り口の暖簾のれんをくぐって出る


「キョウイチロウ様?」

「ご主人様!」


「おやっ探す手間が省けましたね」


「お風呂はもう良いのですか?」


「はい!若干の股間の痛みはありますが堪能しました♪」


「…」

「…」


「それでは、お風呂掃除をしてしまいましょう」


「お風呂掃除?今終わらせましたよ」


「は?」

「ご主人様が?スキルを使用されたのですか!?」


「いや、普通にゴシゴシしましたけど?ついでに私の服も泡風呂で洗濯しましたが」


「ゴシゴシ!?」

「人力でですか!?」


「はい?何か問題でも?」


「この世界のお風呂掃除は道具はいりませんのよ」


「はい?どう言う事ですかセイラさん」


「ですからご主人様、この世界のお風呂掃除は道具はいりませんの」


「(。=`ω´=)ぇ?普通に掃除道具がありましたよ」


「今、私が持っている箱の中の子達にお掃除してもらうんです」


「箱?」


「開けますね」

次々と飛び出すスライム!

そのスライム達は泡風呂に我先にとダイブして行く


「はい?…(-ω- ?)ん〜っ?赤いスライム?ですか?」


「はい、適量のスライムの餌になる物を箱に入れて外に置いておくと勝手に箱に入ってくれるんです。20匹程、箱に入ったら箱の蓋を閉じます。そうすると箱の中の餌を食べ尽くして空腹になります。共喰いを始める前に汚れた場所に連れて行き箱から出すと喜んで汚れを食べてくれるんです。この赤色のスライムの状態を垢スライムと言います。通常スライムは水色をしていますが空腹になると赤くなるんです。」


「あっ!でも汚れ以外にもシャンプー的な物も含まれてますよ!」


「大丈夫ですよ、この世界のシャンプーや石鹸は植物由来の物を使用してますし、ダンジョンドロップアイテムも含まれますが、土や泥等も余程の物で無ければ消化してしまいます。」


「消化器官が有るのでしょうか?」


「目に見える消化器官は見当たりませんが、排泄はする様です」


「うんちを出すと?」


「うーん…ちょっと待って下さいね…あぁ、してますね箱の中を見て下さい」


「(-ω- ?)んっ?このパチンコ玉みたいな小さな玉が排泄物ですか?」


「そうなりますね、カチカチでしょ」


「はいそうですね、硬い土の塊の様です」


「スライムは身体の殆どが水分なので排泄物に水分が含まれる事はありません、コチラには尿素が含まれいますので別の用途にも使える優れ物です」


「尿素?」


「はい、スライムは尿と老廃物をまとめて塊にして排泄します」


「そうなんですね、尿素なら水で溶けば窒素肥料として畑の素肥に使えますね♪」


「そうですね、そしてこの排泄物は老廃物を取り除けば尿素だけに出来ますゎ、尿素は角質を柔らかくする成分がありますのでハンドクリームとかにも使われます。」


「掃除もしてくれて排泄物は再利用可能なんて!夢のような生き物ですね!」


「ですから…キョウイチロウ様には誠に言いにくいのですが…」


「はい!お風呂掃除と服の洗濯は無駄足と言う事になりますね!」

_| ̄|○ ガックリ!


「そう……なります。あっ♪スライムが汚れを食べ切った様です♪後は窓を開けておけば野に帰りますゎ、

でも服はスライムで綺麗には出来ません基本的に足か手で洗う事になりますので無駄足にはなっていませんゎ」


「異世界のスライムで汚れ掃除…簡単便利過ぎるだろ…低い段差や階段を降りられない自動掃除機より有能じゃん」


「お風呂掃除も終わりましたので♪ご飯にしましょう、今回は私達が作りましたので参りましょう」


「嗚呼ぁ〜!セイラさんへの私の労いが…うーん…出来合い物を異世界ショッピングで購入してしまいますか!しかし…セイラさんの進化に必要な精進料理は出来合い物では作れません」


( ̄¬ ̄)ジュルり

「進化に必要な精進料理の件もっと詳しくお聞かせ願えますか?後、肉や魚を断つとの事でしたが今日くらいは我慢しないでわたくしも一緒の物を美味しく食べたいので肉料理もありますゎ、頑張るのは明日からと言う事で♪」


「はい!分かりました。」


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