第35話 種族進化 (セイラ編4)
「( ゜∀゜)・;’.、グハッ!」
2人に蹴り飛ばされ股間を押さえて吹っ飛ぶキョウイチロウ…
「キョウイチロウ様のキョウイチロウ様が目の前に来てキョウイチロウ様…の…」
「ご主人様のご主人様が目の前にあってご主人様の…」
「きゃーーーーーーー!!!!」×2
「ラティ…このまま湯船に居たらのぼせてしまいますゎ、何だか凄く身体中が熱くて…」
「はい、私もです、少しのぼせて来たのでしょうか…身体が熱くて…」
ザバーーーー!ッッッッッ!!
泡風呂から立ち上がり叫ぶキョウイチロウ
「強制種族進化あぁぁぁぁ!!!」
音声ガイダンス
「ラティとセイラを強制進化させますか?YES?NO?」
「駄目ですキョウイチロウ様ぁ!」
「いけませんご主人様ぁ!」
「い…ぇ…」
ザバーーーーンッッッッ!!
イエスと言いたかったのだろう、しかし言えずに前のめりに股間を押さえ、泡を吐き湯船に倒れ込むキョウイチロウ
音声ガイダンス
「いえ?……否と判断して強制進化をせずに終了します」
そそくさ
仰向けに浮かべ直す2人…
泡だらけの湯船に顔だけ出た状態のキョウイチロウ
「…使い物にならなく…は、なって無いですわよね?」
「…多分」
「ラティ?貴女今、どんな感じですの?」
「…えっ?私ですか?んーー…もう、なんと言うかお腹いっぱいですゎ」
「えぇわたくしもですゎコンディショナーしてあげますから私にもして下さる?」
「分かりました」
キョウイチロウ放置される
頬を染めたまま俯いてお風呂場を後にする2人
脱衣所で
「…」
「…」
「ラティ」「セイラさん」
(;゜д゜)アッ…
「ラティからどうぞ」
「セイラさんから」
「今回、私の言質は取れずに残念な結果に終わった訳ですが…」
「はい、私もです。言質こそ取り付けましたが…目的は達成出来ませんでした…」
「ですが、なんだかとても濃い1日でしたわね」
「(*≧艸≦)未だ今日は終わってませんけどね」
「わたくし今回、進化したかったですが、出来なくて逆に良かったのでは?と思ってますの」
「私もです」
「ラティも!?わたくし進化の過程で又、屋根を吹き飛ばしたらと…」
ガクガク((( ;゜Д゜)))ブルブル
「クリスティー伯母様…とても怖いお方でして…」
「あら?クリスティーメイド長さんは貴女の伯母様でしたの?」
「はい…私の母の姉でして、2度有る事は3度あると、3度目までは何かしらしでかしても、何とか許して貰ってましたの、買い出しで連れ出したキョウイチロウ様を気絶させて、ラティの進化で又、気絶させて、王城北の塔で屋根吹き飛ばしましたでしょ?今回又、屋根を吹き飛ばしたら4度目ですわよね…」
ガクガク((( ;゜Д゜)))ブルブル
「多分…許して下さらないと思いますゎ…」
「確かに…円卓会議が滞りなく終わり、勇者様方の育成方針が決まるまでは大人しくと仰ってましたものね、でもそんなに怖いお方には見えませんでしたけど」
「いやいやいやいや!クリスティー伯母様は私なんかより数段上ですわ!」
「その様な実力の持ち主には見えませんが」
「違います!体力的な実力ではありません!メイド長がヤバいのは思考回路ですわ!あの方の再教育プログラムなんて普通では無いのに再々教育プログラムなんてクリア出来る自信なんて皆無です!」
:((;っ´°Д°`c);:プルブルプル
「そんなにですの!?」
(゜ー゜)。。)゜ー゜)。。)ブンブン
凄い勢いで首を縦に振るセイラ
「ですから今回、進化出来なかった事に関して残念でなりませんが、クリスティー伯母様の怒りを買わなかったのは僥倖としか言えませんわ」
「私はご主人様のシルキーになりましたので解雇される事はありませんが…セイラさんは護衛の任を解かれたら場合…再々教育プログラム確定と言う訳ですね、出来ないと鞭で叩かれたりするのでしょうか?」
「いえ、痛い事は何もされません、極々当たり前の動作、例えば紅茶の配膳などを淡々と繰り返し繰り返しメイド長が良いと言うまで同じ作業をさせられます。」
「それが、そんなに恐れる程の事なのですか?」
「ラティ…考えてもみて下さい、単一作業の繰り返しで終わりはイツになるか分からないんですよ、人は作業をするに当たり淡々と同じ事をさせるより5分なら5分と時間を決められた方が効率は良くなるモノなんです。」
「どうぞ」と言いながらテーブルに紅茶を置く訳ですが
「もう一度」
「どうぞ」
「もう一度」
「メイド長は何が駄目なのかを教えて下さら無いんです。カリキュラムの全てです。」
「お紅茶を頂けますか?」
「と言われるだけでその後1時間経っても2時間経っても、メイド長から発せられる言葉は「もう一度」ですよ、心が折れます。
何か至らぬ点でもございましたでしょうか?と聞いても「もう一度」ですよ
(ノω・、)泣いてやらかした件の謝罪をしてもメイド長は「もう一度」と涼しい顔で仰るのです。
声なんて荒げて逆切れしようものなら…
メイド長の殺意を帯びた負のオーラは普通の人が直接喰らったら、絶望で腹圧性尿失禁して気絶するでレベルですわ!」
「セイラさんのメイドの所作は指の先まで洗練されていて非の打ち所がなく完璧なのはその再教育プログラムのお陰ですのね…セイラさん貴女…相当やらかしてますわね」
「(๑・ω-)テヘペロ」
「ですから、再々教育だけは避けたい…です。
どの様な内容なのか想像も付きません!
再教育プログラムだけでも心が折れてヤバいのに再々なんて…絶対に!精神的に保ちませんわ…ですから今回はここまでで、とりあえず満足して明日頑張れば良いんです」
「そうですわね、フフフ、頑張りましょう♪幸い、ご主人様は、この世界に残って下さると仰って下さいました♡それだけでも満足かと、少しお互い高望みし過ぎてた感じはありましたから」
「そうですわね」
「そうです、そうです」
キョウイチロウは…その後暫く放置されたと言う
( ̄▽ ̄;)セイラ…
又も進化出来ず
種族進化は持ち越しです。