第20話 2度目の保養地にて
「ラティ、只今戻りました。ラティ!ラティ?食材を仕入れて参りましたわよ!ラティ!居ないのですか?」
「セイラさんどうされました?」
「ラティが居ませんの、又、ご主人様ぁぁぁぁ♡とキョウイチロウ様に抱きつくのではと警戒していましたのに」
「ラティさん!ラティさ〜ん!」
「微弱ですが地下倉庫にシルキーの魔力を感じます」
「ラティ居ますの?居たら返事なさい!」
「ラティさ〜ん!」
「ご主人様…私のご主人様…」
「何だか消え入りそうな声が奥から聞こえますわね」
「…!?いけません!キョウイチロウ様!家主を無くしたシルキーは生きては行けません!ラティは危険な状態です!」
「(。=`ω´=)ぇ?今まで保養地はほぼ放置状態で家主なんて居ませんでしたよね?」
「いえ、ここは前王から現王アルザス2世様に引き継がれ所有者はアルザス2世様でその別荘になっていましたので家主不在ではありません!キョウイチロウ様を無理矢理連れ出した私の責任です!嗚呼ぁこんな姿にラティ!ごめんなさい!ごめんなさい!私が攫って独占してしまったと思ってキョウイチロウが帰って来ないと勘違いした様です!」
不味い状況なのは把握した…が…ここで私がご主人様と認知させてしまうと元の世界に戻ったらラティさんは消えてしまうと言う事か?いや!王妃様も言っていたじゃないか!今を大切に生きよう!
「ラティ?いやラフティーナ!お前のご主人様であるキョウイチロウが只今帰ったぞお迎えは無いのか?」
「ご主人様?嗚呼♪私のご主人様ぁ♡で…も…もぅ私は駄目で…す…」
「キョウイチロウ様…ここまで弱体化してしまったら…最早消え去る運命としか…(ノω・、)」
「えぇぇい!迷うな!スキル発動!種族進化!」
チュドーーーーーン!!!
「へっ!?キョウイチロウ様!?一体何をなさったのですか?屋根が!?地下室の天井ごとお屋敷の屋根が吹っ飛びましたゎ!」
キラキラキラ、高く太く上空に伸びた光の柱が徐々に細くなりその中心に人の姿が現れる。
「あぁ♪お帰りラティ!これからも我が家を守ってくれるかい?」
「ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!!!!!!」
「んなっ!?何です?この小娘は!?」