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第19話 イライラ

「キョウイチロウ様♪今夜は何を作って下さいますの♪」


「(=`ェ´=)フフフ内緒です。」


「キョウイチロウ様、意地悪ですゎ♪」


くっ!あの無表情なセイラの可愛い姿を見られるのは他のメイド達に自慢が出来る程のビッグニュース…ですのに何ですの?このイライラは?


「キョウイチロウ様ぁ♪教えて下さいまし〜♪ヒント♪ヒントだけでもお願いします〜♪」


「食材を見ないと何が作れるかは、決められません」


「ではでは肉料理か魚料理かだけでも教えて下さい」


「(=`ェ´=)フフフそれも秘密です」


「酷いお人♪」


キャイキャイ、キャッキャッウフフ、


「2人共、場所を弁えなさい王妃公認の仲とはいえキャッキャッウフフのラブラブチュッチュッが過ぎますよ」


「そっ!?そんなつもりは…」


「セイラもその様な馬鹿貴族の令嬢の様な話し方はおやめなさい」


「失礼致しました」( ・-・ )スン

私とした事が胃袋の歓喜がそのまま表情に出てしまっていた様ですね


「コチラが厨房になります。食材は一通り並べさせましたのでお好きな物をお持ち下さい、前回の様なスキル暴走の無き様くれぐれもお願いしますよ」


「はい!」


…私の必要なお野菜は…ありましたね

「私はコチラのお野菜を頂いていきます」


「根菜に葉物に実物…結構充実してますねこれなら」


お肉♪お肉が食べたいです♪

「おっ♪肉っ♪お肉っ♪」


「肉は…豚肉?は無いか猪肉かな?ロース?肩?とヒレかな?コレは猪肉ですか?」


「猪肉以外他に何があると言うのです?」


「あっはい、私の国では食肉用に豚や牛や鶏や魚も育ててまして…野生の生き物もございますが堅くて臭みもありましてコチラの食材はどの様に入手したお肉なのか気になりまして」


「なっ!?その様な物はございませんゎ!肉と言えば魔物の肉になります。魔族も人族も魔物の肉を食しています。食肉用とはどの様な肉なのでしょう?」


「はい、私の国ではストレスを与えず良質な肉になる様に家畜として大切に育てます。その身は柔らかく山谷を走り回った筋肉質な獣の肉とは違い適度な脂肪分が含まれ牛肉の脂身などは甘味を感じる程です。調理法にもよりますが旨みを引き出す事に重きを置いた感じで調理された肉は柔らかくて美味しいと言う物です。」


「何ですって!?食べる為だけに牛や豚を育てる!?その様な肉はありません」


「そうですか…では調理法で柔らかくする他ありませんね」


「肉は固い物です。調理法で柔らかくはならないかと」


「(=`ェ´=)フフフ成るんですよ♪」


「何と!?一度でもいいから食べてみたいですゎ」


「分かりました」


「分かりました??」


「調理法は料理長に教えて差し上げますのでレシピを送ります。先ずはメイドの皆様で試食会をしてみて下さい」


「本当ですか!?ありがとうございます♪」


「後は油…この油は何油ですか?」


「オークラードですね」


「私が使うとお腹を壊してしまいそうですね…植物性の油はありませんか?」


「植物性?聞いた事がありません、一体どの様な物なのですか?」


「オリーブとか菜種とかゴマとかから抽出した油になりますかね」


「ほぉ〜興味深けぇな!てめぇ何者だ?」


「なっ!?料理長!?人払いと申したではありませんか!」


「んな事!聞けるもんか!俺の!厨房だぞ!垢の他人に好き勝手させてたまるかぁ!!!」


「ですが!」


「ですがも案山子もねぇ!何者だぁコイツ!」


「黙秘します!」


「じゃあ出てけ!厨房じゃなくても食材はあんだろ!」


「そんな王妃様の通達は聞いてませんの!?」


「だ、か、ら!俺の預かる厨房だっつってんだろぉが!俺の許可無く触らせたくねぇの!」


「気絶させて摘み出しましょう」


「セイラさん!待って!待って下さい!」


「あぁん?つまみ食い魔のセイラもいやがんのかぁ?その男とどぅ言った関係だぁ?」


シュッ!


ガキーーーーン!

2つのフライパンが交錯する

「おぅおぅおぅおぅいきなりたぁどう言った了見だセイラさんよぉ!フライパンなんてもんは新品から油を馴染ませて育てて行く大切な相棒だぁそれをこんな扱いするたぁ許せねぇ!」


イライライライライライラ


シュッ!


ガキーーーーン!


「クリスティーさんまで!?」


「メイド長!?てめぇまで大事なフライパンを!許さねぇぞ!てめぇら!」


「私が悪いんです〜!!久しぶりに厨房なんて入れるなんて知ったらウキウキしてしまって!まとめられた食材を貰って帰れば良かったのに長居してしまってすみませんでした!」


「キョウイチロウ様!?」


「あぁん?キョウイチロウだぁ?てめぇこの国のもんじゃねぇなぁ」

ジロジロと舐め回す様に見てくる料理長


「男だてらに料理すんのか?」


「はい!自立した男として料理は必須です!」


「( ^∀^)アっハハハハハ!面白れぇ!気に入った!コイツらと違って話しの分かる奴じゃねぇか!今度てめぇの料理食わせろ!」


「はい、保養地に居ますんで!いつでもお気軽に!」


「キョウイチロウ様…」


「(;゜д゜)アッ…他の方には内密にお願いしま……す…」


「何だぁ訳ありかぁ?まぁ良い!食材に舐めた真似して無駄にしたら!ただじゃおかねぇからな!俺のとっておきだ!ココには並んでねぇオリーブオイルくれてやらぁ!」


「本当ですか!?ありがとうございます♪」


「では、今からこのお肉調理させて貰っても良いですか?」


「今からだぁ?……まぁ…良い…やってみろや!」


「ありがとうございます!」


「ふんふんふん〜♪調味料も充実してる♪中世ヨーロッパ辺りの時代かと思ってたから黒胡椒が普通にあるのは良い♪肉叩きもある♪」

ダンダンダンダン

「キョウイチロウ様?肉なんて叩いてどうしますの?」

「おい!セイラ!黙ってろや!アレの使い方を知ってるって事はそれなりだ!」


「それなりに何ですの?」


「五月蝿えなぁ!公開料理の解説者じゃねぇんだ!いちいち説明させんな!」


「ぶーーーーぶーーーー!説明を要求するーーー!」


「五月蝿え!キョウイチロウがご機嫌で料理してんだ黙って見守れ!つうか?そんなキャラだったのかセイラ?」


「…」


「ほほぅ下味は塩胡椒そして小麦粉をはたくか…香草で焼くか?なっ!?卵にくぐらすだと!?パン粉!?何ぃ!?揚げやがっただと!?そんな調理法聞いた事がねぇぞ!?」


「ソースは異世界ショッピングで……クリスティーさん買い物しても良いですかね?」


「必要ですの?」


「是が非でも!」


「分かりました私と一緒にコチラに…」


「何だぁコソコソしやがって料理が冷めちまうだろぉが」


「お待たせしました♪」


「ヒレカツです!付け添えはキャベツらしき物と青ジソらしき物と人参らしき物とリンゴらしき物を混ぜたコールスロー!お召し上がりください!コチラのトンカツソースもかけて下さいね♪」


「黒いソース?」


「色んな野菜と香辛料を混ぜて煮込んだソースになります」


「おぅ!てめぇ達!冷める前に食べるぞ!」


「貴方に言われなくても!!」×2


「!?」

「!?」

「!?」


「なんじゃ〜〜!こりゃぁ〜〜!!」

「何ですのこれぇ〜!」

「( ゜Д゜)ウマー♪」


「柔らかいですゎ!」

「たりめぇだ!最高の食材を用意しろなんて言われたらヒレ肉の良い所を仕入れるしかねぇだろ!元々柔らけぇんだよ!叩いて繊維をほぐして更に柔らかくなってる…がそれだけじゃねぇ!臭みもねぇ!あの時か!?何しやがった!サラダも!?美味ぇじゃねえか!?水で晒しただけでこんなに柔らかくなんのか?それに細せぇ!細かく切ると柔らかくなんだな…フムフム」

「これサラダですの?果物まで入ってましてよ♪そして美味しいですゎ♪」

「( ゜Д゜)ウマー♪〜♪」

ヒョイバクっヒョイ(。・н・。)パクッ


モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"


「あっおいこらてめぇセイラ!俺の分を取って食うんじゃねぇ返せ!サラダまで!?」


モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"

ゴックン


「料理長程のお人ならご自分で作れますわよね?あっらぁ?作れ無いとか?無いですわよねぇ〜?」


「すまん!キョウイチロウ!さっきは疑って悪かった実際!煮るのと焼くくらいしか調理法がねぇんだ!頼む!教えくれ!世話になってる王様に美味ぇって言われる料理を出してやりてぇんだ!」


「他が為ですか?美しいです!でも蒸しただけですよ?」


「蒸す!?何だその調理法は!?さっきのか?」


「そうです、そうです、沸騰したお湯の上に蒸篭を置いてその熱をおびた水蒸気で加熱しただけです」


「それだけ!?」


「蒸す際に香草を使って臭みを消してます。それと肉の芯まで揚げて火を通そうとすると低温でじっくりになりますので油っこいんですよね〜、カラッとサクッと油っこく無い様に仕上げたかったんで1回蒸しました♪トンカツソースは置いていきますね王様にご提供する際にお使い下さい♪」


「ありがてぇ!オリーブオイルだけじゃ気が済まねぇ!他に欲しい物は無ぇのか!」


「今回は十分です猪肉に鶏肉にこんなに沢山保存しておけませんし」


「あぁん?アイテム袋を持ってねぇのか?何処の国の者だキョウイチロウ?」


ガヤガヤ、騒ぎを聞きつけた人達の声が聞こえて来る


「人払いの時間が過ぎましたか?ささっ!参りましょうかキョウイチロウ様!」


「あれ?食材は?」


「良いから行きますよキョウイチロウ様!」

キョウイチロウを連れて脱兎の如く厨房を飛び出すメイド2人


「待ちやがれ!未だ話しは終わって…居ねぇし…何だったんだアイツら??まぁ保養地に居るっていうんなら行くしかねぇだろ!今日は無理だけどな、楽しみが増えたぜぇぇぇ!」


セイラに手を引かれ走るキョウイチロウ

「キョウイチロウ様、食材はアイテム袋に入れれば長期保存が可能です。」


「アイテム袋?魔法の袋か何かでしょうか?そこに食材を入れたのですね」


「はい、内容量によって種類は多岐に渡りますがその解釈であっているかと」


「人の入れる袋もありますか?」


「それは流石に無いですね、でも異空間に人が入れる魔法もあるとは聞いた事がありますがレア過ぎて見た事は無いですね」


「セイラさん程、歳を重ね…て…も…」

( ✧Д✧) キラーン

「歳を何ですってキョウイチロウ様」


「いや…何でも無いです…はい…すみません」


イライライライラ

「イチャイチャしてないで早く行きなさい!」


「してないです!」

「してません!」


「息ぴったりですわねw」


「わたくしこの後、王妃様にお呼びだてされてまして忙しいのです。さっさとお行きなさい!」


「はぁ〜ぃ♪セイラ行って参ります〜」


「その話し方、私の前だけにしなさいよ…行ってらっしゃい私達の可愛いセイラ♪」




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