第124話 サラファラールとセルシャルール
サラファラールとセルシャルールはサラとセシャと呼ばれている双子の姉妹でセレスの妹達である。
姉のセレスティアは八賢者だが引っ込み思案で人見知りが激しいが…
妹のサラとセシャは社交的である。
殆ど部屋から出ない姉セレスティアに対してサラファラールとセルシャルールは頻繁に姉の家に遊びに来る。
「セレスお姉さまぁぁ〜♡」
コンコンコン、玄関扉をノックするサラとセシャ
返事が無い…
「お姉ちゃんがお家に居ないなんて!?あり得ないわ!」
「あぁ♪カブト虫!オスだ!格好良い♪
(-ω- ?)んっ?」
「何をしてるの?セシャ?」
「お姉ちゃん、この子…」
「そうね…伝書通信虫ですわね…」
「虫嫌いの姉様に、こんな嫌がらせをして連絡を取って来るのは…」
「(y゜ロ゜)yアイツかしら!」
「( ; ゜Д゜)アイツに違い無いですわ!」
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
バーーーン!
「アベルは居まして!?」ハモる二人
扉をブチ破らんばかりの勢いで、アベルの部屋の扉が開けられる!
「ビクゥッ∑(OωO )!?」
勢いよく紅茶を吹き出すアベル
アベルザーク・シタサ・フォンデライアンはエルフの里に住むエルフの男性で数少ないセレスティアの知人である…
名前の通りクリスティーの親族である。
何処で知り合った?
セレスティアは基本的に部屋から殆ど出ない…
アベルは社交的と言うか…普通に女好きのチャラ男であるが、序列は低いが一応、八賢者の一人で、八賢者就任を強制通達しにセレスティアの元を訪れてからと言うもの、何かと世話を焼いていた。
「サラ!?セシャ!?
ノックは!?」
「五月蝿い!アベル!姉様は何処!」
「虫嫌いのセレスティア姉さまに伝書通信虫なんて嫌がらせに近い連絡方法を取るなんて貴方しか居ないでしょ!」
「ノックも無しに部屋に入って来て!
第一声がそれか!
私が人には見せられ無い状況だったらどうするつもりだ!」
「知らないですわ!」
ハモる二人
「酷い!私の扱いが…
酷い!」(ノω・、)ううぅ
「それで!姉様は何処です?貴方が攫ったんでしょ?
もしも姉様に何かあったら生きては居られなくてよ!」
「冤罪だ!決めつけが!酷すぎる!」
「貴方の普段の動向からすれば、至極普通!
姉様は何処よ!」
「何が冤罪よ!姉様を出しなさい!それとも又、無理難題をふっ掛けて、何処かに行かせましたの?」
「だから冤罪だって!」
「サラ姉様?アベルの馬鹿は本当に何も知らないのでは?」
「では!強制的に痛めつけて聞きましょう!」
「待て!馬鹿姉妹共!」
キラーン( ✧Д✧) ( ✧Д✧ ) キラーン
「誰と誰の事を馬鹿ですって?馬鹿アベル!」
「私を馬鹿呼ばわりして自分達は馬鹿と言われると怒るとか!理不尽極まりない!」
「何ぉ〜!やっちゃう?」
「やっちゃいますか?」
「物騒!」
「お黙りなさいアベル!」
「そうよ!元はと言えば貴方が原因です!」
「ウゼぇ!冤罪だ!つってんだろが!何で俺なんだよ!」
「喰らえ!アベル!」
「そして、セレスティア姉様が何処に居るか吐いて貰いますわよ!」
「舐めんなよ馬鹿姉妹!私はこれでも八賢者!」
「アブソリュートZEROパーフェクトフリージア!」
「絶対零度!完璧なる氷の花!フリージア!」
ハモる二人
「はぁ!?キョウイチロウ様の新神聖級魔法だと!?昨日!魔法使い新聞で発表されたばかりの新魔法だぞ!」
「二人で力を合わせれば、簡単な事!」
「簡単な訳があるか!」
「あら?失敗?」
「馬鹿が!キョウイチロウ様の新神聖級魔法だぞ!そんな簡単なモノでは…」
パキパキ、パキキ、パキパキパキパキ!
「私の家の天井が!?凍って…」
ドサッドサッドサッドサッドサッドサッドサッ
崩れ落ちて来る、アベルザークの家の天井
「マジか!?威力こそ低く成ってるが、徐々に先端に向かって凍る魔法と聞きました!時間差が有るのか!?」
「きゃーーー」
「きゃーーーー」
「きゃー!じゃねぇ!馬鹿姉妹!人の家でやりたい放題しやがって!プロテクトシールド!」
天井から崩れ落ちる氷の塊を範囲魔法で姉妹事守るアベルザーク
「早く…何とかしろ!馬鹿姉妹!落ちて来てる氷を溶かすか転移させるか破壊するか、どうにかしないと三人ともお陀仏だぞ!」
「分かりましたわアベル!」
「しょうがないなぁアベルは」
「元はと言えば、お前たち馬鹿姉妹の不始末だろうが!
私の家には王家に頼まれた大事な魔導回路を組み込んだ試作品とか魔法薬とか二度と手に入らない魔導書とか大事な物が沢山有るんだ…
それに何かあったら幾らお前たちでも只では済まさんぞ!
もぅもたん!処理方法は任せる!早くしろ!
終わったらお茶くらいは出してやる!」
「うん!分かった!」
「いくよサラお姉様!」
ドーーン!
「あっ!処理は任せると言ったが風魔法で吹っ飛ばすとは!?
ファイアーボール!」
吹っ飛んだ氷の欠片を溶かすアベルザーク、氷は溶けて雨となり周辺の民家に降り注ぐ
「馬鹿姉妹!ご近所の人たちに当たったり家をひしゃいだりしたらどうするつもりだ!
お前たちと仲良しな子供達も氷に潰されて死んじゃうかも知れないんだぞ!もっと色々考えろ!」
「ごめんなさい…お友達が死ぬのは嫌…」
「ごめんなさい…いつも可愛がってくれるオバ様やオジ様が居なく成るのは嫌…」
「だったら!後先考えずに魔法をぶっ放すのを先ずやめなさい!
あぁ〜私の家の天井が…」
無残にもアベルザークの家の天井は吹き飛び、木々からの木漏れ日がさす部屋…
「小鳥の、さえずりが心地良いな…」
「そうですわね」
「アベル!このまま♪お外が見えるお家が良い!」
「馬鹿かサラファラール!そんなの最早!家では無い!」
「えぇ〜」ハモる二人
「取り敢えずお茶だ!飲んだら帰れ!お前たちの姉のセレスティアの事、今回私は無関係だ!伝書通信虫?その虫の魔力波動は調べたのか?確かに俺だったか?」
「アベルぅ…心当たりはありませんか?」
「アベルしか頼れないの…」
キラキラしたすがる目でアベルザークを見る姉妹
「だから!その伝書通信虫は何処だ!」
「格好良いから連れて来てるわ」
「かせ!出所を特定してやる!」
「流石アベル!」ハモる二人
「次回から感情に身を任せて決めつけで行動しないと誓えますか?
毎回そうやって最初から素直に、私の家にノックして入って来て話しをしに来てくれれば相談に乗ったのに、お前たち二人ときたら…
私の朝食前に乱入しやがって!今から朝食を作るからお前たちも食べていけ!その間に屋根を直してくれ、頼めるか?
くれぐれもお前たちの創造で可愛くすんなよ!元通りで良い、アレンジは不要だ、ちょっと◯◯してみた!とか言うお前たち姉妹のちょっとは毎回失敗に終わるのは周知の事実、普通だ!普通で良い!お前たち姉妹の普通は、普通に素晴らしいんだ!アレンジしたら朝飯は抜きだからな!いらん事をしたら追い出す!分かったな!」
「…」
「…」
「返事!!」
「はぁ〜ぃ」
瞬く間に屋根を直す二人、アレンジしたいのを我慢する…
何故アレンジを我慢出来るのか?
何だかんだ言ってもアベルザークは面倒見が良い、来るなりいきなり屋根を吹き飛ばす馬鹿姉妹だがアベルザークを嫌っている訳では無い、彼の作る料理は美味しい、何でも女子受け狙いで九兵衛に弟子入りして免許皆伝を言い渡された程である。
元々コッチ、異世界の料理は貴族が食べる食材にいとめを付けず調理された物以外は基本的に薄味で不味い
煮れば旨味は溶け出し肉はパサパサ、臭みも消さない、一般家庭では煮るだけ焼くだけの料理が主流で、異世界人のキョウイチロウからしたらコッチの世界の料理は貴族が食べている料理ですら不味いと感じている。そんな世界で異世界から来た料理人から免許皆伝を貰ったアベルザークの料理は、食べて行けと言われて食べずに帰る馬鹿は居ない…
黙って黙々と修復を続ける姉妹…
「治ったか?コッチは完成だ、修復が未だ残っているなら朝飯が冷めちまう、後にしろ!コッチに来て座れ!いただきますをしたら食べるぞ!」
「その毎回アベルの料理を食べる時に言わされる、いただきますって何なの?」
「食材に感謝する異世界の言葉だな、ジーパングォでは普通らしいが九兵衛師匠が必要な事だと言ったからそうなんだろう」
「へぇ〜」ハモる二人
「実際にそうだろ?ここに並べてられた朝食の材料は誰かが山で採取するか、畑で作られるか、捕獲した物だ!
加工品するにしてもそうだ、誰かが加工してくれている。
ここに並ぶ食材は、誰かの手が加えてられている。その誰かに感謝しなければならない、でなければ全て自分で作物を作らなきゃいけなくなる、食材に、なる動植物への感謝、それを生産する人への感謝、それを踏まえての、いただきます。だ!分かったら冷める前に食べるぞ」
「いただきま〜っす」ハモる二人
「良し!お利口さん!」
「今日の朝食は何ぁに?コレ?」
「キョウイチロウ様が異世界から持ち込んだとされるフワフワパンケーキだ!
こらこら!素手でいくな!ちゃんと教えただろ!フォークとナイフを使え!上品にな!」
「はぁ〜い♪」
「セシャ!さっきの伝書通信虫を出せ!」
「はぁ〜っい」
「どれどれ?フムフム?内容までは分からんが…」
「分からんが?」
モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"
「分からんのか?しょっぱいなアベルは…」
モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"
「五月蝿ぇ!馬鹿セシャ!それと!口の中に物を入れて喋るな!行儀が悪い!」
モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"ゴックン
モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"ゴックン
「飲み込んだら返事!」
「はぁ〜い」ハモる二人
「本当に素直なら、とぉ〜っても可愛いんだからしっかりしゃがれってんだ!」
無言で姉妹の口に付いた蜂蜜をトーションで拭うアベルザーク…
「…」
「…」
なすがままの二人…
「何だよ?」
「アベルはこんなに面倒見が良くて、エルフだから顔立ちもイケメンなのにどうして結婚出来ないのかしら?」
「サラお姉ちゃん!
それを言っちゃ駄目よ!
アベルはモテるけど一人の女性を愛せない人格破綻者なのよ!
付き合い出して3日目には浮気をする浮気がやめられない最低のチャラ男!
顔立ちが良くて面倒見が良いだけではデメリットの方が大きすぎるわ!」
「本人を目の前にして酷いなセシャ…
だが伝書通信虫の出所は分かったぞ」
「流石ぁ♪アベル!」
「使える奴ね!」
「何気にセシャの毒舌が心に刺さって痛い」
「で?で?お姉さまを攫ったのは誰なの?」
「さっさと言え!このグズが!」
└( ゜∀゜)┘サッ
「あっ!私のフワフワパンケーキ!返して!」
「セシャ!お前は口が悪すぎる!フワフワパンケーキは没収だ!サラだけに教える!」
「意地悪!」
「セシャ!アベルザークの言う事にも一理あり!ですわよ、貴女アベルにごめんなさいしなさい!」
「お姉ちゃんまで!…」
「ごめんなさいアベル…」
アベルザークが作る料理には抗えない
「相手を思いやる心を待てとあれほど口酸っぱく教えた筈なのに、何でお前だけこんななんだ?
お前だって嫌だろ?二人の姉と比べられて比較されるなんて、お前だって努力して二人で神聖級魔法が行使出来るまでに成ってるんだろ?」
「一人じゃ何も出来ない…
私は二人のお姉ちゃんが居ないと駄目なの…」
「駄目じゃ無い!」
「駄目なの!」
「駄目じゃ無いぞ、俺が保証してやる!
セルシャルールは、良い子にしてれば可愛いし、魔法だって凄いんだ、そこは自信を持って良い♪」
「アベル…」
「本っ当に、アベル、貴方も浮気性が無ければ幸せに成れる筈ですのに…
それで?出所を教えて下さる?」
「だからサラファラール、お前なぁ今良い所何だから黙って待てないのか?
お前が妹を甘やかすから、セシャは姉に依存しちゃってて自分の伸び代を自らの手で摘んでるだぞ!
お前は少し黙ってろ!
良いかよく聞けよセシャ!お前達は二卵性双生児なんだ!双子だけど顔立ちも違うし私は八賢者のセレスティアより、強くて格好いい姉のサラファラールより潜在能力ではお前の方が頭一つ抜きん出てると思っているんだ」
「本当?」
「おぅ本当だ!俺が浮気を誤魔化す時以外に嘘を付いた事があるか?」
「無い…」
「だったら俺を信用して頑張れ!お前は一人でも凄い子なんだって俺に見せ付けてくれよ!」
「セレスお姉ちゃんよりって事はアベルより強く成っても良いの?」
「∑(O_O;)ビクッ!?それは…」
「それは?」
「良い!とっとと俺を追い抜いてみせろ!」
「私がアベルを追い抜いたらアベルは八賢者じゃなくなる…
それは駄目…」
「駄目じゃ無いぞ!八賢者の選考基準なんて適当なんだ!強さの序列だけで決めて無いしな!
肩書きが付くとそれに対する責任も負わされるから辞退する奴らも多い、そんな事でセシャが頑張らない理由にはならない!」
「うん…私…頑張る」
このセルシャルール決意はのちに花開く事と成るが、その話しは又、別の機会に
「良し♪頑張るんだぞ!そんなセルシャルールには、もう一枚パンケーキを追加だ♪」
(*゜▽ ゜*)パァー
「ありがとうアベル♪」
「あぁ〜!セシャだけズルい!」
「はい、はい、サラファラールも大人しく黙って待てたご褒美に追加だ♪」
∠( `°∀°)/「やっったぁ〜アベル大好き!」
「…
と言う事で、最後の一枚は俺が頂く!誰にも渡さん!」
「その最後の一枚は使い魔が盗み食いしてましたわよ」
モ<"モ<"モ<"(。-ω-)モ<"モ<"モ<"モ<"
「だから口に食べ物を入れて喋るなサラ!…
はぁ!?」
振り返るアベルザーク
(´~`)モグモグ…ゴックン
そこに立つメイド姿の使い魔
「お前!そこにあったフワフワパンケーキ最後の一枚はどうした!?」
「そんな物は、元々存在していませんでした」
「んな訳あるか!お前の口に付いてる蜂蜜とパンケーキのカスは何だ!慌てて食わないとそうはならんぞ!」
「ですから…パンケーキなど私は知りませんわ」
「この後に及んで…駄目イドめ!」
「あら?主人、駄メイドだなんて酷いではありませんか」
淡々とした口調のアベルの使い魔は容姿こそメイドだが人では無い
「まぁ…お前の朝飯も未だだったな許す、街に行ってパンケーキの材料とアップルパイの材料を買って来い」
「かしこまりました主人様」
服ごと水に変わり床に染み込んで消えて行くメイド、そぅアベルザークの使い魔は水の上位精霊である。
「相変わらずね貴方の使い魔は」
「そうなんだよ、消化途中のパンケーキが丸見えだっただろ?アイツも困った奴だ…
だが!お前たちの姉セレスティア大好きっぷりの使い魔よりマシだと思うぞ!
揃いも揃って三人共黒猫だなんて!魔女か!お前ら!」
「良いじゃない!可愛いわよ♪」
「そんな事より、ご馳走様でしたアベル」
「おぉセシャ♪ちゃんとご馳走様が言えるなんてお利口さん!よしよし」
セルシャルールの頭を撫でるアベルザーク
「えへへ〜♪」
「アイツが街で買い物を済ませて来たら、アップルパイを作るから、セレスティアの所に行くのはそれを食べてからにしろ!
場所の目星は付いてるから俺の別の使い魔に案内させる…
って言うか?食べてくよな?」
「本当!アベルのアップルパイと聞いて少し後ろ髪を引かれる思いでしたの!嬉しい♪待ちます!待ちますわ!良いよね!お姉ちゃん!」
「まぁ…アベルのアップルパイが次イツ食べられるか分からないから良いでしょう…待ちます。」
「で?アベル?セレスお姉ちゃんは何処に?」
「あの伝書通信虫はアン・ボニーの物だった」
「あの?八賢者のアン様!?」
「そうだ…お前たちの勘違いがなければ伝書通信虫の出所を確認出来た筈なのに…
真っ先に俺の所に来るだなんて、道草を喰ったな」
「でも!その寄り道で最新のスイーツ♪フワフワパンケーキが食べられましたわ♡」
「はいはい、お茶を入れたから飲んでアイツの帰りを待って、アップルパイも残ったら持たせてやる!持ってけ!」
「ありがとうアベル大好き♪」ハモる二人
「本当に調子の良い奴らだなお前たちは」
呆れるアベルザークだが、元々面倒見が良い上に、女性に対してマメな男である。
やりたい放題な双子姉妹だが来る事に関しては嫌ってはいないようだ
暫くしてメイド使い魔が帰って来て、先ず自分のフワフワパンケーキを作って食し、アップルパイを作り四人で食べた。
「相変わらず料理の腕は一級品ですわね」
「特級だ!馬鹿!」
「否定しませんわ」
「えらく素直じゃないか?どした?」
「美味しい朝食と、美味しいケーキを頂いて、セレスティアお姉さまの元へ送って下さるアベルに感謝を…」
「やれば出来るんだから…普段からやれよ!
まったく…
普通に来るなら、美味しいケーキを出す事もやぶさかでは無いぞ!
出来れば伝書通信バードで連絡をよこすか、魔導電報で一報入れてくれれば、多少は歓迎してやっても良い、もう行け!姉のセレスティアが心配なんだろ?
道草は程々にな」
「ありがとうアベル!行って来ます!」
「おぅ、家に篭りっきりのアイツが外に…下界に出るだなんてどんな心境の変化なのか気になる、詳細を聞かせてくれ!絶対だそ!」
「(*≧艸≦)アベルったら」
「何だよ!」
「んん〜ん!何でも無い♪」
そう笑顔で立ち去る姉妹と使い魔を見えなくなるまで玄関で見送るアベルザーク
「さて、駄目イド!今日中に依頼の品を完成させるぞ!手伝え!」
「そんなに慌てて…
今夜?外泊ですか?又、懲りずに繁華街に出掛けると?
そんな所に貴方様の理想の女性が居るとは思えませんが?」
「五月蝿い!五月蝿い!気が散る!黙れ!駄目イド!」
「はいはい」
淡々と喋る使い魔メイドにブツ付きなから作業に入るアベルザーク、騒がしい姉妹から解放され彼の日常が戻って来た
ここまでお読み頂きありがとうございます!
この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、
ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです (*゜▽゜)ノ
読者様の応援が作者の何よりのやる気に繋がりますので、是非とも!
よろしくお願いいたします!